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梅に鶯、白百合に鳥 ◆ 吉野 春（ よしの はる ） 穏やかで優しい性格。常に柔和な笑顔を浮かべており、周りの人間からは評価が高い。医者の家系に生まれており、本人も理系。将来は医者になるんだろうなとぼんやり考えている。 趣味は抽象画。塾や習い事など（ピアノやバイオリンなど）が忙しいので美術部には所属していないが、それらが休みの日には放課後に妹を誘って美術室で絵を描かせてもらうことも。 妹の姫璃には自分から声を掛け、姉妹になり、寮の部屋も一緒にしてもらった。休日には一緒に出かけることもあるかもしれないし、勉強が分からないと言えば、教えてあげた。 かけがえのない大切な人間であり、彼女が願うことはできる限り叶えてあげたいと思っている。ただ、それはそれとして、彼女の困っている顔が見たいからと、妹に対してのみ、ちょっぴり意地悪な姉である。 ────────── 【　以下HO姉秘匿あり　】 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ▍HO姉　────────── 君が見る世界は“異常”だ。 物心ついたころから、あなたの視界は色とりどりの花で埋め尽くされていた。 ライラック、桜、アネモネ、アイビー…様々なそれは、人だった。 君は人を人と認識することができず、その顔は花の形をしている。 昔に一度だけその話をした際、家族に「絶対にほかの人に言ってはいけない」と強く言い聞かせられたため、そのことを知っているのはあなたの家族だけだ。 ────────── ▍HO妹について そんな君だが、最近唯一“人”として認識できる人物を見つけた。それがHO妹だ。 彼女を見たとき、思わず声をかけてしまった。「妹になってほしい」と。 彩に満ちた君の視界の中で、一等美しいのは彼女だ。 ────────── ◆ ◆ ◆ ────────── 静かな雨が降っていた。それはしっとりと君の頬を濡らし、意識を覚醒へと導く。 人だ。君の足元には、一人の人が倒れていた。 その顔は白いチューリップを模しており、その下は真っ赤な血で濡れていた。 この人は一体誰だろう？ 君の細くしなやかな白い指は泥と血で汚れており、じりじりと痛んだ。 目の前の光景から目をそらすように指先をさすれば、甘い香りが君を見る。 妹だ。君の、最愛のひと。 そのふたつの瞳はしっかりとあなたを捉える。 君は彼女のまろい頬へと指を添わせ、誘うように声をかける。 「この死体を一緒に埋めてほしい。」 雨が降っている。紫陽花が濡れている。 春は死んでしまった。 ───────── ▍秘匿込み概要 もうずっと幼い頃からだったものだから、自身が見る世界が自分とって「普通」であった。 両親の顔が分からない。級友の顔が分からない。 彼女の顔だけははっきりと分かった。 彼女は、美しかった。 他のどんな花よりも花らしく、それでいて、可憐で、綺麗で、狂おしいほど愛おしかった。 私には彼女が必要だ。彼女にも、私が必要だと思った。そうであって欲しかった。そうでないなら、そうしようと思った。 だから私は、彼女を自分から離れられないよう、甘く愛して、好きだと囁いて、愛の言葉を贈る。彼女の瞳が愛おしそうに私を見つめた時、どれほど恍惚としたか。 逃がすものか、と私が画策しているとは露知らず純粋な瞳で私を見、笑い、好きだと伝えてくれるあの子に、私はどうしようもなく溺れているのだ。沼に嵌って動けず、彼女から離れられなくなっているのは、私の方なのかもしれない。 ───────── 以下通過後バレ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ───────── 【　後遺症　】 （HO姉）　生還 後遺症：無理に手折られた花は君の顔に傷跡を残す。APP-8

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