タグ： Azisai いつうちゅ

【キャラ紹介】 　名前：ソーマ・リュウセイ 　性別：男性 　職業：宇宙飛行士（2015芸術家） 　性格：基本的に優しいが、粗雑に思われるような行動をとりがちな男。 　　　　欲望に忠実で、自堕落な印象を受けるかもしれない。 　誕生日：3月19日（拾われた日） 　趣味：アウトドア系料理 　家族：天涯孤独 　特徴：右腕の肘から先を欠損（CON-1 DEX-1） 　好物：肉 　孤児院生まれの彼には幼馴染の『風間　祐介』がいた。 　何事にもポジティブな彼に引かれ、一緒に宇宙飛行士を目指すことに。 　夢を叶えるのは前途多難であったが、切磋琢磨しあい、2人は無事に宇宙飛行士になることが出来た。 　しかし、『風間　祐介』は宇宙へ飛び立つ前に交通事故に巻き込まれ、死亡。 　友人であり、家族だった『風間　祐介』を失った彼は、悲しみに暮れながらも夢だった宇宙に飛び立つ。 　そこから見える美しい景色は、彼に感動と、そして言い難い傷心を与えた。 　悲しみに暮れながら帰還中に事故に遭った彼は、ミ＝ゴに救出されるも『右手の肘から先を喪失』してしまう。 　彼は生まれた孤児院の習わし（死人が寂しくないように大事な人の何かを差し出す）にならって、右腕の治療を断った。 　今の彼は悲壮感から、生きることや地球への帰還に関する気持ちは薄れている。 　そのせいか物欲や性欲など、普段以上に自堕落な態度を取るようになり、死に急いでいるようにも感じられるかも知れない。 【詳細設定】（「」…ソーマ台詞　『』…風間の台詞） 　俺は捨て子だった。 　物心ついた時から居る場所は、日本の孤児院で、俺と似たような境遇の奴ばかりだ。 　だが、俺みたいに肌が黒く、金髪の人間は他には居ない。 　当然、異端な俺に対して、同じ孤児院の奴からは距離を置かれることが多かった。 　そんな生活にも慣れ始めた頃、転機は訪れる。 　1人、夜の庭で空を眺めている俺に対し、声がかけられた。 『ねぇ、もしかしてキミも星が好きなの！？一緒に星をみていい？』 　振り返ると、年は同じくらいの日本人の眼鏡をかけた少年。 　胸には、【宇宙について】という題の大きな図鑑を抱えていた。 　初めて見る顔に、そういえば院長が新しい子が入ってくると言っていた事を思い出す。 　俺の返答を待つことなく、その少年は俺の隣りに座ると、図鑑を広げてくる。 『えーと、あれがホッキョクセイかな、このズカンだとね、ずっとおなじムキにあるんだって！！』 　興奮冷めやらぬといった風に頬を紅潮させながら語りかけてくる少年に対し、 俺は、はぁ…と一息溜め息を吐くと、無言で立ち上がって去る。 　そんな俺に対し、慌てたように少年は立ち上がると声をかけてきた。 『ご、ごめん…。ジャマしちゃった、よね？』 「……別にそんなんじゃねぇよ。ただ、お前も群れる相手は選んだ方がいいぜ、こんなガイジンなんかとはな」 　いつも周りから言われている悪口を真似するように口にした。 　ガイジン、というフレーズを口にした時に少しだけ胸が痛んだ気がする。 『…そんなことないよ。ボクはココにきてから不安なきもちだったけど…、 　夜にだって光ってみえるキミの髪は、星みたいにキレイで安心したよ！！ 　それにさ、こんなに夜空は広いんだ。それに比べたら、キミの心配なんて気にならないよ！』 　星が煌めく夜空を背中に、彼は高らかに語った。 　それが、俺と【風間　祐介】の出会いだ。 　それから祐介とは長い付き合いになる。 　祐介は、両親が他界したため、この孤児院に来たらしい。 　同じような境遇の俺達は、少しずつ距離が縮まり、いつの間にか家族の様になっていた。 　祐介の夢は【宇宙飛行士になって、美しい地球を見ること】。 　出会った時からそう語る祐介は、論文や図鑑をよく読んでいた。 　そんな祐介に付き合う内に、俺も宇宙への関心を深めていき、いつしか俺も【宇宙飛行士になりたい】と思うようになっていた。 　お互い切磋琢磨し、宇宙飛行士への道を歩んでいく。 　なんせ２人とも孤児だ、普通の人よりも、ただ生きていくだけでも厳しい毎日だった。 　それでも励まし合い、助けあって、俺達は宇宙飛行士になることが出来た。 　合格通知が来たとき、祐介はずっと泣いていた。 　念願の夢が叶ったのだ、泣くのは当然だ。 　だから、俺も目から涙が抑えきれなくて、２人で抱き合っていつまでも泣いていたことを今でも覚えている。 　 　しかし、運命は残酷だ。 　家で晩ご飯の支度をしていると（当時は２人でシェアハウスをしていた）、携帯に電話がかかってきた。 　何気なく出た俺に『友人の風間様が事故に遭われました』という冷静な声が入ってきた。 　最初は冗談だと思ったが、『飲酒運転によるトラックの暴走』『女性をかばった男性１人が重傷』『今日が峠かもしれない』 といった情報が流れてくるにつれ、少しずつ焦りが出てきた。 　直ぐさま家を飛び出し、言われた病院へ走った。 　時間は零時を過ぎていたが、月明かりだけでも充分なほど、外は明るかった。 　病室に駆け込んだ俺の目に飛び込んできたのは、口に呼吸器系をつけ、目を閉じ、ベッドに寝ている祐介。 　誰が見ても、危ない状況だと分かる様な光景がそこにはあった。 　無我夢中で祐介の手を握り、「おい、祐介！！！しっかりしろ！！」と声を荒げる。 　俺の声に反応したのか、祐介は俺の方を向き、目を開けた。 『ソーマ…。ボクさ、助けられたよ…。孤児のボクでもさ、誰かの命を救えたんだ…』 「ああ…、生きてて良かった。安心したぜ」 『ボクはさ、両親は家を空けがちで１人の時間が多かったんだ、だから夜は空しか楽しみがなくってさ…。 　空に光る星が友達みたいで、いつか会いに行きたいって思ってた。ボクが宇宙飛行士になろうと思ったキッカケだよ』 　勿論、地球も見たかったけどね。と少し笑うように言葉を紡ぐ祐介は、明らかに苦しそうだ。 「…っ、分かったから！もう喋らなくていいぞ、寝てろ！俺と一緒に宇宙に行くんだろ！？」 『……ボクはさ、多分【友達が欲しかったんだ】。 　ありがとね、ボクとずっと居てくれて』 　そう語る祐介の手から力が無くなっていくのが分かる。 「たのむ、そんな事言わないでくれよ…！俺こそ祐介が居なくなったらどうしたらいいんだよ…！？」 『大丈夫…、ボクはきっと死んだら、星になると思う。宇宙の一つになるんだ、だから、いつでもソーマのそばに居るよ』 　そういうと祐介は力無い手を俺の頬に伸ばし、涙をぬぐってくれた。 　言いたいことは幾らでもあるが、目から流れ出る涙が喋ることをジャマしてくる。 『…ソーマ、ボクと星を見てくれて、ありがとう』 　そう告げると、祐介の手が頬から力なく離れ、うなだれる。 　静かに眠る祐介に、俺はただ泣くことしか出来なかった。 　それからのことは良く覚えていない。 　少数で葬式を行ったかと思えば、気付けば「プロジェクトXXX」の日に近付いていた。 　同じメンバーの仲間も俺のことを心配してくれていた。 　特に、俺とも祐介とも知り合いだった【水川　ルイ】は献身的に言葉をかけてくれ、相談にも乗ってくれた。 　仲間のお陰で少しずつ調子を取り戻していった俺は、宇宙船に載る。 　念願の夢だった宇宙に行ける、と自分に言い聞かせながら飛び出した宇宙は、写真で見るよりも綺麗で壮大だった。 　そして、青く光る地球はとても綺麗で感動を覚えたが、正直、思っていた程は気分が上がらない。 　そこで気付く。 　俺は【美しい地球を、宇宙を、祐介と見たかった】のだ。 　自然と零れ出す涙は、無重力によって顔にひりつくが、あの時のように拭ってくれる手はなかった。 　 　そして、地球に帰還する際、エンジントラブルにより暴走。 　ここで死ぬのか、と思った。 　しかし、地球に帰っても俺の帰りを待つ人は居ない。 　それならいっそ…。 「祐介。ここで死ねば、お前とまた会えるのかな」 　そう独り言を呟きながら、俺は静かに目を瞑った。 　

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