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HO2『花』 心臓から花が生えている。花が巣食っているのは主に心臓の近い左側で、首筋から左手の先にかけて蔦が絡まっている。花は彼女の身体に深く絡みついており、花の一部が彼女の神経と癒着してしまっているため花に何かしらが触れると彼女にもその感覚が伝わる。そのため花が強引に抜かれるような事があれば、非常に強い痛みが彼女を襲うだろう。彼女と神経を繋いでいるとは言っても、花に害を与えようとした際に宿主である彼女にもダメージが加わるだけで、花の蔦を使った情報収集などの有益になる行動には使う事が出来ない。仮に神経と繋がっている部分の蔦を使用した場合は神経を直接体外に引っ張り出しているようなもので、風が吹いたり、何かに触れるだけで激痛が走る。出来るだけ痛みを軽減するために服の擦れを考慮した結果、左腕は服で覆わないスタイルになった。 花と彼女の身体が共生関係にあるのは互いに大きな影響を及ぼしており、花は彼女の心臓から直接必要な栄養素や水分を摂っているため、花の道管にはヘモグロビンを構成する赤色色素のヘムが混じって赤色の液体になっている(血ではない)。身体の中の栄養素は種類によって優先して運ばれる側が違い、花に多く取られていると思われる側の栄養素は多く摂る事を意識している。 まだ学校に通っていた時、神経との癒着は今程ではなかった。その当時は身体から花が生えているだけで、花と彼女は全く別の存在だった。花が服に触れていても何も感じず、服の中で散って汚さないように予め引きちぎっているくらいだった。そんな中ある年の文化祭、クラスの演劇で舞台装置として最後に花吹雪を降らせたいと頼まれる。クラスメイトは折角居るのだからと姫香の花を使う事を提案し、姫香はそれを承諾した。大事な舞台の最期を自分が飾るのだという優越感と、これをきっかけにクラスに馴染めるのではないかという淡い期待が彼女にはあった。しかし、そんな希望は花と共に散ってしまった。クラスメイトが仲良く話しながらがやがやと準備を進める中、姫香は自分に生えた花を誰も居ない教室で一人ちぎっては貯めていた。これは最後の強いインパクトを残すためだから、他のクラスにいる生徒が頻繁に訪れる教室でやるには相応しくないのだと言いくるめられて。自分の孤独に反応するかのように次々と花を咲かせる左手の蔦をむしっていると、そのうち血が流れるようになった。血が流れるのに付随して段々と痛みが存在感を増していく。そうまでして尽くした姫香に与えられたのは、演劇の最期、体育館中に響く悲鳴だけだった。 一人称：私 性格：過去の出来事のせいでひねくれ気味だが、人に優しくされるとつい嬉しくなってしまう。後悔して反省し、もうこうはならないと決意してもいざその場面になると同じ事を繰り返しがち。 好きなもの：蝶、小鳥(じっと日光浴等をしていると寄って来る事がある) 嫌いなもの：辛いもの HO2 『　花　』　症状 心臓に根をはり血管から花を咲かせている 美しい花：君の心臓には花の根が巣食っている。 血管を巡り、皮膚を突き破って花が咲いた。美しい君を飾る花。隠し通していたが、ついには隠せないほどに育ってしまった。 性格：この美しい花は君にとって呪いのようで、コンプレックスだ。この花の所為で人々に迫害されて、独りぼっち。たった一度だけ「綺麗だ」と言われた思い出だけが、唯一の救いになっていた。 病気：重い病らしく、治療を受ける事が出来るのは18歳からであり、君はそれまでの間このサナトリウムで過ごすことになるらしい。 備考：君は生きているものに対して、自分から触れることに強い抵抗感がある。その理由は幼い頃の出来事によって記憶は固く閉ざされているようだ。 APPに関わらず見た目は麗しい子供だ。APPが低い場合、迫害等によって心が荒んでいるのだろう。

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