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3-3 飛ばし屋 操縦50% 5-9 ど根性 対抗ロール+5% 一人称 おれ 引き取られる前は小黒 星利(おぐろ しょうり) *☼*―――――*☼*――――― 自分の1番幼い頃の記憶は、孤児院の子供が目の前で泣きじゃくっている光景だ。恐らく力も強く身体も大きい自分が怪我を負わせてしまったのだろうが、平等に優しかった孤児院の先生は困ったように笑うだけだった。 腫れ物に触るように自分に接する先生は気味が悪くて、大人が居ないところで地味な嫌がらせをしてくる子供たちも理解が出来なくて。星利は大人しくて無口な子供に育っていった。 誰にも期待が出来なくなったとある頃。 今の家族である新明の両親が星利を引き取ることとなる。同年代の友達というものが居なかった星利にとって、新しい家と歳の近い兄は特別だった。世界が一気に広がった気がした。手を引いて外へ連れ出してくれた兄は、まるで幼い頃に夢見たヒーローだと思った。 恋か妄執か執着か、自分が兄に向ける感情がどんなものなのかは分からない。 ただ1つ、彼のことは特別で、自分にとってかけがえのない存在であることだけが確かだった。 彼が宇宙に行ってしまうと分かったのは、星利の世界も広がり、笑顔が増えてきた頃だった。 *☼*―――――*☼*――――― 同じ道に進みたいと勉強を始めてみたが、宇宙に行けるレベルの知識を身につけるには時間がかかる。法律を勉強して、トレーニングも積んで、無重力に慣れるために水泳を初めて……と、そうこうしている間にも月日は流れていく。 大学にも行かせてもらったのだから、就職しないで宇宙飛行士を目指すと言えば勿論両親に負担がかかる。兄と同じ道をしぶしぶ諦めて、今持っているスキルで警察への道を志願した。 宇宙へ旅立ってしまう兄へ妄執を拗らせながら専門学校へ通う。不純な動機だが体力や力だけはある。そのまま新米海上保安官へスルスル上がっていき、いつの間にか今後のキャリアまで決まってしまっていた。 早く兄に会いたい。 中々帰ってこない彼を夢に見るほど、星利は常に彼の姿を待ち望んでいる。 *☼*―――――*☼*――――― 【星麓にみたはて】(2023-04-22) 兄の1番はおれだし、おれの1番は兄だし。 ちょっと仲良くなったからって調子に乗るな、馬鹿野郎！

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