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天才　INT+1 親の七光り　信用+20 騎士たるもの、常に勇敢であるべしと。 d70035 *☼*―――――*☼*――――― アダルベルト家は政治家の父を持つ大きな家だ。両親は常に厳格で、幼い頃から友達と遊ぶことは許されなかった。双子の弟はよく笑う人間で、いつかこの家を出て自分の力で生きていきたいと謳っていたのを覚えている。 生まれた時からライトには何も無かった。敷かれたレールの上を歩いていれば良い自由のない生活では特にやりたいことなど思い浮かばず、楽しそうに夢を語る弟をぼんやり眺めていた。 父は度々ライトに言い聞かせた。力が全ての世界で、力を持つことこそが至上の喜びだと。空虚なライトを埋めたのはその言葉で、ライトはいつしかそれを目標と生きるようになった。 弟より優れている自分。周りの子供たちより優れている自分。誰よりも優しく、憧れである自分。 ライトの喜びは、悦楽は、完璧であれと振る舞う自分自身に向けられていた。 その感情は少しずつ歪んでいく。自身を完璧に見せるためなら何をやっても構わない。それは無意識で、コミュニティにカーストのようなものを作ることに彼は長けていた。 自信のカリスマ性を発揮して上位に位置すると、大抵カーストの低い者はいじめの対象になる。それをこちら側に引き寄せて、あたかも救ってやったような体で、舞台役者のような完璧さでライトはコミュニティのトップに立つ。 歪んだ舞台役者は主人公であることを辞められず、盲信する舞台装置を次々に作り上げていく。 *☼*―――――*☼*――――― 弟が行方不明になったらしい。 歪んだ自分に苦言を呈していた彼も、結局僕の舞台の上では単なる装置に過ぎなかったのだ。 しかし、これはこれで。 最愛の弟を失った悲痛なヒーローだなんて、主人公にピッタリと言えるだろうか。 *☼*―――――*☼*――――― 使えるものはなんでも自分をよく見せるために使う、自分の事が大大大大大大大好きなナルシスト。 嫌われることがあまり無いので嫌いという感情を向けられると手に入れたくなってちょっかいをかける習性がある。所謂「おもしれー女」。 弟はミーアシャム・V・アダルベルト。ライトはミアと呼んでいた。ライトの偽善性に昔から気づいており、それ気持ち悪いからマジ直した方がいいよ！と常日頃苦言を呈していた。ライトとは異なり真の人格者で、友達も多かった。 兄弟仲はそんなに悪くない。人格者の弟がいれば自分の舞台は華やかになるし、ミアからしても「マジでヤバいが害はそんなにない。今のところは」という評価。 弟とはお揃いで指輪を持っている。ライトは常に形見として首から下げている。(悲劇のヒーローっぽいから) この学園で逆らうヤツら全員僕のモンにしていくぞ💪 【アルドラの騎士は君の名を呼ぶ】(2022-11-27) 両親に彼らの生い立ちを説明すれば、名声の欲しい父と母はすぐに離れをあてがってくれた。 弟がいなくなって数年だというのに単純なことだ。 学校がなくなってしまったのは惜しいが、テオドールも僕を友と認めてくれたようだし。 また僕を英雄たらしめてくれるヴィランは現れないものだろうか？

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