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遥かなるあなたへ　ネタバレあり 【ベース】 2015料理人ベース 【設定】 村民のため苗字はない。 趣味は料理と楽器（二胡）。技能取れなかったのでDEXで弾いてる　？ 料理屋の息子。 おそらく流民の民達の手により村の近くに捨てられていた赤子を両親が見つけて育ててくれた。 将来父のように人を笑顔にする料理人になることが夢だった。 ゆくゆくはこの家を継ぐのだろうと疑わず、多くの秘伝の味を学んでいた。 同い年の村長の娘、リアのことがずっと好きだった。 彼女を喜ばせたくて、甘いものも頑張って作って渡していた。アップルパイは彼女の大好物だった。 とても幸せな毎日を送っていた。 だが、それも15年で終わった。村一番の器量良しの彼女に魔法使いとの縁談の話が来て、 彼女はずっと泣いているのをみて、代わりに自分が嫁ぐと名乗り出た。 その時、同時に魔法使い殺しの提案も受けた。 この村で育てた恩を今こそ報いよと。 それならば、これはそうする宿命だったのだと思う。 「ごめんなさい、私あなたに犠牲になって欲しいわけじゃなかったのに、こうなってしまった」 何も知らされず、ただ自分の身代わりになったのだと泣くリアに 「好きでやってる。別にお前のためじゃない」とぶっきらぼうに返したらさらに泣かれた。 花をあげたら少し泣き止んだのでホッとした。 流石に、男に、しかも評判の悪い魔法使いに嫁ぎに行くことは外聞も悪く嫌じゃないわけがなかった。 リアは高嶺の花だ。それでも、彼女はいつしか誰かと結婚するだろうし、彼女の評判に傷をつけるわけにもいかない。 この結婚は必ず成功させなきゃいけない。 ここで魔法使いを殺さなければ、その目的を果たさなければこの先また何を要求してくるかわからない。 自分だけじゃなくここまで家を守ってきた父母、結婚したばかりの同い年の妹、そしてリア、村全員の命がかかっているからだ。 失敗したら自分だけのせいだという意味を込めて自害するつもりだ。 この毒は、相手を殺すものでもあり、自分を殺すものでもあった。 まだ見ぬ魔法使いよりも村の方が大事だと思うのはごく自然な気持ちだと思う。 自分は間違っていない。絶対に。 この村の成人年齢でもある16歳になった誕生日、嫁ぎ先に向かいながら 自分の夢だった料理人としてのものでなく、人を殺すための武器に成り果てた包丁を感じながら 馬車の中で一人つぶやいた。 1：健忘症　5ヶ月

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