キャラクター保管所
バックアップ
リスト
モバイル版
ヘルプ
ログイン
Twitterでログイン
登録
トップ
Webサービス
キャラクター保管所
クトゥルフ PC作成ツール
澳本礼緒(おくもとれお)
ID:4703326
MD:391ba4cfc6b31dbe253f128e64b3fc49
澳本礼緒(おくもとれお)
タグ:
キルキルイキル
非表示
簡易表示
通常表示
生まれ・能力値
STR
CON
POW
DEX
APP
SIZ
INT
EDU
HP
MP
初期
SAN
アイ
デア
幸運
知識
能力値
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
その他増加分
一時的増減
現在値
STR
CON
POW
DEX
APP
SIZ
INT
EDU
HP
MP
初期
SAN
アイ
デア
幸運
知識
↑ページ上部へ
非表示
簡易表示
通常表示
SAN
現在SAN値
/
(不定領域:
)
↑ページ上部へ
非表示
簡易表示
通常表示
技能
職業P
/
(うち追加分:
)
興味P
/
(うち追加分:
)
表示
初期値の技能を隠す
複数回成長モード
非表示
簡易表示
通常表示
<戦闘技能>
成長
戦闘技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
回避
キック
組み付き
こぶし(パンチ)
頭突き
投擲
マーシャルアーツ
拳銃
サブマシンガン
ショットガン
マシンガン
ライフル
非表示
簡易表示
通常表示
<探索技能>
成長
探索技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
応急手当
鍵開け
隠す
隠れる
聞き耳
忍び歩き
写真術
精神分析
追跡
登攀
図書館
目星
非表示
簡易表示
通常表示
<行動技能>
成長
行動技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
運転(
)
機械修理
重機械操作
乗馬
水泳
製作(
)
操縦(
)
跳躍
電気修理
ナビゲート
変装
非表示
簡易表示
通常表示
<交渉技能>
成長
交渉技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
言いくるめ
信用
説得
値切り
母国語(
)
非表示
簡易表示
通常表示
<知識技能>
成長
知識技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
医学
オカルト
化学
クトゥルフ神話
芸術(
)
経理
考古学
コンピューター
心理学
人類学
生物学
地質学
電子工学
天文学
博物学
物理学
法律
薬学
歴史
↑ページ上部へ
非表示
簡易表示
通常表示
戦闘・武器・防具
ダメージボーナス:
名前
成功率
ダメージ
射程
攻撃回数
装弾数
耐久力
その他
%
%
↑ページ上部へ
非表示
簡易表示
通常表示
所持品・所持金
名称
単価
個
価格
効果・備考など
価格総計
現在の所持金:
、 預金・借金:
↑ページ上部へ
非表示
簡易表示
通常表示
パーソナルデータ
キャラクター名
タグ
職業
年齢
性別
身長
体重
出身
髪の色
瞳の色
肌の色
↑ページ上部へ
その他メモ
青山学院大学 教育人間科学部2年生 指定校推薦で入学 特徴表 格闘センスの持ち主 職業技能は、幼い頃から一貫して空手に注力してきていることを鑑みて、彼が一生を通して最も長い時間をかけて身につけてきている能力であるという解釈から、まずスポーツ選手の技能を参考にしつつ、回避・キック・組み付き・応急手当・マーシャルアーツの技能を振りました。 そして、学業で優秀な成績を収めてきたこと、また大学での学業もそこそこ真面目にこなしていることから、図書館に技能を振りました。また、大学の授業で臨床心理学の分野について勉強することが多いことから、心理学に振りました。 家に置いてあるもの 筋トレグッズ(ダンベルやローラー)、マット、筋膜リリース用のローラー、空手着、ファッション雑誌 【生い立ちと経歴】 ・幼少期 兵庫県神戸市で、18歳で妊娠した母の下に生まれる。商業高校の同級生との間に生まれた子だった。2人は、互いの両親の反対を押し切って入籍。団地のアパートで暮らし始める。 両親は共働き。DQN感は多少あるものの、両親が離婚するまでの礼緒はそれなりに平穏に暮らしていた。 2歳年下の弟が生まれると、生活が苦しくなったことで両親の仲が悪化。礼緒が4歳の時に離婚し、父親は弟を連れて出ていく。そのことで母親は礼緒に辛く当たるようになり、家にいると理不尽なことで怒られたり軽く小突かれたり、暴言を言われるようになった。 礼緒はもともと保育園に預けられており、母親が迎えに来る時間も遅かった。また、家で母親に辛く当られるようになってから、礼緒も保育園で同級生を叩いたりすることが増え、微妙に問題視され始める。礼緒は、一変してしまった生活に心がついて行かず、つい態度が刺々しくなってしまうのだった。保育園の先生たちにひそひそと噂話をされていることにも何となく勘づいていたが、それもどうでもよかった。そんな時に、私立幼稚園から新たに保育園に転入してきたのが蒔和だった。 蒔和は、着ている服も保育園の中では浮いてしまう上等さで、顔が女の子のように可愛かった。礼緒は、蒔和を一目見た時から今まで接してきた他の誰とも違うという印象を受け(もちろん自分の中では言語化できていないが)、蒔和の存在が何となく気になり始める。礼緒はもともと自分から積極的に人に接しに行くタイプではなかったため、しばらくは蒔和に自分から話しかけることもなかった。が、礼緒と蒔和は保育園でいつも2人で最後の方まで残されていたため、礼緒から蒔和へ話しかけることもぽつぽつと増えていく。蒔和は聞いているのかいないのか判別できないような様子だったが、礼緒は近くに蒔和いるというだけで何となく心地がよく、それだけで十分だった。蒔和の方も問題児扱いされていることにも薄々勘づいていたが、それは礼緒にとって大した問題ではなかった。 ・小学生時代 小学校に上がってからは、保育園時代のように、同級生と喧嘩した際に叩いてしまうということはなくなった。相変わらず家では機嫌が悪い母に叩かれることも多かったが、その状況に慣れたため、学校で発散しなくても耐えられるようになった。 また、小学校に入ってすぐに近所の小さな道場で空手を習い始めたことも、礼緒にとっての気分転換のひとつとなった。基本火・木・土の練習に休まず通い、着実に空手の実力を身につけていった。 そして、小学校に上がってからの蒔和は、積極的に礼緒に対して関わってくるようになる。礼緒は蒔和の顔が気に入っていたため、当然悪い気はしていなかった。身体的接触が増えていくことも気にはならず、むしろ礼緒の方も安心感を覚えるようになった。蒔和とくっついて過ごす時間が増えるうち、いつしか自我の境が曖昧になっていき、蒔和という存在自体にとても親密な感覚を覚えるようになっていった。蒔和がたびたび問題行動を起こしていることにも当然気がついていたが、やはりそれは礼緒にとって大きな問題ではなかった。礼緒と蒔和は放課後はいつも一緒におり、礼緒が空手の日には蒔和は見学していた。 小学3年生の時、蒔和が給食にキノコを混ぜたのが原因で集団食中毒事件が起こり、そのことについて興奮した様子の蒔和から告白を受ける。何となく蒔和がやったのだと理解していた礼緒にとっては意外なことではなかったため、さして驚いた様子を示さなかったところ、蒔和が「ねえ、何が足りなかったの?」と号泣。礼緒は、初めて蒔和が号泣するところを見て、驚くと同時に、可愛いと思った。感情表現が豊かとは言えない蒔和が、自分のために(?)泣いている点が快く、可愛いと思った。号泣する蒔和に、礼緒は「蒔和のことは何でも知ってるから、最初から全部足りてる」と答えた。実際に蒔和のことを全て知っていると自負していた訳では無いが、蒔和が目の前で号泣しているこの状況においてなんとなく自分が有利な立場に立ちたかったがゆえに出た一言だった(無自覚だが)。 小学4年生のある日のこと。礼緒は、朝ごはんとして用意されていた目玉焼きと食パンの皿を誤ってひっくり返してしまい、虫の居所が悪かった母親にきつく怒鳴られ、登校するために家を出ていく間際「もうあんたみたいなのはうちに帰って来るな!」と言われる。 通常時はそれなりに優しい母だ。礼緒にとってはやはり大切な存在で、登校してからも礼緒は母親に帰って来るなと言われたことばかりを考えてしまい、終始どこか上の空だった。 それは放課後いつものように蒔和と遊んでいる時も続いており、むしろいつもなら帰宅しているはずの時間がじりじりと近づいてくるのを感じるごとに、母親に言われたことを思い出して気が重くなっていった。 礼緒の様子がおかしいことに気づいた蒔和に「どうしたの?」と尋ねられた礼緒は、最初は渋ったものの、最終的には「母さんに帰って来るなって言われた」と答える。すると、蒔和に「じゃあうちに来なよ」と言葉巧みに誘われ、礼緒は頭の片隅で母親のことが気になるものの、蒔和のあとをついて行く。 そして蒔和の部屋にやって来ると、蒔和が興奮している様子なのが、息遣いや少し紅潮した頬から礼緒には何となくわかった。なので、蒔和が「こうしたら気持ちいいみたいだよ」と礼緒の陰部を触り始めた時も、礼緒はさして驚かなかった。それは、意識のおぼつかないくらい小さい頃に、両親の性行為を目撃したことで耐性がついたからかもしれない(本人はあまり覚えていないし意識していない)。 実際、触られてみると気持ちが良かった。蒔和に自分の方も触って欲しいと要求され、2人で触りあっていると、段々頭がぼんやりとしていい気持ちになってきた。蒔和から最中に何度も大好きだと言われ、「これも知ってた?」と聞かれた礼緒は、「当然知ってた」と答える。 「じゃあ礼緒は?」そう聞かれた礼緒は、初めて自分から蒔和への気持ちについて意識的に考える。向き合う機会を得る。改めて蒔和の顔を眺めた時、何度も大好きだと言いながら自分を求めてくる蒔和のことを、もともと求めていたのは自分だということを何となく自覚した。初めて会った時から、蒔和の存在を手に入れたいという欲求が、芽吹いてはいない種のような微かさで、自分の中に存在していたことを何となく思い出した。総じて、蒔和を求めていたのは自分だということが本能的に分かった。 そんな礼緒は、蒔和の額にキスをし、「ずっとこうしたかった」と答えた。すると蒔和は嬉しそうに微笑み、「じゃあ、口にして」と言う。礼緒はそれに応えた。口と口のキスを交わした後、蒔和は幸せそうに微笑みながら「これで僕とれおの赤ちゃんできるね。ずっといっしょだね」と言って礼緒にくっついた。その頃の礼緒は、子供ができる仕組みをしっかり知っていたが、「そうだね」と答えてそのまま蒔和に寄り添った。 この日、いつまでも家に帰って来ない礼緒を心配した母親が学校などに連絡を回し、夜に蒔和の家から帰っていくことになる。「礼緒、朝はごめんね」と謝る母親に連れられて、笑顔の蒔和へ手を振ってから家路に着いた礼緒の心中は、これまでにない安心感で満たされていた。礼緒の心の真ん中に、蒔和の存在が明確に居座ったきっかけの日だった。父親と弟に出ていかれ、母親からもいつか捨てられるかもしれないう漠然とした予感があった礼緒にとって、屈託なく自分の存在を安定して求めてくれる蒔和という存在が、心の柱となったのだった。 そして、礼緒と蒔和が小学5年生の時になると、蒔和が中学受験のための塾に通い始め、2人はこれまでのように放課後毎日一緒にいることは出来なくなった。さみしさを感じた蒔和から学校にいる時にもキスを求められるようになり、礼緒は先生や他の生徒にバレないように細心の注意を払って蒔和の求めに応じていた(周囲にバレると蒔和と引き離されて自分たちが損をするため)。さみしさを感じた蒔和による問題行動が加速していることも、校内でたびたび起こる事件から察していたため、礼緒はできる限り蒔和のさみしさを埋めるための求めに応じていた。 そんなある日、事件が起こる。 その日の礼緒は虫の居所が悪かった。ここ数日の母親はずっと機嫌が悪く、家にいると必ず一度は叩かれたり暴言を吐かれたりする日が続いており、礼緒の心は日に日にささくれて行った。これまでと同様に近くに寄ってくる蒔和に対しても、いつもの笑顔が脳天気なものに見えてしまい、素っ気ない態度を取った。父親も母親も揃っていて、良い家に住んで良い服を着ているのに子供のように甘えてくる蒔和のことを、いつもは可愛いと思うのにこの日は少し疎ましく思った。 放課後になっても、蒔和は家が真逆のはずなのに礼緒のあとを着いてきた。「こっちじゃないだろ、帰れよ」と言っても蒔和は聞かない。半泣きになりながらも後を着いてくる蒔和に対して、礼緒は鬱陶しさを感じる反面、蒔和を少しいじめてみたいというような加虐心を覚えた。蒔和が自分のことを求めて何度拒んでも後を着いて来るのは、疎ましい半面気分が良かったし、自分を求めて公園を1人で彷徨く蒔和を想像すると、気分がいいような、せいせいするような、そんな気分になった。 礼緒は、「じゃあ、かくれんぼして遊ぼっか。蒔和」と、これまでの態度から一変、猫なで声で言う。蒔和に数を数えさせている間に、礼緒は黙って家へ帰った。頭の片隅では蒔和のことを心配する気持ちが拭えなかったものの、少しは自分のことで困ってしまえばいい、と思った。若干蒔和のことを心配しながらも、そのまま帰路についた。 そして翌日。礼緒が登校すると、蒔和の姿がない。欠席しているようだ。その日は全校集会が開かれ、「昨日の夕方に公園で不審者が出たため、外出する時は気をつけるように」という内容だった。これを聞いた礼緒は嫌な予感がし、全身に冷や汗を滲ませながら鼓動を速める。その日は一日中、授業にも空手の稽古にも身が入らなかった。家に帰ると、学校から保護者向けにFAXが届いており、生徒が1人誘拐事件に遭って入院中のため、子どもが不審者に攫われないようにと注意喚起する内容だった。このFAXを見た礼緒は、蒔和のことだと感じて全身から血の気が引く。 礼緒が家に帰ると、ちょうど警察からの訪問があり、事情聴取を受けることになった。やはり、誘拐されて被害に遭ったのは蒔和だということで、当日の蒔和の様子について根掘り葉掘り聞かれることとなった。礼緒は、「公園で少しだけ一緒に遊んだけど、それから帰ることになって解散してからは、蒔和の様子は知りません」と答えた。礼緒が犯人について何も知らないことが分かるとあっさりと解放される。礼緒が蒔和の入院先と病室の番号について警察に尋ねたところ、事情を考慮して母親の許可を取った上で蒔和の居場所を教えて貰えた。礼緒は、蒔和の入院先が書いてあるメモを大切に家に持ち帰った。 それからは毎日、蒔和のことが心配で夜もろくに眠れず、またいつ母親や先生、蒔和の両親に責められるのだろうかと考えると怖くて気が気じゃなかったが、自分から蒔和の病室に出向く勇気はやかった。蒔和と直接顔を合わせてしまって蒔和に嫌われることや、蒔和に拒絶されることが怖かった。 蒔和が欠席し始めてから1週間ほど経った頃、礼緒の実家の留守電に蒔和からの伝言が入っている。「礼緒くん、僕のところに来てください」とあった。礼緒は久しぶりに蒔和の肉声を聞いていても立ってもいられなくなり、直ぐに電車を乗り継いで蒔和の病院へと向かった。礼緒は病室に入ってすぐに蒔和に駆け寄り、「蒔和!!!大丈夫!?」と声をかける。すると蒔和は、「足が動かなくなっちゃった」と答え、礼緒はあまりの衝撃で絶句した。何故動かなくなったのか、犯人に何をされたのか、と聞きたかったが、同時にそれを聞いてしまうことも怖くて声を出せなかった。蒔和が自分のせいでどんな酷い目にあったのか、知ることが恐ろしかった。 ずっと黙っている礼緒に対して、蒔和は「僕のこと、まだ好き?」と尋ねる。礼緒は、「.....当たり前じゃないか」という声を絞り出して、その場で泣き始めた。 「僕ずっと待ってたんだよ、礼緒が来てくれること」と責めるようなことを言う蒔和に、礼緒はひたすら「ごめん」と謝り続けることしかできず、「俺のこと、嫌いになった?」と尋ねる。すると蒔和は、「そんなことないよ。ずっと好きだよ」と答えた。この言葉に、礼緒はかなり救われたような気分になった。 そんな礼緒は、蒔和の唇にキスをし、「なんでもするから」と懺悔の気持ちを込めて言う。蒔和が「じゃあもう二度と置いていかないでね」と言うので、礼緒も「絶対置いていかない」と返した。その日、礼緒は蒔和のそばから離れたがらず、病室から帰ろうとしなかったため、母親が呼び出されて家へと連れ戻された。 蒔和が入院していた3ヶ月間、礼緒は毎日蒔和の病室に通った。これは蒔和のためや懺悔の気持ちからというよりも、自分のためだった。礼緒にとって、蒔和の存在が心の支えとなっていたため、蒔和に会わないと自分の気が済まなかったのだ。病室へ行き、蒔和の姿を見ることで、礼緒は安心感を得られた。 小学6年生に上がった時、蒔和は車椅子で学校に復帰する。礼緒と蒔和は同じクラスになり、礼緒は蒔和の車椅子を押して身の回りの世話をこなした。2人は片時も離れず、周囲の大人はそれを美談として受け止めた。この頃の礼緒は、事件のショックがまだかなり鮮明にあったため、蒔和への心配心から片時も目を離したくないと考えていた。自分が不在にした時に蒔和が危ない目に遭わないよう、礼緒はできる限り蒔和のそばに居続けた。 ・中学時代 礼緒と蒔和は、地元の公立中学に入学した。礼緒は、蒔和を守るために、引き続き空手の腕は上げ続けたいと考えていたため、空手部への入部を希望した。礼緒は、地元の道場では1、2を争うレベルの腕前に成長していた。 ただ、部活中に蒔和と離れてしまうことも嫌だった。そこで、部活顧問に「蒔和が心配だから離れることは出来ない」という理由で、蒔和が見学枠として礼緒と一緒に入部することを許可するように直談判した。 異様な申し出に顧問は困惑したが、話をしに来た礼緒の様子が切迫しているようだったことや、礼緒の空手の腕前が確かだったこと、そして蒔和の身に起こった事件についてを知っていたため、特例として許可することとなった。 空手部の練習中、蒔和は車椅子に座って見学していた。時折、礼緒のことをいじわるなタイミングで呼びつけ、練習を中断させることもあり、蒔和の一声で真面目な礼緒が練習を抜け出す様子は、他の部員にとって異様なものに映った。しかし、礼緒が真面目な性格であることは伝わっていたことと、車椅子に乗っている蒔和の事情があったことから、多少陰口を言うことはあっても表立って非難することはなかった。また、礼緒自身も、蒔和に呼びつけられたりすることはさして苦には感じていなかった。もともと蒔和のために極めようと思った空手なので、蒔和が望むのであれば蒔和の元へ戻ることが礼緒の中では最優先事項だった。 また、蒔和は時折リハビリへ通っていた。部活の練習がない時などは礼緒も付き添い、リハビリが終わった後には「よく頑張ったな」と蒔和を労って頭を撫でていた。 そして、礼緒と蒔和が初めて性行為をしたのも中学時代である。1年生の時に、蒔和の家で果たした。礼緒と蒔和の「触り合い」は定期的なものだったため、実際の性行為にまで発展するまでの流れは自然なものだった。それから定期的に蒔和と性行為をするようになるが、礼緒にとっての性行為は蒔和の存在を確かめる時間だった。蒔和に触れている間、礼緒は安心感を得ることが出来た。 ・高校時代 礼緒と蒔和は、地元のそこそこ偏差値の高い公立高校へ進学。礼緒は中学から引き続き、空手部に入部した。 礼緒はこの頃から指定校推薦を視野に入れ、学校の成績にも気を使い始めた。裕福な家庭の蒔和と同じ大学へ行くのであれば、恐らく私立大学の文系学部が最も都合がいいだろうという考えと、指定校推薦で進学先が決まってしまえば受験料を払わなくて済むという考えからだった。蒔和の地頭と成績であれば、自分が受かった所を蒔和に受験してもらえば十分対応できるだろうと考えた。万全を期すため、礼緒は優秀な成績を取り続けた。 そして空手部ではその実力で頭角を現し、県大会に優勝するなどの優秀な成績を収めていた。空手部の成績が優秀だったことと、学業の成績も優秀であること、それに蒔和に対して一貫して献身的な態度を取り続けていることから、女子生徒からモテるようになった。礼緒自身は蒔和以外の人間に全く興味がなく、実際に告白などされても全て断っていたが、蒔和がそのことを良く思っていないことにも勘づいていた。 そうしたことがあってから、ぽつぽつと礼緒に近づいた生徒が不慮の事故などで入院するなどの事故が起こり始め、礼緒はこれが蒔和の仕業だと何となく勘づいていたが、蒔和に言って直接咎めることはなかった。被害に遭った生徒に対する申し訳なさはあったものの、蒔和のこうした加虐癖は小さい頃から知っているため、蒔和の変えようのない性質だとして理解していた。そのため、礼緒はことさらに蒔和に何かを言って注意することはなかった。 蒔和の希望でスマホにはミラーリングアプリを入れて礼緒がやり取りしている相手が蒔和に筒抜けになる仕様にし、かつ蒔和と空手部と家族以外のLINEをブロック削除するように言われたが、これにも礼緒は文句を言わずに従った。実際に、蒔和以外の人間に興味がなかったため、LINEを消すことは不便な時もあるものの苦痛ではなかった。 高校に入って礼緒の世界が広がったことで、蒔和は性行為の時に暴力的なことを求めるようになり、礼緒は蒔和が聞かないために応じていたが、本当は蒔和を傷つけたくはなかった。蒔和は目の前で自傷行為をし、礼緒に見ているように言うこともあったが、礼緒は自傷行為自体をして欲しくなかった。しかし、自分で自分を傷つけたり、周囲の人間を傷つけたりと、どうしようもない衝動を持て余す蒔和の哀れさを愛おしく思う部分もあり、蒔和を傷つけたくないと思う反面、自分を傷つけずにはいられない蒔和が可哀想で可愛かった(半分無自覚?)。 また、礼緒は蒔和が歩けるようになるかもしれないことに対して、漠然とした不安を抱いていた(半分無自覚。自分の中で言語化できてない感じ)。蒔和が歩けるようになってしまったら、自分は蒔和にとって唯一の存在ではなくなってしまい、蒔和に必要とされなくなってしまうのではないかという不安があった。だからこそ、蒔和の束縛を受け入れている部分もあったし、蒔和の意識が自分だけに向き続けるような接し方をしていた(これも半分無自覚だが)。 また、高校へ入ってから、礼緒の元へ小さい頃離れ離れになった弟の奏志(そうし)から連絡が入る。弟は、父親に連れられて礼緒と離れ離れになってしまったものの、ずっと会いたいと思ってくれていたようで、父親周りの情報などからなんとか礼緒の連絡先をつきとめ、連絡してきているようだった。礼緒は長年会えておらず、またもしかするともう二度と会えないかもしれないとまで思っていた実の弟からの連絡をとても嬉しく思い、再会する約束を立てた。嬉しさから、蒔和にもそのことを報告した。すると蒔和は、いつものように笑って「良かったね」と言った。 蒔和が「良かったね」と言った時の顔が、礼緒の頭の中にはずっと引っかかっていた。さすがに考えすぎだろうと思おうとはしたが、違和感は刺さって抜けない。念の為にと奏志との約束を延期にするため連絡しようとすると、ちょうど階段から落ちて怪我をして入院しているため約束を先延ばしにして欲しいという連絡が奏志の方から入った。礼緒は、蒔和の仕業だと確信し、激しい後悔の念に襲われた。それは、自分の不手際で弟を傷つけてしまった後悔と、蒔和を昔と同じように「置いていかれた」気分にさせてしまったことへの後悔だった。そして、1人でじっと考えているうちに、抑えようもなく蒔和への怒りが湧いてきてしまい、そのことも礼緒を悩ませた。蒔和のために尽くしてきたことは礼緒にとって当然のことだったし、礼緒自身のためでもあり、礼緒にとって全く負担ではなかった。それでも、今まで蒔和に対して見せてきた誠意が、たった1回弟に会おうとしただけで否定されたように感じ、蒔和に対する割り切れない思いに葛藤した。 それでも、翌日になれば蒔和と顔を合わせることになる。いつものように蒔和の部屋で2人きりの時、礼緒が「明後日弟に会う約束してたって言ったけど、階段から落ちて入院したから無しになった」と言って反応を見ると、蒔和は普段通りの様子で「そうなんだ」と答えた。予想通りの反応ではあったが、礼緒はやはり弟に危害を加えられたことに対して割り切れない思いが膨らむのを感じた。半ば当てつけのような気持ちで「俺がもし、蒔和の世話するのやめて奏志の看病しに行ったらどうする?」と尋ねると、蒔和は「死ぬ」と答えた。この時礼緒は、蒔和が礼緒に近しいものを傷つけるのは、蒔和の世界が礼緒を中心に回っているからだということを改めて実感した。そして、蒔和をそのようにしたのは自分であるとも感じた。どうしようもなく自分のものである蒔和を、これからも自分のものにし続けたい気持ちと、怒りをぶつける免罪符が欲しい気持ちとがないまぜになった。 「あっそう。」「俺はもう二度と奏志に会わないよ。見舞いにも行かない。蒔和が嫌がるから」「俺は、これからも蒔和の望むことをし続けてあげるから」「蒔和は俺に酷くされるのが好きなんでしょ?」と言って、暴力的なやり方で蒔和を抱いた。これは、半分は蒔和に対する当てつけであり、もう半分は蒔和への怒りをぶつける免罪符のようなものであった。実際に、礼緒はその後、弟へ「やっぱりもう会えない。ごめんなさい。幸せになってください。」と連絡したきり弟の連絡先を消した。 それから、礼緒は自発的に加虐的な性行為を行うようになった。それは、蒔和に対して示してきたつもりの誠意が否定されたように感じたことに対する憂さ晴らしでもあり、また蒔和よりも優位な立場に立つことで、蒔和にとっての自分を唯一無二の存在にするためでもあった(半分無自覚)。 蒔和が自分にピアスを開けて欲しいと強請った時には、蒔和が歓ぶだろうと思い、わざと氷で冷やさずにピアッサーで2つの穴を開けた。そして、蒔和にも同様の位置に同様のやり方で穴を開けさせた。その翌日は部活で小言を言われたが、礼緒は空手部のエース級選手であったため、淡々と謝っただけで事は済んだ。礼緒と蒔和は、学校のない時だけ穴が塞がることのないようにお揃いのピアスを付けている。 その後、高校生活の中で礼緒は空手部部長を務め、また学業でも好成績を収め続けた。自分の内申点を鑑みると、余裕を持って受かるだろうと考えられる丁度いい大学が青山学院大学の教育人間科学部だった。ここなら、大学のランク的にもイメージ的にも、蒔和と一緒に通って差し支えないと考えた。 礼緒の家庭では、とうてい私立大学の学費を払う余裕も、一人息子を東京で一人暮らしさせられるだけの生活費を援助する余裕もなかったが、礼緒は東京の有名大学を出て立派な人生(意訳)を送りたいということ、学費は奨学金で賄い、生活費は自分でアルバイトして賄うということを根気強く説明した結果、母親の方が折れる結果となった。母親の方にも、礼緒に対して一貫して良い親であり続けられなかったことに対する負い目があったため、礼緒が家を出ていっても仕方がないと思っているふしがあった。また、礼緒の心が母親の方にあまり向いていないことも察していた。礼緒は、母親を1人置いていくことに多少の罪悪感はあったが、礼緒にとっての心の支えになっていたのは蒔和であったことから、母親のことは思考から切り離した。 その後、蒔和に相談の上、同学部の指定校推薦に出願し、合格。蒔和は一般受験で合格した。 ・大学生活 上京し、蒔和と大きめの2LDKの部屋に同居し始める。蒔和の父親が生活費と家賃を援助してくれることになったため、礼緒も普通の大学生と同程度の余裕を持つことが出来た。蒔和の父親が上京資金を援助してくれることは、確信してはいなかったが、礼緒の計算の内には入っていた。 とはいえ、学費は奨学金から支払うことになっている。大学卒業後に1から返し始めるのでは遅いと考えた礼緒は、大学在学中からアルバイトをして少しずつ奨学金返済のための貯金をしていくことにした。そうすることで、トータルでは蒔和と一緒にいられる時間、世話できる時間が増えると考えた。生活費はかなり多めに蒔和の父親から貰っていたことと、礼緒がそこまで金遣いの荒いタイプでは無いことから、アルバイトの頻度は週3、4程度のシフトにしていた。 校内で、礼緒と蒔和は可能な限り同じ授業を取っていた。いつもくっついている2人は校内で異様な雰囲気を放っており、当初は物珍しさに話しかけてくる人間もいたが、すぐにそのようなこともなくなった。また、入学式や大学が始まって最初の方は2人に近づこうとして来る面々もいたが、2人が基本的に面白みのない人間であったため、すぐにそうしたことも無くなった。礼緒は対外的には至って普通に問題なく接していたが、他人との関係に深入りすることはなかった。 また、礼緒は空手サークルに蒔和と共に入会し、飲み会や合宿などは参加せず、練習の時だけ見学の蒔和と共に顔を出した。蒔和を守れるようにと続けてきた空手だったので、大学に入ってからも定期的に続けたいと思っていたし、純粋に空手が好きだった。礼緒と他のサークル員との間に友好関係はなかったが、礼緒はやって来ると良い練習相手になるため、サークルに顔を出すとレアキャラとして歓迎されていた。 アルバイトは、蒔和を大学から家に送り届けてから、家の近くの24時間居酒屋で行っていた。礼緒は愛想を振りまくことは得意でなかったものの、大きな声を出せることと、有能であるために、そこそこ重宝されていた。礼緒がアルバイトに行ってしまう日は、寂しがった蒔和がわがままになったり性交渉や加害行為を求めてくることもあったが、礼緒は寂しがらせている自覚があったため、これに応じていた。 大学1年生の夏の終わり頃、やっと大学に慣れてきたくらいのタイミングで、見知らぬ電話番号から連絡が入る。出ると、弟の奏志だった。「兄さんにも事情があるのはわかってるけど、どうしても会いたくて」と電話口の弟は言った。礼緒はかなり心を乱されたが、「本当に会えない。ごめん。」と言って電話を切り、着信拒否した。しかし、弟の電話番号は暗記していた。 また、教育人間科学部の授業を受ける中で、就活に失敗した時のために教職課程を取りつつ勉強していたが、授業の実習などでも子供と関わったり子供の心理について勉強する機会が多い学部であったため、じわじわと子供に関わる仕事がしたいような気分になってくる。それは、自分自身が寂しい幼少期を過ごしたことに起因する感情だった(半分無自覚)。将来は教師になってもいいかもしれない、と思うこともあったが、教師になってしまったら蒔和のそばにいられる時間が格段に少なくなってしまうことが気がかりだった。蒔和といられる時間を長くすることを考えると、いずれ独立して在宅勤務で自由に時間を使えるようになることが期待されるSEなどが最適なように思えたが、やはり教職に惹かれる自分がいることも事実だった。 弟のことも、将来のことも、当然蒔和には言えなかった。内心は弟のことと将来のことでかき乱されていたが、蒔和の前でそれを出すことが出来なかった礼緒は、慢性的に心中に負荷を抱えている状態になった。蒔和は小さい頃から変わらず無邪気に礼緒を求め、時には寂しがって我儘を言う。そんな蒔和のことが礼緒は好きだったし、礼緒にとっての心の柱はやはり蒔和だったが、自分の悩みを何も知らないで惚けた様子でいる蒔和に対してもどかしく思う瞬間も多々あった。 特に、弟のことを考えた時、そのもどかしさは大きくなり、加虐的な性交渉に繋がった。加虐行為をすると、蒔和は苦しがりながらも嬉しそうにし、その姿を見る時、礼緒は蒔和は自分のものだと感じることが出来た。それでいて複雑でもあった。蒔和に縛られているのが自分なのか、自分が蒔和を縛っているのかがわからなくなった。前者は、自分が望んでいることだ。しかし、後者は? 礼緒は時折、蒔和の人生を縛っているのは自分であるような気分になった。 礼緒は、虫の居所が悪い時、1人でトイレに行けない蒔和をわざと放置したり、車椅子からベッドに移さずに放置したりした。そうしたことをする時、蒔和は必ず礼緒を求めて礼緒の名前を呼ぶのだが、心細そうな蒔和の声で名前を呼ばれると、礼緒は自分が蒔和にとって必要な存在だと実感することが出来た。また、イライラした時につい足をトントンと鳴らしてしまう癖が礼緒にはあったが、これをすると蒔和が本気で怯えてしまい、加虐心からそれをし続けたところ蒔和が過呼吸になりながら号泣した事件があったため、それ以来は基本的にはしないように気をつけている。しかし、癖なので、やはりたまには出てしまうし、加虐衝動が芽生えた時にはつい我慢できなくなって少しだけしてしまうことがある。(蒔和が本気で怯えている姿を見るとやはり可哀想になるので、すぐやめる)
※
歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました
(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
↑ページ上部へ
エラーメッセージ
「クトゥルフ神話TRPG」は
ケイオシアム社
の著作物です。
クトゥルフ神話TRPG