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アルバン先生　青銅院　仁王(せいどういん　におう) 歴史担当熱血教師、勉強も部活も恋愛も全て先生は応援するぞ！ 学生時代、青銅院仁王は不良をやっつける地元のヒーローだった... 幾多の不良が世に蔓延る暴力(ツッパリ)の時代、彼の周りにも一般人(シャバ)から恐れられる暴走族(ブッコミ)がいた。 仁王は山で育ち、山に住む白熊とライバル関係を持つ男。中学から街に降りて勉学に励んでいたが、絡んでくる不良(ツッパリ)は他校だろうと高校生だろうと全て薙ぎ倒してきた。彼自身、正義感に駆られるといったことはなく目の前の者を払ってきたにすぎない。なのだが...現れる不良(ツッパリ)の数がだんだんと増えてきたのだ。 最終的には族(チーム)まるごと襲ってくることもあった。 仁王はどんどんやってくる不良(ツッパリ)達を最初こそ修行の一環だとやってきたが、中学3年に上がる頃には何故か住む街(ナワバリ)の番長(カシラ)として名を挙げていた。 そして来たる高校入学、彼は一年にして先輩達から認められる不良(ツッパリ)と周りから恐れられるようになる。 しかし、仁王は特に気にすることはなかった。やってくる者を返り討ちにしてきただけだからだ。 仁王は無口だ。肯定も否定もしない、だから周りの奴らは仁王をあれよあれよと持ち上げた。 仁王はただ、平穏な青春をしたかっただけだったのに。 そして、そんな仁王をよく思わない連中も確かに存在した。その連中は仁王に勝負を挑もうとはせず、気を伺い作戦を立てた。 そして時は来る、仁王が一人帰路を歩いていればその山道で多くの不良(ツッパリ)に待ち伏せされていた。 仁王を取り囲み、いつ襲ってくるかわからない状況。 いつもならこれくらい仁王には余裕だった。 しかし連中に一人、仁王の弱点がそこにはいた。 子熊である。仁王とライバル関係にあった白熊の子が連中の一人に担がれていた。 自分が抵抗すれば子熊に危険が及ぶ、そう考えた仁王は自身の拳を硬く握り連中からの攻撃を凌ぐしか無かった。しかしそれも時間の問題、連中全員が息を切らしたところで仁王は耐えきれずその場に崩れ落ちた。 もはやここまで...そう思い諦めようとする仁王の前に現れる一つの影、受けたダメージによって視界が霞む。 そこには...火に纏い咆哮を上げる一つの影があった。 連中はその咆哮に驚き火影に目を向ける。 その瞬間、その場にいる全員が悲鳴を上げ逃げ出した。 子熊はその場に置かれ、火影は仁王を上から見下ろすとまた一つ咆哮する。それに仁王は涙した、自分の力の弱さにではない自分の精神の弱さにだ。 自分の思っていることも声に出さず、ただ無言を貫くのみ。連中に対しヤメロと一言でも言っておけば状況は少しでも変わったかもしれないというのに。こんなことでは今回のように大事なものさえ守れない。 自分の不甲斐なさに仁王は泣いた。 涙とダメージによった更に歪み霞む視界の中、 オレンジに染まる夕暮れ中、まるで火の球体のような火影に仁王は誓った。 この俺のように自分の言いたいことも言えない殻に篭った奴らを救いたい。だから俺はこれから沢山声を上げよう。心を燃やし、声に灯火を乗せて俺に見える全てを救いたい！アンタのように！ こうして仁王は火の化身に自分の青春を費やした。 それもこれも、仁王の中にある全てを救う為。 冷めた心に、あの日見た熱い魂を入れる為なのだ。 因みに子供を連れ去られキレた白熊が子熊を見つけ、太陽の逆光で黒い影のようになっていたのは連中しか知らない。

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