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水嶋 真夜(みずしま まよ)
ID:471518
MD:69b032dc5c5ef698d3daa5a22d295596
水嶋 真夜(みずしま まよ)
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autome
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能力値・HP
肉体
感覚
精神
社会
HP
侵蝕
行動
移動
シンドローム:
エンジェルハィロゥ
バロール
ブラックドッグ
ブラム=ストーカー
キュマイラ
エグザイル
ハヌマーン
モルフェウス
ノイマン
オルクス
サラマンダー
ソラリス
ウロボロス
アザトース
シンドローム2:
エンジェルハィロゥ
バロール
ブラックドッグ
ブラム=ストーカー
キュマイラ
エグザイル
ハヌマーン
モルフェウス
ノイマン
オルクス
サラマンダー
ソラリス
ウロボロス
アザトース
オプショナル:
エンジェルハィロゥ
バロール
ブラックドッグ
ブラム=ストーカー
キュマイラ
エグザイル
ハヌマーン
モルフェウス
ノイマン
オルクス
サラマンダー
ソラリス
ウロボロス
アザトース
ワークス分→
←ワークス分
作成時ボーナス / 初期能力値:
1
2
3
1
2
3
1
2
3
1
2
3
成長での修正
その他修正
能力値
肉体
感覚
精神
社会
HP
侵蝕
行動
移動
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ライフパス
ライフパス
名称
効果、解説
ワークス:
小学生
中学生
高校生
不良高校生
大学生
フリーター
教師
主婦・主夫
UGNチルドレンA
UGNチルドレンB
UGNチルドレンC
UGNエージェントA
UGNエージェントB
UGNエージェントC
UGNエージェントD
UGN支部長A
UGN支部長B
UGN支部長C
UGN支部長D
刑事
鑑識
弁護士
防衛隊員
傭兵
研究者
教授
看護師
医者
政治家
ビジネスマン
エグゼクティブ
水商売
商店主
宗教家
探偵
ボディガード
ドライバー
ヤクザ
マフィア
泥棒
ネゴシエーター
暗殺者
占い師
アーティスト
歌手
俳優
奇術師
アスリート
格闘家
記者
アナウンサー
プログラマー
ハッカー
何でも屋
情報屋
工作員
レネゲイドビーイングA
レネゲイドビーイングB
レネゲイドビーイングC
レネゲイドビーイングD
イヌ
ネコ
ネズミ
ウサギ
トリ
サル
ヘビ
シカ
ゾウ
イノシシ
カエル
トカゲ
その他A
その他B
その他C
その他D
幻想動物A
幻想動物B
幻想動物C
幻想動物D
オカルティスト
作家
探検家
動画配信者
超心理学者
考古学者
古物研究家
ディレッタント
詐欺師
古書店主
技術者
船乗り
ハンター
農家
地主
ホームレス
放浪者
入院患者
自営武装団
カヴァー:
覚醒:
死
憤怒
素体
感染
渇望
無知
犠牲
命令
忘却
探求
償い
生誕
衝動:
解放
吸血
飢餓
殺戮
破壊
加虐
嫌悪
闘争
妄想
自傷
恐怖
憎悪
出自:
経験:
邂逅:
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エフェクト
エフェクト
SL
タイミング
判定
対象
射程
コスト
制限
効果など
クラスなど
ワーディング
★
オート
自動
シーン
視界
-
-
非オーヴァードのエキストラ化
初期
リザレクト
1
2
3
気絶時
自動
自身
-
[SL]d
100↓
コスト分のHPで復活
初期
★
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2
3
4
5
○
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◇
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12
↑使用したEXPなどのメモにどうぞ
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イージーエフェクト
イージーエフェクト
SL
タイミング
判定
対象
射程
コスト
制限
効果など
クラスなど
★
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○
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◇
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↑使用したEXPなどのメモにどうぞ
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技能
初期習得
技能名
SL
修正
判定値
参考
能力
技能
白兵
回避
運転
射撃
知覚
芸術
RC
意志
知識
交渉
調達
情報
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戦闘・武器・防具
武器・コンボ名
値段
命中値
G値
攻撃
力
射程
その他
技能
能力置換
補正
計
白兵
射撃
RC
運転
交渉
置換なし
肉体
感覚
精神
社会
最大能力
2番目の能力
r+
合計
pt
防具
価格
装甲
回避
行動
その他
能力値/修正値
合計
pt
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所持品・所持金
名称
単価
個
価格
効果・備考など
所持品合計
pt
武器・防具・装飾品の価格合計
pt
初期財産ポイント:
現在の財産ポイント:
価格総計
pt
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ロイス
カテゴリ
対象/名称
好意
悪意
効果・備考など
-
D
S
ロイス
←自由選択
傾倒
好奇心
憧憬
尊敬
連帯感
慈愛
感服
純愛
友情
慕情
同情
遺志
庇護
幸福感
信頼
執着
親近感
誠意
好意
有為
尽力
懐旧
←自由選択
侮蔑
食傷
脅威
嫉妬
悔悟
恐怖
不安
劣等感
疎外感
恥辱
憐憫
偏愛
憎悪
隔意
嫌悪
猜疑心
嫌気
不信感
不快感
憤懣
敵愾心
無関心
-
D
S
ロイス
←自由選択
傾倒
好奇心
憧憬
尊敬
連帯感
慈愛
感服
純愛
友情
慕情
同情
遺志
庇護
幸福感
信頼
執着
親近感
誠意
好意
有為
尽力
懐旧
←自由選択
侮蔑
食傷
脅威
嫉妬
悔悟
恐怖
不安
劣等感
疎外感
恥辱
憐憫
偏愛
憎悪
隔意
嫌悪
猜疑心
嫌気
不信感
不快感
憤懣
敵愾心
無関心
-
D
S
ロイス
←自由選択
傾倒
好奇心
憧憬
尊敬
連帯感
慈愛
感服
純愛
友情
慕情
同情
遺志
庇護
幸福感
信頼
執着
親近感
誠意
好意
有為
尽力
懐旧
←自由選択
侮蔑
食傷
脅威
嫉妬
悔悟
恐怖
不安
劣等感
疎外感
恥辱
憐憫
偏愛
憎悪
隔意
嫌悪
猜疑心
嫌気
不信感
不快感
憤懣
敵愾心
無関心
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ロイス
←自由選択
傾倒
好奇心
憧憬
尊敬
連帯感
慈愛
感服
純愛
友情
慕情
同情
遺志
庇護
幸福感
信頼
執着
親近感
誠意
好意
有為
尽力
懐旧
←自由選択
侮蔑
食傷
脅威
嫉妬
悔悟
恐怖
不安
劣等感
疎外感
恥辱
憐憫
偏愛
憎悪
隔意
嫌悪
猜疑心
嫌気
不信感
不快感
憤懣
敵愾心
無関心
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ロイス
←自由選択
傾倒
好奇心
憧憬
尊敬
連帯感
慈愛
感服
純愛
友情
慕情
同情
遺志
庇護
幸福感
信頼
執着
親近感
誠意
好意
有為
尽力
懐旧
←自由選択
侮蔑
食傷
脅威
嫉妬
悔悟
恐怖
不安
劣等感
疎外感
恥辱
憐憫
偏愛
憎悪
隔意
嫌悪
猜疑心
嫌気
不信感
不快感
憤懣
敵愾心
無関心
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傾倒
好奇心
憧憬
尊敬
連帯感
慈愛
感服
純愛
友情
慕情
同情
遺志
庇護
幸福感
信頼
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侮蔑
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感服
純愛
友情
慕情
同情
遺志
庇護
幸福感
信頼
執着
親近感
誠意
好意
有為
尽力
懐旧
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食傷
脅威
嫉妬
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恐怖
不安
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疎外感
恥辱
憐憫
偏愛
憎悪
隔意
嫌悪
猜疑心
嫌気
不信感
不快感
憤懣
敵愾心
無関心
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成長履歴
回
経験点 / 獲得総計
点
メモ(セッションの内容など)
達成経験
侵蝕ボーナス
ボーナス
獲得計
1
点
点
点
点
2
点
点
点
点
3
点
点
点
点
初期作成時の経験点は手入力可能。基本値より少ない場合は必ず入力すること
能力値
エフェクト
技能
合計
使用
点
点
点
点
初期作成時経験点
点
合計
点
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パーソナルデータ
キャラクター名
コードネーム
タグ
種族
年齢
性別
身長
体重
髪の色
瞳の色
肌の色
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その他メモ
*行動値の高い白兵キャラ。スピードスターで火力も上がるぞ! -------------------------------------------------------- 「Day of rebirth」のヒロイン。 ※時間軸としては「Day of rebirth」の後を想定。 特定の支部に所属せず,各地で多くの戦いをくぐり抜けてきた ベテランのUGNチルドレン。示現流に似た剣術を得意とする。 実の兄を自らの手にかける,無関係の一般市民を誤って戦いに巻き込むなど 何度かの失敗を犯しながらも友人や同僚の助けでなんとか道を踏み外さずに戦い続けている。 クールそうに見えるが,コミュニケーションが不得手で抜けているところもあり, おまけに些細なことで落ち込みやすい。メシマズ。 -------------------------------------------------------- ◆注意◆ フレーバーテキスト ◆無駄に長い◆ 血に濡れた両手を見て、自分が夢を見ていることに気がついた。いつもの夢、いつもの悪夢だ。 うつ伏せに倒れた兄の背中から、止めどなく赤黒い液体が溢れ出る。 見慣れた夢、それでも私の感情がこれに慣れることはなく、心臓は飛び跳ねるように暴れ、まっすぐ立っていられないほど足元が揺らぐ。 浅いプールのような血だまりに、気づけば私は仰向けに倒れていた。 この先がどうなるか知っているはずなのに、内臓が浮き上がるような感覚に、私は恐れ慄いた。沈んでいく。 血だまりは底無し沼のように変わり、私を飲み込んだ。もがく私は必死に手を伸ばす。誰もその手を取ることはないと知りながら。 楽な仕事だ。 幌付きの4トントラックの荷台に寝そべりながら、恐るべき速さで流れていく夜の高速道路を眺めていた男は、大きな欠伸をした。 だらけきっているように見えるが、その眼は獲物を前にした獣のように爛々と輝いている。 不意に跳ねるように身を起こすと、彼は虚空に向かって何度か鋭い拳を突き出した。 「なまっちまうぜ、このままじゃよォ」 口元を不満気に歪めると、彼の耳に取り付けられたインカムから、ぼそぼそとした声が届く。 しばらく傾聴していた男は、口の端を傲然と釣り上げた。 「......はっ、ようやくかよ。ケツが痛くなっちまったぜ」 言うやいなや、男は乱暴な指揮者のように両手を無造作に振り回す。数瞬後、積荷を隠蔽していた幌は、ボロ切れとなりトラックの背面へと飛散した。 あてどないシャドーボクシングを続けていた男の両手には、いつしか禍々しく赤い短刀が握られていた。 満足したようにうなずいた彼は、隣の車線を同じような速度で走るトラックに目をやる。やっぱり楽な仕事だ。 深夜にも関わらず、会議室に集う面々は一様に渋い顔を浮かべている。そのうちの一人が耐えきれないように口を開いた。 「......霧谷くん。随分深刻な事態のようじゃないか」 刺々しい雰囲気を隠さない男の発言を受け、霧谷は静かに頷いた。 「重要物資を積載したトラックの移動経路がFH側に漏洩......おそらくはFHエージェントの『ヘルタースケルター』による侵入工作でしょう」 だん、と机を叩く音が薄暗い会議室を満たす。 「原因を聞いているわけじゃない!問題はあの物資が我々UGN本部が直轄する研究所にとって必要不可欠なものだということだ!」 承知しています、と霧谷はあくまで冷静な態度を崩さなかった。 「これは搬送経路を管理するUGN日本支部の責任問題だぞ!」 「手は打っています」 「手だと?」 一瞬瞑目したあと、霧谷は口を開いた。 「念のために1名、護衛のチルドレンをつけています。コードネームは......」 「スプリット・レッド!」 並走するトラックの車体を切り裂かんとした両手の斬撃は、図ったように同じタイミングで放たれた攻撃によって弾き返された。 隣の車線、男に狙われたトラックの屋根に赤い剣を携えた少女が佇んでいる。銀色の長い髪が、満月の白い明かりを受けてきらめいた。 男は、かつてFHのデータベースで彼女の名を見た記憶があった。 「知ってるぜェ、お前のことはよォ」 「......」 「ベテランのUGNチルドレン、ブラム・ストーカーとハヌマーンのクロスブリード、得物は自分の血を操作して造る赤い刀......」 「私は」 言葉を遮られ、男は訝しげにトラックの屋根に立つ少女を見上げた。見下ろす瞳は、その身体に通う血と同じく紅かった。 「私はあなたのことを知らない」 「あ?」 「知る必要もない」 「......はっ、抜かしやがれクソアマ」 言い捨てると、男は両手の短刀を振りかざし、車上の少女に飛びかかった。 「スプリット・レッド。水嶋真夜......。私も名前は聞いたことがある」 霧谷雄吾に詰め寄っていた者とは別の男が口を開いた。 「それなりに名前が通っているからね、彼女は」 男のどこか皮肉げな口調にも、霧谷は冷静な表情を崩さなかった。 その反応が気に入らなかったのか、男は眉根をこれみよがしにしかめる。 「実の兄が―彼もUGNチルドレンだったか―暴走した際に、ジャーム化したものと誤認して斬殺した事件は有名だね」 「……痛ましい"事故"でした」 事故?男はわざとらしく声を上げる。 「他にもある。一般市民をFHとの抗争に巻き込んでオーヴァード化させる、学生に擬態していたFHエージェントを見抜けずに 重傷を負う……正直に言って今回のような重要な任務に就かせるには、経歴に傷が多すぎるのでは?」 男の言葉に、会議の参列者たちは一様に厳しい視線を霧谷に浴びせた。 それらの敵意を全て受け止めるように、霧谷はわずかなあいだ沈黙し、あらためて口を開いた。 「確かに、彼女は多くの傷を負ってきました。……ですが、それは度重なる挫折から立ち上がってきたことの紛れも無い証左です。 ……そして、失敗をしても彼女にはリカバリーができる能力がある」 「……能力、だと?」 「速いのですよ、彼女は」 速い。トラックの屋根の上、赤い刀の一閃に右手の短刀を弾き飛ばされた男は舌を巻いた。手数で圧倒的に有利に立てるはずの両手の剣も、 彼女の絶対的な速さの前には防戦一方であった。一気に勝負を決めようと構える真夜に、男は残された左手の短刀を投げつけて牽制する。 闇夜に赤い剣閃が光り、短刀はむなしく夜の高速道路に消える。男は苦笑いをするように息を吐いた。 「……一応、俺もハヌマーンなんだけどなァ。自信なくしそうだぜ」 「……」 少女の構える赫い刀の剣先が、正確に自分の喉元へ狙いを付けている。ひりつく圧迫感に、男は自分の闘争心が否が応にも高まるのを感じていた。 「いいぜ、こっからは本気だ。イイもん見せてやるよ」 トラックの屋根の上、目まぐるしく流れ行く照明によって生み出された男の影が、不意に蠢いた。 男から分離したいくつかの影は、編みあげられるように絡みあい、人間ほどのサイズに変わっていく。 黒い影は、瞬く間に鮮やかな色を得る。その姿は、横並びに立つ男と全く同じものだった。 そして、その両手には、男と同じ赤い短刀が握られている。 「これ、は」 真夜の起伏の少ない声に驚きが混じり、男は愉快そうに笑う。 「奥義、空蝉の術……なんてな。さぁ、これで4刀流だ。お前の速さでも、コイツは捌ききれない」 男は短刀を生成し、影とともにじりじりと真夜との間合いを詰める。 「たとえ彼女がずば抜けて速かったとしても、だ」 いままで静かに椅子に身を委ねていた大男の低い声が、会議室に響いた。 「出来ることと出来ないことがあるでしょう。そして、出来ないことが多くあったからこそ、 これだけの失敗を犯した……結局はそういうことではありませんか?」 霧谷は重々しく頷いた。 「確かに、これまでの彼女はそうだったかもしれません。ただ、今は、そうではないと私は言える」 「……ほう?」 皮肉げに笑う大男に、彼の目をまっすぐに見据えた霧谷は口を開いた。 「彼女の能力は速さだけではない。友人と、同僚と、仲間と……、彼女は十分な信頼関係を、絆と結んでいます」 「……はははッ!何を言うかと思えば、信頼!おまけに絆と来ましたか!」 おかしくてしかないというような男の哄笑につられ、会議室は悪意のある嘲笑に満たされた。 「いいでしょう、仮にその信頼関係......はッ、絆を彼女が得ていたとして、だ。......彼女は今、ひとりきりだ。 それがいったい、FHの襲撃から物資を守るのに何の役に立つというんですか?」 霧谷は表情を変えなかった。 「一人きりでいたとして、『自分の信じる他者が、同じように自分を信じてくれている』。 ......この事実が力にならない者がいるのでしょうか?想い、想われることこそが、 我々オーヴァードの、人間の力の源泉ではありませんか」 苦虫を噛み潰したように、大男は言い捨てた。 「......ご立派な精神論ですな。それで、彼女は無事に役割を果たせるのか? いずれにしても、答えはすぐにでるはずだ」 「残念だったなァ!お前の負けだ!」 闇夜の高速道路、その路上で真夜は自分と同じく傷だらけになった男を追い詰めていた。 分身との2対1の不利を挽回するため、真夜は捨て身の突貫を仕掛けた。 結果として男の分身は消滅、勢い余って二人はトラックの車上から路面に投げ出されている。 UGNのトラックは2人を顧みず、はるか遠方へと走り去っていった。 「……どういうこと?」 「はッ、お前と同じなのはハヌマーンだけじゃないッてことだ」 真夜の動揺した紅い瞳を見て、男は笑い声を上げる。 「種明かしをしてやる義理はないが......まァいい。どうせもうお前には何もできない」 「……」 「俺は、お前と全く同じハヌマーンとブラム・ストーカーのクロスブリード……"従者使い"のな!」 「......ッ!」 「ようやく理解できたようだなァ。アレは俺の分身なんかじゃねえ。従者なのさ。……従者は俺の血で生成される。 さっきトラックの屋根で散々俺を斬りつけてくれたよなァ。それから、あのトラックにもうUGNの護衛はいない。 ……合ってるだろ?いるなら2対1になった時点で助太刀がこなきゃおかしいからなァ。 つまり、だ……今頃は、俺の従者が悠々と物資をいただいているところだろうよォ!」 真夜は白い唇を噛み、俯いた。 「はははッ!さぁどうする!?無意味と知りながら俺を相手に戦うか!?それとも……」 男の表情から笑みが消えた。真夜はすでに車線の進行方向、トラックが走り去った方向を睨みつけていたからだ。 その口元が、小さく動く。 「……トラックの速度は.......この先の道は当分直線が続くはず……」 (なにを…言っていやがる?コイツは……) 一瞬忘我していた男を置いて、真夜は高速道路の冷たいアスファルトを蹴って、トラックが走り去った道を一直線に駈け出した。 「……なッ、ばッ、コイツ……」 真夜の姿は一瞬で闇夜に消えた。 (イカれてやがる。いくら速くたって......トラックはとっくに行っちまったんだぞ?追いつけるはずが......) だが、男は自らの胸に去来した不安を消すことはできなかった。 夜の闇を切り裂いて走る真夜の銀髪が、風にたなびいていく。すでに一戦混じえたあとで身体は万全から程遠い。 それでも、彼女は歯を食いしばって顔を上げ、闇に溶ける行く先を見据える。 (また、取り返しの付かないようなことを、私は……) 悔恨にその表情が歪む、それでも、彼女が足を止めることはない。 (……そうじゃない。過去に足を取られちゃいけない。あの子が言ってたように……) 目指すトラックの姿は未だ見えてこない。果たして距離が詰まっているのか、あるいは......離されているのか?それすらわからなかった。 それでも、もっと速く。真夜はそれのみを己の身体に命じた。スピードが上がり、思考が混濁する。 (......踏み越えるんだ。自分のためじゃなく。大切な......自分を信じてくれた人のために) 身体が軋む。息が上がる。視界が歪んでいく。 (……だから、だから私は……) 身体中の血が沸騰したように熱く、暴れている。 (......私は逃げないッ!!) 瞬間、トラックのオレンジ色のテールライトが遥か遠方に、幽鬼のように揺らめいた。 間に合ったのか?もうすでに男の従者が物資を奪いとった後なのか? いや、構うものか。 右手の紅い刀は真夜の急激な消耗にも辛うじて姿を保っている。 殆ど無意識のうちに、半身を後ろに引き、刀を高く構えた。示現流で言う、八相、蜻蛉の構えだ。 疾駆の勢いをそのままに、真夜は右足で強烈に踏み切った。 「チェェストォォーー!!!」 真夜の叫びが、闇夜を震わせた。 ―――血の沼に沈んでいた私の身体が、不意に止まった。どこまでも滑り落ちていくような不快感も、いつの間にか失われている。 同時に私は目を細めた。眩い光が、空から差し込んでいた。黒く濁った血は、透きとおるような水に変わっている。 そして、茫然とその水を手で掬った私を、誰かが見つめていることに気づく。 その姿は逆光で誰かはわからないが、優しく微笑む気配が敵対的な存在でないことを物語っていた。 その人が差し伸べた手に掴まり、私はおずおずと立ち上がる。 すると、一面に広がる光を浴びた水面が、きらめきながら私の視界を満たした。 ため息を一つ。そして私は、自分の表情が柔らかく緩むのを感じていた。 ああ、誰かといれば、一人でなければ、この世界はこんなにも…… 「……よー。真夜。......こら、真夜!」 UGN本部、チルドレンのために設けられた宿舎。彼らの教官である玉野椿は、日が高くなっているにも関わらず、 布団に包まったままのチルドレン――彼女の管轄ではないが――を呆れた顔で見下ろしていた。 その声に、おずおずと銀髪が布団から這い出してきた。 「……なに?」 「なに?じゃないわ!もう起床時間はとっくに過ぎているのよ!?あんたももうベテランでしょ!下の子に示しがつかないのよ!」 「……ぅうー。昨日死ぬほど走ったばっかりなのよ……?勘弁して頂戴」 呻きと共に、億劫という言葉を体現したような声が返ってくる。呆れたように旧友は嘆息した。 真夜が自力でトラックを追いかけて走ったという話を聞いた時は、我が耳を疑ったものだった。 信じがたい脚力でトラックに追いついた真夜はそこからさらに斬撃を繰り出し、トラックごとFHの従者を叩ききったそうだ。 「……あー、そういえばトラック壊した件、始末書はナシでいいって」 「本当?」 急に元気になったように、真夜はベッドから起き上がった。 その姿に、また一つ椿はため息をつく。 「ま、いちおう物資は無事だったらしいし……顛末書でいいって。良かったわね」 「て、顛末書……」 「霧谷さんが手を回してくれたみたいよ。感謝しないとね」 「そ……そうね」 あからさまに落ち込んだ様子の真夜の頭を、椿は軽く叩いた。 「……でも、無事でよかったわ。あんた無茶ばっかりするから、心配してたわよ」 「……うん、ごめん。ありがとう」 「同期のチルドレンももうあんまり多くないんだから……あんまり気を揉ませないでよ」 真夜は少しだけ寂しそうに微笑み、頷いた。 「……それから、これ」 椿は一通の封筒を取り出すと、真夜に差し出した。 「これは……」 受け取った真夜は不器用そうに封書の口をちぎる。 「次の任務。……前に星岬町に隕石が落ちたってニュースがあったでしょ?」 「……あったの?」 ぼんやりと首を傾げた真夜の銀髪が揺れた。 「あったのよ!.......それで、その隕石がまだ見つかってないのよ。UGNの天体観測所も、 間違いなくあのあたりに落ちたっていってるのに」 「探せばいいの?それ」 「簡単に言うとそういうこと。ただ、そのために現場の近くにある高校に潜入してもらうわ。 雷門高校っていうんだって。そこの学生ならそのあたりをうろうろしててもおかしくないしね」 「なるほど……」 そこまで言うと、椿は少し表情を険しくした。 「FHが動いているって情報もあるわ。レネゲイド絡みの案件である可能性も高いし、簡単には行かないわよ」 「......わかってるわ。けど、大丈夫」 真夜はじっと椿の瞳を見つめた。彼女は旧友の言葉を待っているようだった。 「私はひとりじゃないもの。一緒に剣を振るう仲間がいる限り、スプリット・レッドは遅れをとならないわ」 椿は安心したように穏やかな笑みを浮かべ、もう一度真夜の頭を軽く叩いた。 「期待してるわ。……それと、任務の前に鏡を見たほうがいいわね。寝癖がひどいわよ」 「えっ……ちょ、ちょっと待って椿、手伝って......」 「ダメよ、自分で頑張りなさい」 肩をすくめると、椿は真夜の部屋から退出していく。と、バタバタと騒がしい音が部屋の中から聞こえてくる。 廊下で苦笑いを浮かべると、椿はひとりごちた。 「頑張りなさい、真夜。......あんたなら、きっと大丈夫だから」 まばゆい日の光が、宿舎へ差し込む。今日も大変な1日になりそうだ。
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