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21歳/HO4/心理学部生（心理学者ベース） 昔から体が弱く激しい運動ができない。 記憶にある限りでは小学校低学年くらいからそうだった。普段の体育の授業ではステージの上か体育館の隅で、プールの日はプールサイドの隅に置かれたテントの陰から、運動会では先生の隣でひとり寂しく見ていた。放課後みんなが公園で遊ぼうと言う。ちょっと向こうの通りまで勝負だと言う。 その言葉は椛を通り過ぎていく。椛にその言葉がかけられることはない。 自分もあの子たちみたいに走り回れたら。なんて願望は中学校に進学したあたりで諦めがついた。 無理に動いて倒れたら祖父に迷惑をかけてしまう。ただでさえ両親を亡くしてから迷惑をかけているのに。間借りさせてもらっている立場なのに。 もとより人見知りの性質で世話を焼いてくれた祖父にもどこまで気を許していいのかわからなかった。 両親がいない、それはおかしいのだとクラスメイトに言われた。 両親が死んだのに悲しまないなんてと近所の人に揶揄された。 かわいそうだからその話をしないようにしようと教師から注意された。 体が弱いのだから無理はさせないようにと遊びに誘われることはなかった。 そうか、自分はかわいそうな子供なのか。 そうなのだと納得して諦めた。 だから両親がいないことに泣けないのはそういうことだったのか。実際は両親がいた記憶すら曖昧で自覚がないだけ。 それからは必要以上に人と関わることを避け、小説家をする祖父の書斎に入り浸り本を読み漁った。小説、絵本、漫画、雑誌、図録、専門書。書斎に置かれているものなら何でも。「本が好きなのかい」と問いかける祖父に曖昧に微笑んだ。やることが無いから文字を読んでいるだけだよ、なんて文字書きを生業にしている祖父に言えるはずがなかった。 椛の微笑みを肯定ととらえたのか、祖父は出かけるたびに書籍を買っては椛にプレゼントした。自分の仕事に興味をもってくれた孫の事を好ましく思ったのか、なんて小学生にあるまじき冷めた感想を心の中に押し留めた。 育ててくれているのに扱い難い孫でいるのはまずいのではと思い至り、祖父の書斎から心理学関係の本を読み漁った。 普通の子はここでどう思い、どのように感情を表にし、どんな時に人のを引くのか。 こどもらしく、祖父が心配しないように、せめていい孫であろうとインプットを続けていた。しかし今まで人とのつながりを最低限にしすぎたためかアウトプットがうまくいかない。もっと勉強したらみんなと仲良くできるのかな。 その延長線上で心理学専攻の大学に入り、当たって砕けろ。伝わらなかったら諦めて次へ行けばいいの精神でコミュニケーションをとるようになった。 迷惑をかけてきた祖父に恩返しをするために家では家事を自発的に行い、高校からバイトを始めた。 祖父の役に立てるように、心配させないように。 なんやかんやでおじいちゃん子。祖父が生活の中心である。 祖父はそんな孫に広い世界を見てほしいんだけどなぁ、と諭しつつ見守っている。 「どうも。初めまして…」 「家族、はよくわからない。でも育てくれた恩はあるから」 「昔のことは、覚えてないんだ。気にしないで」 「おじいさんが、今はいないから…。私はいつ帰って来てもいいようにしているの」 【好きな食べ物】さんま 【嫌いな食べ物】サツマイモ（食べられはする） 【趣味】読書 【嫌いなこと、もの】役に立てない自分 🌸「大切な思い出」と「美しい変化」 C71585 【不定の狂気】 心因性視覚障害、心因性難聴、四肢の機能障害（5か月） AF：祖父のお守り これは君の祖父の命と引き換えに創られたお守りだ。 ・このお守りを所持している間、能力値のマイナス補正はなくなる。（CONを元の値に修正できる） ・このお守りを所持している間、クリーチャーからの受ける精神的攻撃へのPOW対抗は自動成功になる ・このお守りを所持している間、クリーチャーから受ける毒攻撃へのPOT対抗は自動成功になる。

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