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「ごほっ、ごほっ……お姉ちゃん、ごめんね……」 「こんにちは。今日もあなたのオーラを見させていただきますね」 「お兄ちゃん。今月頑張ったから来月長いお休み頂戴よ。お母さんには長期療養って言うから」 わたし/あなた/～さん、くん ベース職業：占い師 職業技能：オカルト、信用、心理学 ＋個人的な関心のある技能１つ→変装 技能入れ替え：言いくるめ→芸術（口説き落とし） にこりと微笑み、学んだ甘い言葉を囁けば男は誰だってはうりに傾いた。隣に他に女がいようが男がいようが関係はなく、あらゆる男を「口説き落とし」てきた。それはある種「言いくるめ」と言っても過言ではないだろう。 特徴表 68【マニア・コレクター】コイン、本、昆虫、芸術、宝石、歴史的な遺物などを収集している。 　任意のコレクションを１つ決めること。その筋では有名人であり、＜幸運＞ロールに成功すれば言相手にも共感を得られて、感動を与えられるかも知れない。 →廿楽原はうりの趣味は様々な業界のバッジ収集である。「お客様」である彼らから信頼を得た際、彼女はそれを貰っていた。身分の証明であり、それははうりへの信頼でもあった。 銀友会 会長「銀鏡 梗海（しろみ きょうかい）」の愛人の子供。次女。 母親は会長の初恋の相手である。 父親の初恋の相手が母親だからといってロマンティックな話があるはずもなく、所謂カタギで普通の男性と恋愛し結婚した母を父が見つけ出し旦那を海に沈め子供を流させ心の壊れた女を犯し尽くしてできたのが兄であり双子の姉であり、自分だった。母は兄を生まれてくるはずだった愛する男との子供に兄重ねており、情緒不安定な彼女は兄を目に入れても痛くない程可愛がることもあれば泣きながら打つこともあった。一卵性双生児であるはうりと姉のはふりは父親ではなく母親に似ており、生まれつき体の弱いはうりは誰よりも両親に可愛がられていた。 家から出ることも叶わず、邸内での移動は車椅子。次男ではあるが父親に可愛がられている兄は組内での要職に就き、可愛げがないと母親に嫌われている姉は父親の本妻に引き取られ異母兄の元で手となり足となり働いていた。家から出られるはずだった姉は、「病弱が故に母親に一番目をかけられている」という理由で嫉妬し冷遇する父親の代わりにはうりの医療費を稼ぐために奔走していた。 そんな姉に申し訳ないと思いながら、廿楽原はうりは今日も生きている。 ……と、いうのがはうりの表向きの顔である。 実のところ、はうりの身体は常人よりも多少か弱い程度であった。兄よりも、姉よりも情緒の不安定な母親に愛されていると気が付いたはうりは「病弱」なふりを振ることにした。か弱いふりをして、母の愛を一心に集め。兄や姉が金切声とともにぶたれるのを彼女はほくそ笑みながら聞いていた。 そんなはうりの企みに、仮病に気が付いたのは異母兄のみであった。咎めることも誰かに話すこともしなかった異母兄は、ただ優しくはうりにアドバイスをくれた。はじめて「はうり」自身を見てくれた異母兄に、彼女は心酔していくことになる。 異母兄の手引きで家から抜け出し、本などで学んだことを耳障りのいい言葉に変え甘い声で包み込み、股を開き、騙し。そうして得たコネとバッジと金を異母兄に渡していた。 そうした自由を、はうりは愛していた。うまくやれば異母兄はご褒美にとなんでも手に入れてくれた。様々な理由から半ば嫌々異母兄の元で働いている兄よりも、異母兄への恋心と自分への愛情を利用されている姉よりも。はうりは自分が優秀である自覚があった。異母兄に愛されている自信があった。 母親はもう、自身の子供に手を上げることもヒステリックに叫ぶこともない。しかし、兄と姉を見る度にはうりの心は満たされた。自分は、愛されているのだと。 ――そんなはうり自身も、利用されているとは気付かずに。

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