タグ： やない しゅう

都内の音大に通いながら、とあるバンドでリーダーを務めている4年生。 ルックスも学業成績もそこそこにずば抜けたリズム感と圧倒的な音感で 学内でも一目置かれているドラマーであり、ときにコーラスも担当する。 バンドでは、メインでの作詞作曲こそ行わないが、楽曲構成であったり、 ハモリの振り分け、細かい譜割りの案を出すことが多く、曲が世に出る にあたって彼が作成に全く携わっていない曲というのは殆どゼロに近い。 サブスクリプションが主流となっている現代音楽に遅れを取らないよう、 各種SNSによる広報のような活動を先導しているのも彼であるが、個人 としてのアカウントは存在せず、専らそれぞれの撮影 兼 録音を務める。 上や前に立つというより、縁の下で支えたり、隣に並び歩くというのが 彼のリーダー像であると言えよう。因みに彼が立候補したわけではない。 メンバーでカラオケに赴く際も、ソロで一曲歌い上げることは殆ど無く、 いわゆる盛り上げ役に専念し、適度な合いの手や、ちょっとしたハモり、 さりげなくも的確なコメントでメンバーを喜ばせる。そういう男なのだ。 強いて言えば、メンバーのボルテージと期待感が上がってきたときには、 「えええ仕方ないなあ……」と自信なさげに歌い始めてくれる。めちゃ くちゃ上手い。伸びのある地声の高音と、優しく切ない裏声のギャップ。 十八番→『魔法って言っていいかな?』/平井堅　『Lemon』/米津玄師 そんな彼にはちょうど一回り歳上、同じ干支の姉がいる。いや、いた。 名前は『椿（つばき）』。去年の冬、弟の誕生日の翌日に亡くなった。 病死であった。入院の一ヶ月前までは元気にギターを鳴らしていたが、 唐突に体調を崩して以降は別人のように憔悴し、大好きだったロックを 聴くこともやめ、最愛の弟の数回のお見舞いすらその約半分を断った。 この理由について柊は、"単に体調が悪かったから"の一つだけでは無い ということは判っているのだが、その真意については、解っていない。 今でこそ彼はドラムを得物としているが、小さい頃は姉が弾くアコギに あわせる形でカホンという楽器を叩いていた。カラオケやライブの中で 見せるコーラスの能力も、姉のボーカルに合わせてハモっているうちに 培った能力である。本人曰く「僕に絶対音感はないよ」とのことだが、 彼の姉はそれを持っていたため、幼少期を共に過ごした彼に同等の音感 あることは認められよう。因みにリズム感に関してはほぼ”絶対”である。 姉の入院中に本の数回だけ叶ったお見舞いの中で、自身の余命を悟った 彼女から「これ、椿の大事なものなんだけど、」と形見を受け取った。 "音響石"という珍しい鉱物でできたペンダントであると聞かされている。 裏を見ると"0801"の印字が見られるが、これについては聞いていない。 といったように未だ立ち直れていない彼は、元々それ程メンタルの強い 人間では無いにしても、その臆病に拍車がかかるように、常になんらか の大きな不安に駆られている。人前、特にメンバーの前ではそれを表に 出さないようにしているが、人や場合によっては気づかれているかも。 以下、参考情報。 苗字の由来は私が個人的に一番好きなアーティストaikoの本名から柳井。 名前は姉と弟の対比を取りたくて、木偏で、植物で、旁が季節で......と いった具合に共通点をたくさん作りつつそれぞれ椿さん、柊くんと命名。 因みにムンエラの於冬くんも同じきょうだい構成なので、その親近感から 「冬」の字を拝借したとかいう超絶個人的激重ポイントもあったりする。 誕生日は椿が3/10、柊が2/21でいこうと思っています。これも好きな楽曲 『灰色と青』を歌う米津玄師と菅田将暉から拝借してみました、楽しい。

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