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「ーーあなた、処刑人なのに正義感が強いのね」 「そうだとも。正義失くしてこの仕事は為せぬ」 -新生　ジャンヌの猟犬-　HO4『処刑人』 あなたは処刑人だ、今日も罪人の首を刎ね、その命を刈ることだろう。 街では何やら物騒な出来事が多いが、関係ない。国が選んだ罪人の首を今日も刎ねるだけだ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 流水のように揺蕩う、真夏に実った小麦のような黄金の髪。 かのラピスラズリを彷彿とさせる深い蒼を湛えた、精巧な硝子のような瞳。 街を歩けば『女性』と評されるであろう容姿を持つその『青年』の名前は Giselle=Durand《ジゼル=デュラン》。 1453年のフランスを闊歩し、罪ありし者へ刑を執行するもの。 『処刑人ジゼル』と呼ばれる人物である。 一見すれば儚げな女性であり、顔に傷はあるもののそう悪い見た目ではないため、特に男性に話しかけられることが多い。 しかし話してみれば男性であること、そして彼が処刑人であることから、彼と二度以上話す人間というのは非常に限られてくるだろう。 社会最底辺の存在とされる処刑人であるが、報酬はしっかりと受け取っている為生活に不自由はしていない。 一般の学校に通えない処刑人であるため、処刑人のための学校に通い高水準の教育を受けている。 自らの仕事に対しては「正義のための仕事である」と考えており、罪を犯した者に対しては情や容赦なく刃を振るう。 死刑執行法としては主に斬首刑を行う。急な職務にも対応できるよう常に両刃の処刑用大剣を持ち歩いている。 一体いつから処刑人としての腕を磨いているのか、処刑は手慣れたものでありすぐに片が付く。 人物としては、明朗快活であり物分かりがいい。 弱き者には施しを授けるなど、自身が少しでも社会に対して貢献できるよう懸命に努めている様子が見て取れる。 また、男性に言い寄られることが多いためそちらの対応は万全であるが、女性に対して話しかけられると弱い一面もある。 処刑人としての仕事には多少なりとも誇りを持っているよう。社会的立場上表立って「良い仕事」と言うことはないが、 それでも必要な仕事だと考えており職務に対しては真っ当に取り組んでいる。 ……表向きには。 本来の彼は、自らの処刑人としての仕事を嫌っている。 その為、処刑の仕事が入る際は酒を飲んで無理やり寝るようにしている。 ジゼルがそれでも尚仕事を続けるのには、当然ある理由がある。 彼は、かつて孤児だった。 食べる物も寝る家もなく、周囲には彼を女性だと思って不浄の行為を働こうとする男ばかり。 常に路頭に迷い苦しんでいた。 とある雨の日。何日も何も食べておらず、体力も気力も限界。死は目前に迫っていた。 そんな彼に声をかけ、助けてくれた少女がいた。 「大丈夫！？ あなたボロボロじゃない……！ ダメよ、死んじゃダメだからね！！」 びしょびしょになりながらもジゼルを背負い、必死に引きずるようにして家まで連れていってくれた少女。 一命を取り留め、少女の家族に介抱されるジゼル。家族も女性だと思って介抱していたのだが、最中で男性だと気づかれる。 だがそれでも、家族は心優しくあなたを温め、温かいスープを飲ませてベッドで眠らせてくれるのだった。 「……男の子だと思わなくて、びっくりしたわ。でも、困っている人に性別なんて関係ないものね。 何も出せるものがなくてごめんなさい、ベッドも狭くて……。私と練るのが嫌なら、私は床で……って、だ、大丈夫！？ ……泣いてる、の？ どこか苦しいの……？」 初めて触れる人のやさしさに、ジゼルは涙が止まらなかった。 これが、ジゼルとオデットの最初の出会いだった。 以下秘匿原文 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 処刑人である貴方には忘れられない約束がある。 貴方は昔孤児であった。路頭に迷い苦しんでいるときに一人の少女に助けられた。 少女は家へあなたを連れていき、少女の家族に介抱され貴方は一命をとりとめた。 「行くところがなければここにいるといい」と少女は言い、家でお世話になることにした。 しばらくは幸せな気持ちで過ごしていたある日、恩人の家に教会の騎士が押し入り謂れのない罪を告げ次々に家のものを殺害し、 貴方と少女は森へ逃げた。 森でしばらく暮していたが見つかってしまい、少女は逃げる途中、自分を逃がすため捕まり行方は知れず。また自分も後から捕まった。 生きるか死ぬかの選択を強いられ、そして生きる道を選んだ自分は『処刑人』の役割を言い渡される。 最初の死刑執行の対象は───貴方の 恩人の家主であった。 こうして、謂れのない罪によって恩人は処刑された。 ────いや、自分が、殺した。恩人の首をこの手ではねたのだ 処刑の瞬間に恩人は「娘を助けてほしい、頼む」と最後に貴方にだけ聞こえるようにそう告げて、貴方は恩人の首をはねた。 罪のない恩人は裁かれ、恩人を殺した自分は称賛される。 間違っているのはこの国と民衆なのではないだろうか?あなたは疑問を抱えている。 あなたの目的は 『恩人を探し出し救出する』『恩人の無実を証明する』 ことである。 『ニコラ・ローゼンハイム』 貴方の恩人の一人。貴方を拾ってくれたオデットの父親。人格者であり、領主としてみんなにやさしく慕われていた。 貴方が仕事で最初に首をはねた人である。 -------------- 『オデット・ローゼンハイム』 貴方を拾ってくれた恩人でお嬢さん。かわいい女の子で貴方は彼女の遊び相手として遊んでいた。 事件が起こるまでは毎日楽しく一緒に遊んでいたことだろう。

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