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ユーグ・バロウズ(個別導入時点)/23歳/美術家 「金が欲しい。……あの人らに返すための、金が」 売れない美術家。自分の作品を売り、金にするために活動している。 ユーグ・バロウズという名前は本名ではない。彼は自身の本名も、誕生日も、両親の顔も知らない。 彼は孤児だった。物心ついた時には誕生日にプレゼントももらえないほど貧しい孤児院で静かに過ごしていた。自身を示すものが何もなかった彼は「知性」という意を表すヒューゴという名で呼ばれ、拾われた日を誕生日とされ、全く身に覚えのない冬の日に張り出される「おめでとう、ヒューゴ」という言葉を他人事のように眺めていた。 ある日そんな彼の元に資産家が訪れる。静かに1人、絵を描いていた彼を見た男は、何も聞かず彼を養子に迎えると告げた。 ずっと描いていた絵を認めてくれた、はじめての理解者であった。 彼は少年に名を聞き、少年は首を振った。見かねた施設の者が伝えると、男は少し考えてから「ユーグと呼んでいいかい？ ヒューゴとそう変わらない。魂、心という意味だ」と言った。顔を上げた少年に男は続ける。「君の絵からはそういったものを感じたからね。どうかな？」 8歳の誕生日、彼は「ユーグ・バロウズ」という名をもらった。 裕福なバロウズ家に引き取られたユーグは何の不自由もなく絵の勉強をすることができた。義理の姉も優しく接してくれ、幸せな日々を過ごした。 理解者であり、保護者となった男とその家族に深い恩を受けたユーグは、美術大学を卒業後、これ以上世話になり続ける訳にはいかない、と決意する。 荷物をまとめ、手紙を残して家を出た彼に待っていたのは、孤児院にいた頃よりも酷い生活だった。 作品が売れない。売れないから他の手段で金を集めねばならない。絵を描く時間が取れない。作品のクオリティが上がらない。 本当の両親から残された中途半端な才能と、恩人からもらった名前だけを抱え、今日もうだつの上がらない日々を過ごしている。 -作品について 決して人物画は書かない。風景画を得意としている。 誕生日:10/10

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