タグ： すいめい れな

「女のくせに……なんて、その"クセ"に勝てないのはどっち？口は働くくせに頭は働かないんだね」 「生きるか死ぬか。下手に金をかけて結果を覆せる茶番よりずっとスリリングだよ」 ──── 自分に敵意を向けてくる人物に対してはどこまでも敵意を隠そうとしない。 表情は普段からあまり豊かとは言えず、淡々とした印象を受ける。 女性の中では高い身長にすらりとしまった体付きに、珍しい髪色と整った顔立ちも相まって見た目は人目を引きやすく、街中を歩く姿からはあまり民間SPなどと言った畏まった印象を受けることがないだろう。 自身の道場を持ち、師範と呼ばれる存在である父の背中を幼い頃から眺め、尊敬し、羨望していた。 姿勢を崩さず、女性だからと言う理由で甘く見られぬよう、強く在るよう、誰に言われるでもなく心掛けた。 そうして生きている内に。 歳の離れた妹が言った言葉が、麗奈の今の人生の始まりだった。 「お姉ちゃん、りなの好きな××ちゃんみたい！ りなね、お姉ちゃんのこと、学校の友だちにいーっぱいじまんしてるんだよ！」 汚れの知らない、無垢な満面の笑顔。 マシュマロのような頬を染め、自分のことを妹が大好きな少女アニメの主人公みたいだと身振り手振りで伝えるその姿。 幸せそうに街を守る魔法戦士と自分を重ねて周りに話し回る存在にを見て思ったのだ。 ────こんなの…可愛いが……過ぎる……！！！ そう。妹が可愛いかった。 とにかく可愛かったのだ。 Sister is Angel。 それはもうそんなふうに言ってくれるんならお姉ちゃん本当に街のみんなを守る職に就いちゃおっかな〜♪ってなるくらいには。 そこからはもうシスコンの意地だった。 来る日も来る日も筋トレ。筋トレだけでなくサバゲー参加に剣道。 時には師範である父に空手まで教えて貰っていた。 妹が自分の誕生日に書いてくれた似顔絵を肌身離さず持ち歩き、妹が初めてクレヨンで書いてくれた｢おねえちゃんだいすき｣を入れたお守りを握りしめ、ただただ妹の自慢のヒーローになるための努力を繰り返し重ねた。 元々飲み込みや要領がよく柔軟な思考を持っていたこともあり民間SPとなるまでにそう時間は掛からず、今に至る。 妹の自慢のためとは言え、仕事は仕事であり、民間人を守ることは自身の責任と捉えているので仕事ぶりは至って素直。 ストーカーや性被害など、女性に寄り添っての働きぶりにはそこそこ人気はあるらしく、26の頃には異性よりも同性に告白される数が多くなっていた。 …が、本人の恋愛対象は至って男性である。 男女だろうと体格差があろうと辟易しない気丈な姿勢で怖いもの知らずに見られがちだが、ぬいぐるみや甘い夢かわスイーツが好きで典型的なホラーは苦手。 そのため彼女に好意を持って近づくものは「強気なS女」を求めているため付き合ってもイメージと違うと言われ顔はいいのに彼氏が続かない残念な美人。 余談だが、彼女の嗜好や強さを知る同業者の男性から好意を向けられていたことはあったが、とある仕事中大ぶりのナイフを持って巨体の男が麗奈に襲い掛かってきた際に「里奈の恋人に自己紹介文と里奈の好きな所原稿100枚分書かせるまでは死ねないんだよ」の発言のせいで全て台無しになっていたことがあったり。なかったり。 好きなもの:妹、チョコパフェ、バームクーヘン、ぬいぐるみ、タバコ 嫌いなもの:邦楽ホラー、ブラックコーヒー

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