キャラクター保管所
バックアップ
リスト
モバイル版
ヘルプ
ログイン
Twitterでログイン
登録
トップ
Webサービス
キャラクター保管所
クトゥルフ PC作成ツール
虎李(フゥリー)/寅山 都喜(とらやま つき)
ID:4764318
MD:7beb32909aff1ccfbac22c687553c0f5
虎李(フゥリー)/寅山 都喜(とらやま つき)
タグ:
羊PC
幽世常世の満天下
非表示
簡易表示
通常表示
生まれ・能力値
STR
CON
POW
DEX
APP
SIZ
INT
EDU
HP
MP
初期
SAN
アイ
デア
幸運
知識
能力値
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
その他増加分
一時的増減
現在値
STR
CON
POW
DEX
APP
SIZ
INT
EDU
HP
MP
初期
SAN
アイ
デア
幸運
知識
↑ページ上部へ
非表示
簡易表示
通常表示
SAN
現在SAN値
/
(不定領域:
)
↑ページ上部へ
非表示
簡易表示
通常表示
技能
職業P
/
(うち追加分:
)
興味P
/
(うち追加分:
)
表示
初期値の技能を隠す
複数回成長モード
非表示
簡易表示
通常表示
<戦闘技能>
成長
戦闘技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
回避
キック
組み付き
こぶし(パンチ)
頭突き
投擲
マーシャルアーツ
拳銃
サブマシンガン
ショットガン
マシンガン
ライフル
非表示
簡易表示
通常表示
<探索技能>
成長
探索技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
応急手当
鍵開け
隠す
隠れる
聞き耳
忍び歩き
写真術
精神分析
追跡
登攀
図書館
目星
非表示
簡易表示
通常表示
<行動技能>
成長
行動技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
運転(
)
機械修理
重機械操作
乗馬
水泳
製作(
)
操縦(
)
跳躍
電気修理
ナビゲート
変装
非表示
簡易表示
通常表示
<交渉技能>
成長
交渉技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
言いくるめ
信用
説得
値切り
母国語(
)
非表示
簡易表示
通常表示
<知識技能>
成長
知識技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
医学
オカルト
化学
クトゥルフ神話
芸術(
)
経理
考古学
コンピューター
心理学
人類学
生物学
地質学
電子工学
天文学
博物学
物理学
法律
薬学
歴史
↑ページ上部へ
非表示
簡易表示
通常表示
戦闘・武器・防具
ダメージボーナス:
名前
成功率
ダメージ
射程
攻撃回数
装弾数
耐久力
その他
%
%
↑ページ上部へ
非表示
簡易表示
通常表示
所持品・所持金
名称
単価
個
価格
効果・備考など
価格総計
現在の所持金:
、 預金・借金:
↑ページ上部へ
非表示
簡易表示
通常表示
パーソナルデータ
キャラクター名
タグ
職業
年齢
性別
身長
体重
出身
髪の色
瞳の色
肌の色
↑ページ上部へ
その他メモ
日本の地下に広がる無法者蔓延る暗黒街『九朧城』の片隅にある『枝垂荘』に住む青年。本人はギャンブラーと言い張っているが、実際のところ賭場通いのニートである(まあこの街で正社員もクソも無いのだが)。 裏の顔はこの九朧城で汚れ仕事をこなす『何でも屋』。命の危険もそれなりにあるこの街で「どんな」依頼もこなすこの仕事を、正味ちょっと怖いなあ、嫌だなあと思っていたりする、まだまともな感性を持ち合わせている苦労人気質。 元々好き好んでこの九朧城へやって来たクチではなく、まあ色々あって借金で首が回らなくなったために金が必要でここへ来たと公言している。もっとも、本人はそれを堂々とひけらかせるタイプでは無いので、聞かれれば渋々答える。聞かれなければ答えない。 手っ取り早く金を稼ぐために賭場へ足繫く通い、ギャンブラーとして細々と生計を立てているが、基本的に借金返済のためにいつも金欠。一番切り詰めるのが容易い食費をよく生贄に捧げているため、割とお腹を空かせていることが多い。食べ物をくれる人のことが大好き。 借金は地上で作ったもののため、返済のために定期的に地上と行き来する所謂『鼠』と呼ばれるタイプの住人。毎月偶数週の月曜日、地上へ向かう日はいつも表情が暗く、帰りはどこかへ寄っているのか、夜明け近くに帰ってくる。この日は世知辛さやままならなさに打ちのめされる日だと言っており、無慈悲だが自由である筈の九朧城で最も縛られた人間かもしれないと自嘲している。半日は部屋から出てこない程度に気分が鬱々としているが、出てきた時には一応元通りになっている模様。 外見こそこの暗黒街に馴染めるように程々に派手に飾っているが、根の真面目さがまあまあ隠し切れていない。本人もここへ来た理由が借金、しかも賭場通いで返済しているという事実に見合うように、チンピラ風というかろくでなしであるような振る舞いをしようとしているらしいが、どうにもぎこちなく不自然。すぐに奢ってくれだとか金が欲しいだとか言い出すが、いざ奢ってもらえれば真摯に礼を言うし、金を貸そうかと言われればこれ以上の借金は勘弁だと言って固辞する。どうにも地上の、九朧城に比べればぬるい雰囲気が消し切れないようで、この街では浮きがちな素直で真っすぐな性格。いつも愛想よくにこにこと笑っている。 また、臆病と取れるほど慎重、あるいは警戒心が強く、その上リスクを嫌うため、ギャンブルは大負けしない代わりに大勝ちもできないらしい。もうその借金の返済方法やめろよと賭場の顔馴染みにはよく言われている。自分でもそう思うが、それでも普通にコツコツ働くよりは稼げているから何とも言えない。 そんな有様だが、この性格のお陰で大家の柳のような面倒見のいいタイプの人間や、裏社会で生きてそれなりにくたびれてスレたタイプには比較的可愛がられる傾向があり、そのお陰で今日までなんやかんや五体満足で生きてこられた。運自体はそこそこ良いのかもしれない。 何でも屋の仕事も金のためだと文句を言わずに素直に従事しているが、実際のところ汚れ仕事には嫌悪感や罪悪感があるらしく、違法行為全般に忌避感がある。荒事にもすっかり慣れてしまい、暴力を行使することに躊躇わないが、それはやらなければ食い物にされると学んだゆえの自衛であり、好き好んで振るおうとは決してしない。倫理観や感性は至ってまとも。地上に戻らず、鼠ではなく土竜として生きて完全に九朧城に浸かればよいのかと悩んでいるが、少なくとも借金がある間は無理だろうと思っている。 ちなみに家事能力がそこそこ高く、何かと小器用なタイプのため、柳や彼が紹介した枝垂荘の近所の信用の置ける人々の間で、軽食や駄賃と引き換えにちょっとした御用聞きのようなこともしている。出来ればこういう屋根の修理とか掃除とかおつかいとかの、真っ当な何でも屋をして生きて行けたらなあと夢想しているとか。ここが九朧城である限り、到底無理な話である。 ただ、枝垂荘で柳や他の仲間と過ごす生活自体は気に入っており、そうそう口にはしないが、彼らのことを第二の家族だと思っている。真っ当な生活に憧れてはいるが、九朧城だからこそ彼らとこうして過ごせていることもあり、好ましくない汚れ仕事も頑張れている。 職業ベース:放浪者(クトゥルフ2015) 職業自由枠:【芸術(ギャンブル)】 特記事項:子供に対する【言いくるめ】と【心理学】にボーナス10% 職業ポイント算出方法:EDU×10+DEX×10 通過予定シナリオ ・幽世常世の満天下 幽世常世の満天下 公開HO:HO2 【貴方は賭場通いだ】年齢:20〜25歳 以下秘匿等のネタバレの設定 幽世常世の満天下 秘匿HO:HO2【貴方は賭場通いだ】 年齢:20〜25歳 貴方は借金を返すために自ら九朧城へやってきた。 貴方には1歳年下の弟がいた。非常に仲が良かったが、弟は7歳になる前に行方不明となってしまった。必死に探したが、とうとう弟は見つからなかった。 弟を深く愛していた母は精神を患い、その対応に追われ生活は苦しくなった。さらに今から3年ほど前、母が弟を個人的に捜し続けており、探偵の雇用費などによって闇金に多大な借金があることが判明した。それを知り母に愛想を尽かした父は離婚して家を出て行ってしまった。到底返せない額となった借金を前に、貴方は闇金業者に言われるがままに九朧城への門を潜った。 貴方がここで暮らしているのは借金を返すためである。大金を返済するならばと柳に教えられ、仕事の傍ら、賭場に通っている。貴方が教わった賭場は、賭け金こそ他の場所に見劣りするものの、悪徳運営が関わっておらず、比較的安全に(しくじっても腕一本程度で)金が稼げる場所らしい。 初めは1日も早く真っ当な生活に戻りたかったが、今は枝垂荘の仲間には情が湧いており、ここでの生活に居心地の良さも感じている。 しかしそれと同時に、貴方は1年程前から奇妙な欲求に悩まされている。それは「人肉を食したい」という衝動的な欲求だ。市場の片隅でひっそりと売られている人肉を見て、いつからかおぞましさよりも「美味そうだ」と感じるようになっていた。 衝動は収まるところを知らず、とうとう数ヶ月前、貴方は人を殺して食ってしまった。それ以来、欲求を抑えられなくなる度に、夜な夜な人目を忍んで通りすがりの人間を殺しては食っている。 貴方自身がこの行為をどう思っているかはわからない。しかし幸いにも、ここでは殺しなど茶飯事で、貴方の起こした連続殺人は鬼と呼ばれる異種族の仕業だろうと騒がれる程度で、さほど問題にもなっていない。 ▼父やその他家庭環境 下記概要に指定されていない詳細は好きに設定して構わない。 ただし、内容を事前にKPに共有すること。 〇父―――― 母が精神を病んでから、耐えきれず家を出て行ってしまった。 今は連絡を取っていない。元がどのような父親だったかは指定しない。 〇母―――― 元は優しい母親だったが精神を病み、勝手に弟を捜し歩き多額の借金を作ってしまった。 〇弟―――― 名前は「アキ」。字は好きに当てても構わない。 PCの1つ年下で、PCに良くなついていた。比較的おとなしい性格。 ▼生活について 貴方は「鼠」として時折母の元を訪れる二重生活を送っていても構わないし、「土竜」として借金返済までは完全に地上から姿を消していても構わない。 ▼観察眼 貴方は地上の暮らしが長いため、地下の住人に警戒を怠らず生きてきた。裏がある者がほとんどのこの場所で、人一倍その機微に敏い。 【心理学】に+30する。 【知識(九朧城)】は通常の<知識>の半分となる。 ▼NPC <麗麗-リィリィ-> 貴方が通う賭場に勤める青年。対応が丁寧。 長らく通う内に、貴方は彼の衣服に隠れた右手が不自然に短いことに気づいた。何らかの怪我があるのだろうか。 特徴表 44【動物に嫌われる(D)】※デメリットボーナス1d6×10=50pt(興味ptに追加) 独特の佇まいのせいで、大抵の動物は探索者を見るなり威嚇してくる。 ↓ 動物は好きなのだが、何故か嫌われる。犬は吠え、猫は逃げ出し、カラスは襲撃してくるなど、散々な嫌われよう。あまりに嫌われるため、昔弟が犬を飼いたがったものの、諦めさせることになった。俺も悲しい。 ↓ 【関係性】 ・父 元々は母共々優しい親だったが、母が精神を病み始めてから仕事に逃げ、金は入れるが家庭の殆ど全てを都喜に押し付けていた。それでも離婚しなかったのは世間体と、恐らくは僅かに残った家族への情。時間が経てば元に戻ると、何もしないで期待していた。結局は母の借金が発覚したことで期待するのを辞め、息子と妻を捨てて出て行く。現在は音信不通。 一応、精神科医の妹(都喜の叔母)が気にかけて自主的に手を貸していたのだが、離婚によって借金があった妻子は引っ越しを余儀なくされたこともあり、縁が強制的に切れてしまった。苗字は一穂丑。 ・母 長男を可愛がっていないわけでは無かったが、大人しく、幼かった次男を特に気にかけていた。その結果、次男の失踪によって精神を病み(次男への偏執症を発症した?)、夫や長男のことを気に掛けなくなる。自宅に残っていたのが子供の長男だけだったこともあり、金の管理を母がしてしまえたのが運の尽き。気付けば借金まみれで、それでもなお次男を見つけ出すことは出来なかった。 現在は闇金業者の人質同然であり、彼らの監視下の安アパートでほぼ監禁状態で暮らしている。が、もはや精神を病みに病んで思い出の中で生きており、次男の写真が納められたアルバムを眺めながら、時折やって来る家政夫(長男)の作った作り置きを細々と食べて静かに暮らしている。寅山は母の旧姓。 ・弟 名前は明希(アキ)。大人しい性格で兄を慕っており、都喜は弟に付き合って室内遊びや絵本を読むなどをよくしていた。ある日突然失踪してしまう。 ・麗麗 行きつけの賭場の従業員。九朧城の賭場では当たり前のようにイカサマが横行しているが、都喜は性格上自分が悪いことをするのに抵抗があるため出来ず、見抜くのもそこまで得意ではない。そのため、ギャンブルの際はイカサマを見抜くのに長け、厳しく対応してくれる彼の付いた卓に着く。一番の馴染みの店員であり、弟が生きていたらきっとこのくらいの年頃だろうか……と思っていたりもする。 右腕の不自然さには気付いているが、もしかしたら彼も以前この賭場に客の立場で通っていたことがあって、そこで負けてしまったのかもしれないと思っている。他人のあれこれを詮索するのは良くないと思い、特に尋ねたりはしていない。 寅山 都喜は今の己の現状を、自業自得だと思っている。全て中途半端な自分が悪いのだと思っている。 弟が行方不明になってしまったのは、自分が兄としてしっかり見ていなくて、中途半端にしか気にかけていなかったから。母が精神を病んで借金をしてしまったのは、自分が残った息子として心から寄り添い支え切れなくて、中途半端にしか愛せなかったから。父が母と自分を捨てて去って行ってしまったのは、自分が多忙な父に代わって家をきちんと守ることが出来なくて、中途半端にしか期待に応えられなかったから。 弟のことは愛していた。けれど、きっと母ほどには愛していなかった。我を忘れて全てを捨て去り狂うほど、我が身を投げ打つほど、愛せていなかった。 母のことも愛していた。けれど、きっと弟が居なくなってしまった分の母の空虚を埋められるほどには愛していなかった。自分を磨り潰すほど、共に壊れるほど、愛せていなかった。 父のことも愛していた。けれど、きっと母を見限って弟を無かったことに出来るほどには愛していなかった。己を変えるほど、共に逃げるほど、愛せていなかった。 だから、母の借金が発覚して父に見捨てられ、大学に進学出来なくなっても。闇金の男たちに母を人質に取られて金を稼げと暗黒街へ行く以外に退路を断たれても。そこで汚れ仕事に従事することになっても。全部、自分が悪かったのだと思っている。全て全て、自分が中途半端にしか『家族』を出来なかったのが悪いと。そう思っている。 聞く人が聞けば、母の嘆きを当時10にも満たない子供だった都喜に止めろとは言わないし、その後の暴走を未成年の子供に止めろというのも無茶だと言うだろう。そもそも、支えきれなかったという点では夫である父親の努力不足も認められるし、母親が壊れていく様子は、残された息子からすれば恐怖の一言に尽きる筈だ。確かに寄り添う姿勢が足りなかったのかもしれないが、現状が誰のせいであるかと言えば、その殆どは都喜の母であり、父である。 しかし現実として、大人たちの選択の責任は全て、息子である都喜に負わされた。この状況で原因は自分にあると考えるような真面目な青年であった彼は、逃げ出すことなく真面目に状況の解決を図った。 幸いにして柳という男に世話になることが出来た彼は、枝垂荘という家を手に入れる。そこを拠点に柳に教えられた賭場で金を稼ぐことを学習し、何でも屋としても心の痛みを無視して働き、亀の歩みであれどコツコツと歩き始めた。 九朧城での生活は気が休まらず、まして地上で真面目に平凡に生きていた都喜にはキツいものではあったが、少しずつ順応もしていく。枝垂荘の住人たちは九朧城の住人であるだけあって善人では無いが、少なくとも同じ立場である都喜に酷いことはしなかった。壊れた家庭環境しか知らない彼にとっては、不健全で歪であったとしても、実の家族よりずっとまともな家族のように感じられて、好ましくも思えた……地上に戻って借金の返済をし、そのまま自宅に一人残された母の元に帰って世話をしていると、枝垂荘のことが無性に恋しくなるほどに。 弟は大切な家族で愛しているが、消えた弟にばかり夢中になって残された自分を結果的に蔑ろにした母。壊れていく母から目を逸らして仕事に逃げ、借金があると分かれば最後には自分ごと捨てて消えてしまった父。九朧城から出て行きたいという気持ちはある。しかし、借金を返して地上へ戻ったところで、やり直せるだけの学歴も、温かく迎えてくれる家族も居ない。血縁としての情が残っているのは確かだが、寅山 都喜として母のところに戻るよりも、虎李としてずっと枝垂荘で暮らす方が……そんな考えが浮かぶ度に、母には自分しかいないのだ、中途半端にしか支えきれなかった自分が今度こそ支えなくてはならないだろうという義務感で思考を拭う。義務だと感じていること自体が気持ちが離れている証拠であることからは目を逸らして。 ……そんな風に、心を自ら苛んでいたせいだろうか。気付けば一年ほど前から、都喜は悍ましい欲求に悩まされるようになる。道行く人間の肉に齧り付きたい、血を嚥下し、内臓を咀嚼したい、そんなカニバリズムが、どうしようもなく衝動的に胸の内に湧き上がってくるようになったのだ。 勿論、そんなまともではないことは嫌だった。いくら無法地帯の暗黒街九朧城とは言え、そんな嗜好を持つ者はヤバい奴扱いである。都喜自身の感性で言っても異常だった。 しかし、どれだけ口を抑え、耳を塞ぎ、目を逸らしても、この欲求は消えてくれない。口からは溢れんばかりの唾液が分泌され、耳にはどこからか「我慢するな」と囁く声が届き、目は吸い寄せられるようにひっそりと売られる人肉へ向かう。そして数ヶ月前のある時──地上へ借金を返しに行き、母の世話をして帰ったその帰り道に、とうとう、人を殺して食ってしまった。真っすぐ枝垂荘へ帰るのも嫌で、鬱々とした気分で九朧城を徘徊していた時に、ヤク中の浮浪者に絡まれて襲われ、そのまま返り討ちにした流れで……殺して、食ってしまった。 恐ろしかった。いくらどんなことでもしてきたとは言え、自分は進んで人を殺すような人間ではなかった。いつもなら逃げるか、せいぜい自衛のために半殺しにする程度で終えた筈だ。いくら気分が重く絡まれたのが鬱陶しかったからと言って、衝動のままにナイフを刺して殺し、しかもその瘦せ細り筋張った肉へ躊躇い無く食らい付き、その血肉の甘美さに歓喜するなんて。あまりにも、自分が恐ろしかった。自衛ではあれど気分のままに暴力を振るい、人としてはありえない欲求に負け、それに溺れるだなんてと、呆然とした。まるで獣のようだと。 ──ふと昔、学校の授業で山月記というものをやったのを思い出した。中途半端に夢を追い、破れても意固地になってそのまま食い下がって、そして、最後には虎に成り果てた男の話だった。それはまるで、中途半端に家族を捨てきれず、家族が壊れても尚それにしがみ付いている自分のようで。こうして衝動に負けて人を食らうモノに成り果てた自分は、まさに虎だった。獣だった。 そう思い当たった瞬間、都喜の中で魂が壊れたような心地がした。どこまでも中途半端で、どこまでも無様に生きた結果がこれだと。自業自得の果てに罰を受けたのだと。お前は獣として生きるのだと。そう、神様に言われたような気がした。 けれど……都喜は、どうしようもなく愚かで、往生際が悪く、中途半端だった。 獣として生きたくない、こんなことはしたくない、母を見捨ててはいけないと、壊れた魂の中から理性と善性をかき集めて、表向きは今までと変わらずに振舞った。賭場に通い、御用聞きのようなことをして、何でも屋として働いて。金をせっせと稼いでは、何でも無いように笑いながら腹が減ったと能天気に笑った。 けれどその裏で、残った善性を自分で粉々に砕くかのように、人を殺し食らう獣性を定期的に暴れさせる。毎月偶数週の月曜日、地上へ向かう日。この日だけ、自分の中の虎を解き放った。地上に戻って辛いから。壊れた母を見たのが悲しいから。先の見えない人生が怖いから。そんな言い訳を理由にして。事が終わった血溜まりの中で、後悔すると知りながら。 誰にも心を許し切れずに。誰にも自分のことを話せずに。何もしないくせに。彼は今日も、助けてと叫びながら人を食い殺している。
※
歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました
(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
↑ページ上部へ
エラーメッセージ
「クトゥルフ神話TRPG」は
ケイオシアム社
の著作物です。
クトゥルフ神話TRPG