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Nobody Can Save Them
ID:4645640
MD:a642c04ae244141ae718c005087a1e5d
Nobody Can Save Them
タグ:
かつどんの探索者
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生まれ・能力値
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その他増加分
一時的増減
現在値
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デア
幸運
知識
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SAN
現在SAN値
/
(不定領域:
)
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技能
職業P
/
(うち追加分:
)
興味P
/
(うち追加分:
)
表示
初期値の技能を隠す
複数回成長モード
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通常表示
<戦闘技能>
成長
戦闘技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
回避
キック
組み付き
こぶし(パンチ)
頭突き
投擲
マーシャルアーツ
拳銃
サブマシンガン
ショットガン
マシンガン
ライフル
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<探索技能>
成長
探索技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
応急手当
鍵開け
隠す
隠れる
聞き耳
忍び歩き
写真術
精神分析
追跡
登攀
図書館
目星
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<行動技能>
成長
行動技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
運転(
)
機械修理
重機械操作
乗馬
水泳
製作(
)
操縦(
)
跳躍
電気修理
ナビゲート
変装
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通常表示
<交渉技能>
成長
交渉技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
言いくるめ
信用
説得
値切り
母国語(
)
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簡易表示
通常表示
<知識技能>
成長
知識技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
医学
オカルト
化学
クトゥルフ神話
芸術(
)
経理
考古学
コンピューター
心理学
人類学
生物学
地質学
電子工学
天文学
博物学
物理学
法律
薬学
歴史
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戦闘・武器・防具
ダメージボーナス:
名前
成功率
ダメージ
射程
攻撃回数
装弾数
耐久力
その他
%
%
%
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所持品・所持金
名称
単価
個
価格
効果・備考など
価格総計
現在の所持金:
、 預金・借金:
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通常表示
パーソナルデータ
キャラクター名
タグ
職業
年齢
性別
身長
体重
出身
髪の色
瞳の色
肌の色
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その他メモ
ㅤ 𝔇𝔬 𝔫𝔬𝔱 𝔞𝔫𝔱𝔦𝔠𝔦𝔭𝔞𝔱𝔢 𝔱𝔯𝔬𝔲𝔟𝔩𝔢, 𝔬𝔯 𝔴𝔬𝔯𝔯𝔶 𝔞𝔟𝔬𝔲𝔱 𝔴𝔥𝔞𝔱 𝔪𝔞𝔶 𝔫𝔢𝔳𝔢𝔯 𝔥𝔞𝔭𝔭𝔢𝔫. 𝔎𝔢𝔢𝔭 𝔦𝔫 𝔱𝔥𝔢 𝔰𝔲𝔫𝔩𝔦𝔤𝔥𝔱. 困難を予期するな。 決して起こらないかも知れぬことに心を悩ますな。 常に心に太陽を持て。 ― ベンジャミン・フランクリン(1706~1790) ▌𝐌𝐢𝐜𝐡𝐚𝐞𝐥 𝐉𝐞𝐚𝐧 𝐀𝐩𝐨𝐥𝐥𝐨 - ミハイル・ジャン・アポロ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ∥ 男 ∥ 21歳 ∥ 軍人 ∥ 𝐍𝐨𝐛𝐨𝐝𝐲 𝐂𝐚𝐧 𝐒𝐚𝐯𝐞 𝐓𝐡𝐞𝐦|𝐏𝐂 ▮ Birth |9/29(ミカエルの記念日) ▮ Height |154cm ▮ Weight |58kg ▮ Nickname |ミカ(Mika)、ミーシャ(Micha) ▌𝐓𝐨𝐩𝐢𝐜𝐬 - 特記 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▮ 2010(基本)より<兵士>を選択 ▮ 1920年代探索者キャラシートを使用 ▌𝐂𝐡𝐚𝐫𝐚𝐜𝐭𝐞𝐫𝐢𝐬𝐭𝐢𝐜 𝐓𝐚𝐛𝐥𝐞𝐬 - 特徴表 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▮ 5-05:おおらか|療養時のSAN回復+1 ▮ 1-08:幸運のお守り|身に着けている限りPOW+1 ▌𝐁𝐢𝐨𝐠𝐫𝐚𝐩𝐡𝐲 - 人物像 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ❚性格 素直でまっすぐな性格の青年。笑顔を絶やさず、誰に対してもはきはきとした口調で接する。その温和な性格と容姿、小柄な体格から男所帯の軍組織において舐められがちではあるものの、自分の意見をはっきり持っており、時折失言をかまして怒られる。 「勝算〇〇%」が口ぐせ。日常生活でもよく使う。 ❚出自 実の両親は戦争で死亡している。生まれた村が侵略行為に遭った際にはぐれてしまい、消息を知ったのは育ての両親に引き取られてから。その間しばらくは兵士から隠れ、拾った銃で身を守りながら生き抜いていた。 幼年期は戦災孤児としてナイルア国内の孤児院で育った。国境近くの村にある孤児院では都心部ほど満足な食糧供給もなく、毎朝配られる一切れの黒パンと、敷地内で飼われている痩せた牛からとれるわずかな牛乳でどうにか食いつないできた。当時は今ほどナイルアの国政は安定しておらず、戦後の困窮した人々はよほど余裕がない限り孤児を引き取ることはしなかったし、引き取られるのも農作業を担うことができる比較的栄養のゆきとどいた子供たちだった。欠食児童で虚弱だったミハイルを引き取ろうとする里親はおらず、飢えと戦った数年後にある夫婦がミハイルを引き取る。彼らは生前の両親が手紙を残していた両親の文通相手で、ミハイルを哀れに思った彼らは余裕のない生活の中でミハイルを丁寧に育て上げた。後に本人の志願で兵学校に進学するまでは共に暮らした。 ❚頭脳 とりとめのない空想にふける癖があり、時々ぼうっとしては声を掛けられる。 脳みそが常に動いているためか勘はよく、自分でもよく理解していないうちに正鵠を射た物言いをすることもしばしば。まだ年若いこともあり経験や知識は浅いが、持ち前のひらめきは遺憾なく発揮する。考えすぎると知恵熱を出す。 また、兵士や武器の数、天候、その他諸要素を読んで戦略を練ることが好き。ある状況でもっとも効率的に勝利を収める方法を考えるのがひそかな趣味だが、上官の指示に逆らうわけにはいかないので頭の中に留めている。 ❚政治思想 マレキスの影響を若干受けて現政権にやや懐疑的ではあるが、本人はいたってシンプルな思想の持ち主。国家における理想は「自分のことは自分でできる人たちが必要数集まった状態」だと考えている。自分のことは自分で決められる。自分の生活は自分が保障している。自分の心と体、少なくともそのどちらかに余裕があるから、余裕のなくなった誰かを助けられる。ゆえに、現在のベレツカヤ総帥に依存しきった体制では今後に懸念が残ると思っている。彼が築いた社会秩序がどれほど盤石のものであろうとも、意思決定の機会は毎日のように訪れるし、システムは時勢に合わせて変えていくべきなのだから、そうできる他の誰かがまったく不在のまま進んでいるのならそれは問題だ、という程度。 このようにある程度自分の考えは持っているが、人からの意見も柔軟に受け止める。議論自体は好きだが、人をむやみに傷つけてまで自分の意見を押し通すのは好きではない。感情<正しさ、支持する人数<裏付けの有無。 ❚生活 早寝早起き。よく動きよく働きよく食べよく眠る健康優良児。しかしものすごく大食いで、基本的に常に空腹。何でも好き嫌いせず食べるが、具だくさんのベーグルサンドが大好物。しっとりもちもちのベーグルにえびかハムが挟まってると最高! ちょっと焼き目をつけてもおいしい。他にも焼き菓子やパンはだいたい好き。 コーヒーはブラックだと苦すぎるのでカフェオレにして飲む。お酒も好きでよく飲む。特に好きなのはエールビール。 ❚戦争について 幼い時から戦争と隣り合わせで育ってきたこともあり、マレキスとは別の意味で戦争が人生の一部のようになっている。台風や地震や干ばつのように、自然に訪れるもの。 例えば何かどうしても話し合いでは決められないことがあったとして、そんな時は、首脳同士がじゃんけんをして決める。みんながそれで納得できるなら戦争なんてしなくていいと思う。みんなそれでは納得できないから戦争があるんだと思う。 ▌𝐄𝐧𝐜𝐨𝐮𝐧𝐭𝐞𝐫 - アダムとの出会い ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ アダム・アイゼア・クリスティは、戦地でできた初めての友人である。 ある夜のこと。戦線が長く膠着し、補給の到着も送れた厳しい状況の中、空腹に倒れそうになりながらふらふらとさまよううちに誤って隣の中隊の基地に辿り着いてしまったミハイルは、ついに糸が切れたように気を失った。 ところが次に目を覚ますと、毛布をかぶってろうそくの灯る塹壕内の一室にいる。ちらちらと揺れるろうそくの炎を頼りに暗闇で目を凝らすと、丁寧なしぐさでライフルを手入れする誰かの姿が見えた。こちらが目を覚ましたことに気づいたらしい彼は、用は済んだとばかりに手入れの終わった銃を握って席を立った。それを慌てて引き留めると、彼はややうざったそうに振り返った。自身の失態に顔を赤くしたり青くしたりしながら謝罪と感謝を繰り返すミハイルを見て、彼はどこかばつが悪そうな表情のまま、ついには名前も聞く前に立ち去ってしまった。 礼などいいとは言っていたが、何か謝礼をしないと気が済まない! 深い墨の色をした、長髪の男はいないか! 大ぜいを巻き込んで基地中探し回っているとき、いい加減にしろと言わんばかりの表情で名乗り出た彼はアダムというそうだった。生まれてこの方、陽気で明るい両親や勢いと反骨精神だけで生きているような幼馴染に囲まれて生きてきたミハイルにとって、物静かであまり笑わない彼は初めて出会うタイプの人間だった。皆がたまの小康状態に酒を空けて大笑いしていてもアダムはいつも壁の花で、煙ばかりで星のない空を見つめている。その横顔は憎々しげにも、ともすれば苦しげにも見えた。 だから、いつもそれとなく隣に座っては、他愛もない話を繰り返した。残り少ない酒を舐めるように飲んで、ぼくの隊のクレイヴが耳たぶをねずみに齧り取られて大変だったとか、ラルデア兵とじゃんけんのやり方が違って面白かっただとか、空が白むまで離しているのはほとんどミハイルばかりだった。それでも根気よくミハイルの話を聞き届けては、たまにちょっとニヒルなあいづちを返すアダムを見ていると、次はもっといい土産話を届けたいと思う。朝が来たらそれぞれの基地に帰って、アダムは今どうしているかなと思いながら、塹壕に潜み、敵兵を撃つ。通路に置き去りの冷たくなった仲間を見ても、もう心は必要以上には動かない。ただ、これがアダムだったらと思うと、鼻の奥がつんと少しだけ痛んだ。 そんなある日のことだ。38隊の兵士数十名が巻き込まれる大きな爆撃があった。知らせを聞いてすぐに怪我人のテントに走った。ミハイルの顔を見て合点した兵士があっちだと教えてくれる前に、不思議と彼がどのテントにいるのか、すぐにわかった。ぬかるんだ泥を蹴って飛び込んだ先、友人はぱっと顔をあげると、軽快に右手を挙げ。ハーイミカちゃん! 俺はこの通り元気だぜ! ミハイルは顔からこけた。 近くで困惑を隠せない様子の衛生兵に事細かに事情を聴くと、ともかく今のところ、命に別状はないとのことだった。 近くで見ると、ひどいやけどが広範囲に残っている。さらさらで触り心地のいいミハイルお気に入りのロングヘアも、泥や血に塗れ、一部は焼け焦げてしまっている。けれど生きている。そう、確かに生きているのだ! ミハイルにとって重要なのはその奇跡の一点のみであった。思わず涙ぐんで抱きつくと、彼は驚いたようにしつつも、力の入らない包帯だらけの腕で背中を叩いてくれた。そのとき、眠る自分に毛布をかけるぎこちない彼の手つきを思い出して、なんだ、アダムはやっぱりアダムじゃないか。そう理解した。 そして現在。ミハイルは大学資金を貯めるため、ある都市で郵便と配達のアルバイトをしている。手紙はもちろん、バーや小売店に商品や食材を下ろしたりなど仕事内容はさまざま。自転車やバイクをひっきりなしに乗り換えて、時にはトラックも走らせて。何か調子の悪いところがでてきたら、シードルで親友に直してもらうのだ。 ▌𝐓𝐢𝐦𝐞𝐥𝐢𝐧𝐞 - 年表 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 0歳 - ルルーア国境沿いの農村に生まれる。 7歳 - 村が侵略行為により壊滅。数週間ほど自力で生き延びる。 8歳 - 孤児院で過ごす。食糧難で餓死寸前の状態に追い込まれる。 9歳 - 育ての親である夫妻に引き取られる。 10~13歳 - 中等教育。背が伸び悩んで焦り始める。 13~16歳 - 高等教育。軍事訓練、主に近接戦闘で好成績を残す。 17~18歳 - 両親の手伝いをして過ごす。戦争がすでに始まっている。 18歳 - アルカム戦争参加。陸軍歩兵部隊第39中隊配属。 現在 - 都市部で働きつつ実家に仕送りをしている。 ▌𝐂𝐨𝐧𝐧𝐞𝐜𝐭𝐢𝐨𝐧 - 人物関係 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ❚アダム CS:https://charasheet.vampire-blood.net/4637097 大好きな親友! 運び込まれた先で見たこともない満面の笑顔のアダムを見た時はさすがに驚いたが、生きていてくれたことが何よりもうれしかったので特に気にしていない。どんなきみでもきみはきみだ! ❚育ての父と母 父:ニカノル(Nicanor) 母:マルシア(Marcia) 大好きな家族! ひまわり農家を営む夫婦で、ミハイルの実の両親の文通相手。幼いミハイルも焼け落ちる前の実家の庭に夫婦から送られてきたひまわりの種が芽を出していたことをわずかに覚えている。 採れたひまわりは油や飼料にしたり、観賞用として売ったり。豊かな黄色い花弁と高い背丈が自慢。 ❚実の両親 名前も顔もおぼろげにしか覚えていないが、愛情深い人々だったと記憶している。 育ての両親から彼らの送った手紙を見せてもらっては彼らに思いを馳せている。 区別のために彼らを「お父さん・お母さん」、育ての両親は「父さん・母さん」と呼んでいる。 ❚マレキス 九つ上だが「アレキ」と呼んでいる。引き取られた町の領主の長子で、マレキスが実家に帰省しているときにたまたま知り合った。年も遠くそれほど親交が深かったわけではないが、数年おきに何かの拍子に顔を合わせては離散することを繰り返している。 ❚クノック准指揮官 面識はある程度。彼の指揮下に近ければ近いほど部隊が統制のとれた動きをすると聞いてから密かに憧れを抱いている。 ▌𝐃𝐢𝐚𝐥𝐨𝐠𝐮𝐞 - 台詞例 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「さあ、行こう! さわやかなナイルアの風がぼくらの背を押してくれる! 」 「すぐにお腹がすいちゃうんだ。食べても食べても足りない気がするよ、えへへ」 「父さん母さん行ってきます! お父さんお母さん、行ってきます! 」 「わあ! ごめんなさい、そんなつもりじゃ! 」 「アレキは悪いやつじゃないよ。言葉の選び方に遠慮がまったくないだけで……」 「大丈夫。必ず勝てるさ。我等に繁栄を、友よ」 「いつかの終わりを恐れたって仕方ないんだ。今ぼくは生きていて、やるべきことがある。それが全てさ」 「空は晴れて風は柔らか、これ以上ない日和だ。それに、ぼくときみが生きてここにいる。 勝算は120%、そうだろ? アダム! 」 ▌𝐓𝐡𝐞 𝐋𝐞𝐭𝐭𝐞𝐫 𝐅𝐫𝐨𝐦 𝐆𝐨𝐝 - 「神の手紙」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ぼくには密かに追い求めているものがある。 それは、かつてぼくが聞いた声の主を知ること。 「神に似たるものは誰か」。それを突き止めることだ。 ナイルア領ルルーア国境付近に密かに佇むその町の名はアポルオンと言い、山の麓でわずかな住民が土を耕して暮らしているだけの、ごく小さな集落だったそうだ。 高い山に遮られ日光量の少ないアポルオンは伝統的に太陽を信仰しており、町の名は古い言葉で太陽を意味しているそうだった。そこでぼくは生まれた。 姓には町の名を、名にはもっともありふれた呼称を与えられたぼくは、口数の少ない子供だった。二つになるまでほとんど意味を成すような言葉を発さず、能動的に動くことも少ない。知恵遅れなのではないかと皆心配したが、言葉は理解している様子だし、健康にも問題はなかった。 そもそも子供の少ない町であるにもかかわらず他の子供ともほとんど交わらずに育ったぼくが、四つになる年のことだった。 朝から慌ただしく家中を駆け回ると、血相を変えたぼくが紙とペンはどこかと怒鳴る。読み書きもろくにしてこなかったぼくに両親が戸惑いながらそれらを差し出すと、ぼくは机に齧り付くようにして一心不乱に何かを書き留めた。 ぼくは叫んだ。 「私は神の声を聞いた」 「じきに大きな戦争が起こる。必ずだ」 「私は、我々は」 「その戦争で勝利を収めなければならない」 「繁栄と栄光のために」 最後の一文字を書き記したとき、ぼくは糸が切れたように倒れ伏した。灼けるような高熱に見舞われたぼくは、次に目を覚ました時には当時のことをおぼろげにしか覚えていなかった。 今やアポルオンでも長老衆以外にはほとんど知る人のいない、またぼくも知るはずのないフォルトハの言葉で書かれた文言を、両親は理解することはできなかった。しかし、末尾に力強く書かれたその単語は、その後ある種の畏敬を携えてぼくを呼ぶ記号となった。 ミカイル。フォルトハ語で、「神に似たるものは誰か」。 その後もぼくは幾度かの奇跡を起こして見せたそうだ。水害を予見して作物を守り、読める者のいない古文書を読み解き、不治とされた疫病に効く薬のつくり方を諳んじて見せた。神秘主義の老人らはぼくを崇めたが、両親にとっては変わらずただ一人の愛する息子だったようで、戸惑いを手紙につづって友人へ宛てた。彼らは愛情深くぼくを育て、ぼくも少しずつ普通の子供らしい振る舞いをするようになった。 そんなぼくが七つになるある日のことだ。「ナイルア当局から来た」と称する軍服の一団が、武器を携えてアポルオンに押し入った。 曰く、この町の人間が邪教を信奉しているという密告があった。 曰く、総帥閣下の厳命によりアポルオン町民諸君を連行する。 当然住民にはまったくの覚えがなかった。邪教などととんでもない、このアポルオンに根付くのは古より太陽への信仰だけ。総帥閣下の統治を乱すようなことは。そう訴える町長が射殺されると、人々は恐慌状態に陥り逃げ惑った。村の若い男たちが必死の抵抗を見せたが、武装した一段には到底叶わず、アポルオンは三日に渡る一方的な蹂躙を経て壊滅した。 ぼくはというと、この間のことをほとんど覚えていない。 アポルオン侵攻のことだけではなく、どういうわけか侵攻を生き延びたぼくがアポルオンから数マイル離れた孤児院で保護されるまで。アポルオンで過ごした七年間の、ほとんど全てだ。 ぼくがアポルオンで起きたことを知ったのは、育ての両親が残していたアポルオンからの手紙を読んだとき。ほとんどはぼくの成長を喜ぶ屈託のない内容だったが、これらの経緯が読み取れる記述のほか、気になる手紙がいくつかあった。 その中でも特に奇妙だったのは、ぼくを生んだ両親が最期に送った手紙だ。 最初、ニカノルとマルシアはそれを読むことができなかった。とんでもない悪筆で書かれていたからだ。急ぎで書いたばかりにこうなったのかと思い文に詳しい友人に読ませると、それは全くの勘違いだった。 下記の文章は全てフォルトハ語にて記されていた。 「其は永久に横たわる死者にあらねど はかり知れざる永劫のもとに死を超ゆるもの ██が眠る地アポルオンより ミカイル・ヨアニス・アポルオンを保護されたし」 ミカイル・ヨアニス・アポルオン。 ナイルア風に発音するなら「ミハイル・ジャン・アポロ」だ。 さて、なんと多くの疑問の残ることだろう。 フォルトハ語は一部の派生語においては話者がおおよそ絶滅している古い言語で、かつ同音多義語が非常に多いためイントネーションの推測できない書き文字では誤訳が頻出する大変難しい言語だ。ぼく自身自分の名前以外の単語は全く知らない。よって、ぼくが書き残した文章や両親の__そも本当に両親が書いたものかもわからない__手紙の訳出が正確かはわからない。 それに、アポルオンを侵略した一団についてもまったく不明だ。ベレツカヤ政権以前は命令違反者が投獄されることも少なくはなかったそうだが、それにせよアポルオンのような地方の田舎町に目くじらをたてるほど、世界連盟盟主たるナイルアは小さな国ではない。それに、仮にそれほどの侵略行為があったなら、なぜぼくだけが生き延びている? アポルオンについての文献は探しうる限り全く残っておらず、郵便局の記録をひっくり返して調べる権力もいまのところないぼくにとっては、手紙から読み取れる情報と、記憶にわずかに残るのどかな風景だけが全てだ。 そして今に至る。 ぼくは今でも時折神の声を聞く……などということはまったくない。ちょっと人より勘がいいだけだ。第六感というべきか、必要なものがどこにあるのかピンと思い付くときがあるし、ぼく自身どうして辿り着いたのかわからない答えに、ぴかんと思い当たる時がたまにある。その程度である。 しかし、手紙に書かれていたようなことを完全な創作だと否定するにはどうしても腑に落ちない点が二つだけある。 一つはぼくが持っている指輪だ。両親から贈られたものだ、ということになっている。 何の変哲もない合金製のそれには、十字架をいくつか重ね合わせたような紋章があしらわれている。それはぼくの知る限りのどの宗教や団体のシンボルでもない。これに関しては父さんや母さんも手紙で聞いたこともなく、全く見当がつかないとのことだ。ぼくはこれを自身の出自の手掛かりとして、現在も大切に所持している。 それからもう一つ。 幼い頃にこんな夢を見たのだ。 夢の中でぼくはあるものと対峙していた。そこにいたのは炎としか形容できない何かだった。太陽をも凌ぐほどの灼熱。白むほどに燃えさかる炎の中には翼や眼のようなものもかすかに認められたが、実際にそれらであったかは定かではない。 ぼくはそれを神か、あるいはそれに近しい何かだと思う。神であると断定しないのは、ぼくの知る一般的な宗教における神とはおおむね人の形をしていて、眼前の炎は人のそれからかけ離れた姿をしているためだ。 それは何を言うわけでもなく、燃えさかる炎に包まれたまま、あるいはあれ自体が炎によって象られているものなのかもしれないが、まるで眠っているかのようにぴくりともその場を動かなかった。 ぼくはそれに恐怖した。 それに歓喜した。 それを畏怖した。 それを敬愛した。 そのどれでもなかった。 それら全てであった。 そんな夢である。 ただの夢だと断ずればそれで終わりだが、どうにも気にかかる。仮に手紙に書かれていたことの全てが真実だとして、ぼくが夢で見たような……人智を越えた、人間には形容のできない「あれ」も、この宇宙のどこかに実在するのではないか。実際のところ、ぼくは神託の通り戦争に参加し、我が祖国ナイルアの繁栄と栄光のため戦ったのだ。アポルオンが破壊されなければ、ぼくはきっとその町から出ないままに一生を過ごした。恐らく、神の導きは存在する。ぼくたちが全く予想だにしない形で。 ぼくは思う。ぼくらが疑いなく敬礼と共に口にする「我等」とは、誰を指すのだろう。 ぼくは思う。神とは果たして、必ずぼくたちと同じ姿をしているのだろうか。 ぼくは思う。ぼくが受け取った神託は、一体だれの願いなのか。 この空想が孕む危険に、ぼくは気づいている。 もう一度問う。神に似たるものは誰か。 ▌𝐍𝐚𝐦𝐞 - 名前について ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ❚𝐌𝐢𝐜𝐡𝐚𝐞𝐥 ナイルア語 ¦ミハイル フォルトハ語¦ミカイル :天使ミカエルより。ヘブライ語で「神に似たるものは誰か」を意味する。モーセの著した『タルムード』では「誰が神のようになれようか」という反語として解釈される。 ジャンヌ・ダルクに神託を与えた天使。また、ジョン・ミルトン著「失楽園」においてアダムとイヴを追放したのはミカエルであるとされる。 ❚𝐉𝐞𝐚𝐧 ナイルア語 ¦ジャン フォルトハ語¦ヨアニス :英語で言うところの「ジョン(John)」、日本語で言うところの「太郎」。長男につけられる一般的な名前。フランス語の女性名「ジャンヌ(Jeanne)」の男性形。また、預言者ヨハネを起源とする名。 ❚𝐀𝐩𝐨𝐥𝐥𝐨 ナイルア語 ¦アポロ :太陽神アポローンより。 フォルトハ語¦アポルオン :アバドンの別名より。ギリシャ語で「破壊者」。 ヨハネの黙示録に登場する「底なし沼の天使」。千年に渡ってサタン(≒ルシファー)を幽閉した奈落の王。一説によればアポルオンの名はアポローンが祖であるとされる。 ▌𝐒𝐨𝐧𝐠𝐬 - イメージソング ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ❚シューベルト『アヴェ・マリア(Ave Maria)』 :https://youtu.be/2H5rusicEnc ❚MI8K - ラブ&デストロイ :https://youtu.be/TePMB9zv9Ss ❚Mili - Salt, Pepper, Birds, and the Thought Police(塩と胡椒と鳥と思想警察) :https://youtu.be/Dca9gJyjoAg ▌𝐑𝐞𝐟𝐞𝐫𝐞𝐧𝐜𝐞𝐬 - 参考 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ❚ミカエル https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%82%AB%E3%82%A8%E3%83%AB ❚アポロン https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9D%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%B3 ❚アバドン https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%90%E3%83%89%E3%83%B3#CITEREF%E3%83%98%E3%82%A4%E3%82%BA%E4%B8%AD%E6%9D%912014 ❚神託 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E8%A8%97 ❚デルポイ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%83%AB%E3%83%9D%E3%82%A4 ❚少年十字軍 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%91%E5%B9%B4%E5%8D%81%E5%AD%97%E8%BB%8D
※
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