タグ： 夕@クトゥルフ

親に捨てられた経歴を持つ。 妹と共に施設へと入れられたがその施設が人身売買を目的とした施設だということに気付き、妹を連れて脱走。 以降、ストリートチルドレンとして生活を始めた。 妹を養うために、それこそなんでもやってきた。 残飯を漁り、物乞いをし、死体を漁り、窃盗を侵し、人も殺めてきた。 妹さえいればいい。 妹さえ幸せになれればいい。 その一心で彼女は手を汚してきた。 幸い彼女は優秀だった――否、優秀過ぎたのだ。 そしてある日、苦労の末に一つの家名を手に入れた。 ランカスター。 それが彼女と妹が持つことになった新しいものだった。 ストリートチルドレンをやっていれば情報を集めるのもそれほど苦ではない。 ジャーナリストや探偵の真似事をし金を貯め、人を揺すり、一つの家を奪い取った。 ――私たちだけの家ができた。 それを早く教えてあげたくて、彼女は妹の元へと急いだ。 しかし、帰ると妹が倒れていた。 急ぎ病院へと連れて行ったが、「お姉ちゃん、ありがとう」という言葉を最後にこの世を去ってしまった。 何故こんなことになったのか。 頭の中が真っ白になり、嘆き叫ぶ直前に足を銃弾が突き抜けた。 痛みで正気に戻ると嵐のような銃弾が降り注いできた。 ランカスター家の元当主の仕業だった。 彼は彼の落ち度で家を失ったが、アンもアン自身の落ち度で襲撃を受けたのだ。 そこにそれ以上のものは何もない。 ただ互いに不幸が降りかかったのは、その銃弾たちが彼女の妹の亡骸に降り注いだのだ。 その姿を見てからの記憶はすっぽりと抜け落ちている。 気付いた時には周囲にはどうすればこうなるのかという程の人だったものが転がっていて、彼女自身も赤黒く染まっていた。 もう妹もいない。生きる意味もない。 けど目を閉じればそこにいる。 お姉ちゃんと笑いかけてくれる妹がいる。 それだけで充分だった。 ――今自分もそっちに行くね そんな現場に現れとある人物が彼女を保護し、説得し、現世へ繋ぎ止めた。 失ったものは走り抜けるだけの脚力と、綺麗だった金髪と、彼女の妹だけ。 それ以来、彼女は自分たちのような人間を増やさない為に孤児院を自ら作ることを決意し、自身の能力を活かし、新聞社へと就職。 他の事を顧みず、ただその目的の為だけにその命を使う。 それこそが妹への贖罪になると信じて。 シナリオ：殺人姫 妹、クレアと瓜二つの少女と出会う。

※歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
↑ページ上部へ