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神室　馨(かむろ　かおる) 職業:清花生[EDU×20] 職業特記:清花生として優れている技能に+50 →精神分析で取得。 誕生日:8/5 誕生花:エリカ 物静かで、どことなく物憂げな雰囲気のある少女。 何事も如才なく熟す才媛でありながら、驕ることなく周りの人間に対し、優しく穏やかで、笑みを湛えることを忘れないひと。 生まれは、日本有数の薬品関係を取り扱う事で財を成した資産家の子女。 良家のお嬢様であるが、実態として、政略結婚のための道具、として扱われており、一般的な意味で大切に育てられてはいない。 しかし、将来夫となる人の顔を立て、支えるといった意味で教養は叩き込まれている。 上に兄がおり、そちらは大切に大切に育てられついるために、自分の扱いが違うことや、愛情を与えられいないことに対して自覚的。 元々頭が良く、好奇心の強い性質ではあったが、齎される教養以外に、自己の趣味嗜好は「道具」には必要ないとされ、切り捨て、取り上げられてきた為に、諦めることに慣れてしまっている。 ただ、教養の一環として学ばされたヴァイオリンに関しては肌に合い、好きであるという事を隠して、現在に至っている。 弾くのは学園に在籍する間のみ。家に知られてしまえば、取り上げられてしまうから。 花嫁修行のためだけに学園に入れられたものの、此処では神室家の道具ではなく、神室馨として振る舞える事に安堵している。 この場所から出れば、自身は人間ではなく道具に戻ってしまう、というのがよく分かっているが故に学園に居る間は居場所を作りたい、と清花生にまでなるに至った。 ただ、月に一度清花生としてやらねばならない清花式については、嫌悪感や恐怖を覚えるような感情から幸福感に転じる自身の心が不可解で、式に対しては不信感を。自分自身に対して激しい嫌悪を抱いている。 妹達に対しては、彼女が愛情を受けて育たなかった弊害もあり、彼女自身愛することも愛されることも、何処か縁遠いものに感じていた。 姉妹関係を結ぶにあたり、神室家とのパイプや、学園生活で有利になるものが欲しいのだろうか、とさえ考えていたし、清花生となった今もそう考えることも多い。 ただ、何の思惑があろうと、お姉様と慕ってきた相手を邪険には出来ず、慣れないながらも、その慕情に応え、守り、解らないながらも慈しむような在り方をしていた。 精神分析が高くなったのは、陰に日向に夫を支えよ、という実家からの指示もあってのことだが、主に妹達の心に添えたら良い、と思って習得した技能でもある。 また、自分自身が自由の利かない身の上であるが故に、妹達の自由や居場所を奪おうとするものを、自分の立場から何かできることがあれば、何とかしようと動きがち。 そのくらい、心を傾けていた。 しかし、彼女が妹達に、大切だと、愛していると、自慢だと口に出した事はない。 自分が執着し、大切にしてきたものは、相応しくないと取り上げられてしまうのが常であったから。 大切だと、口にしてしまえば、惜しくなる。 諦められなくなる事を危惧して、言葉には出せなかった。 だから、口にする事はなかったが、結局妹達は学園を去り、自分は残された。 それに寂しさと羨ましさを覚えている自分を恥じており、そんなことを思う自分に失望している。 羨望や寂寥を抱える裏で、妹達が、どうか幸福であるようにとも願っている。どちらも本心。 今年に出来た妹に関しても、また去ってしまうのでは、或いは自分と組むことで去る原因を作ってしまうのではという考えから消極的であったが、押し切られたのかもしれない。 どのような思惑があるにせよ、妹が自分の意思で決定し、選んだ道を歩めれば良いと思っている。 ただ、馨自身は、此処を卒業すれば、神室馨という人格は不要とされ、道具として生きる事を余儀なくされるという現実に、卒業前に消えてしまいたいという願いを抱えている。 道具、として一生を終えるより、神室馨として一生を終えたい。 人間のまま、終わってしまいたい。 ……そして叶うなら、消えてしまうまえに、誰かを愛してみたかった。 そんな事は無理だと、わかっているけれど。

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