タグ： 透明な夜のステラ

すいた れん 名前の由来は「蓮」 翠色の瞳をした司書。 昔は英雄（ヒーロー）が大好きだった。 本が大好きで、物語の主人公がかっこよくて仕方がなかった。 自分も英雄になりたかった。 希望があった。夢があった。 でももう何もない。夢も希望も何もない。 からっぽの大人。 キックが得意なのは、ヒーローが好きだったころの名残。 ヒーローになるために特訓してたが、向いてないという事に気が付いた。 そこからはヒーロー好きの男の子として中高大学を卒業。 司書としての仕事を始めた。 元々勉強をすること、本を読むことが好きだったので司書は天職だと思ってた。 司書の仕事は蓮に合っていたが、人間関係がダメだった。 仕事場の女性にセクハラする上司や本を大切に思っていない同僚など。 あまりにも腐っている仕事環境だった。 その中で蓮はあまりにも綺麗すぎた。 綺麗すぎたからだんだん濁っていった。 「その年でヒーローとか言ってるの？」 いつだったか、誰に言われたのかも忘れてしまったこの言葉。 からっぽを作ったのは誰のせいだったのか。 その言葉のせいなのか。もしかしたら夢をあきらめきれなかった、子どものままだった自分のせいだったのかもしれない。 その数年後に別の図書館に行くことになった。 そこはいたって普通の、小さな町の図書館だった。 でもその図書館は前の場所と違って黒くよどんだ雰囲気もなく、とても環境のいい場所だった。 濁っているのは蓮の心だけ。 今日も彼はそれを隠して司書をする。 淡々と仕事をこなす司書。 大抵無表情なことが多い。 笑顔が下手。 気を許した相手には柔らかい笑顔を見せることがあるのだが、今のところ気を許せるような人がごくわずかなのでほぼ見れない。 笑顔はSSR。 昔はもっと目がキラキラしていた。 社会と人間の汚いところを知ってだんだんと瞳が濁っていった。 夢も希望もないと自分では言っているが、心の奥底ではまだ燃えるものがひとかけら。 「蓮は泥より出でて泥に染まらず」 じゃあ濁った俺はハグレモノ？

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