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｢私がこうしていられるのは皆様のお陰ですわ。私にできることであれば何でも仰ってくださいね。｣ ｢お？俺と勝負するか？いーねえ、受けて立つよ。｣ ｢アンタすげぇな！こんなに強いなんて！｣ ｢俺はヒーローってもんが大嫌いなんだ。理由？手前勝手に他人を救う偽善野郎にしか思えねえからさ。｣ ｢(モブに絡まれ)キッ、キキキキキス！？！？そんな破廉恥なことできる訳ないだろっっっ！！！！//｣ 一人称：私(わたくし)/俺 二人称：貴方、〇〇さん/アンタ、呼び捨て 由緒正しい名家の生まれで、容姿端麗・品行方正で成績優秀な優等生。 夜想学園の生徒会役員でもある。 お淑やかで誰にでも優しく、優秀さを鼻にかけるようなこともないため多くの人から好かれている。 世間からは『か弱く虫も殺せぬような”お嬢様”で、休日は紅茶を飲みながら書斎で本を読んでいる』といったイメージを持たれているが、実際は無類の骨董銃マニアであり、ゲームセンターでガンシューティングゲームの常連である。 ゲームセンターで交流を持った人物にはハンドルネームの”カノン”と名乗っており、変装をして周りにはバレないように通っている。 ”カノン”でいる時は自身を俺と呼び、口調も服装も普段とは全くの別人として行動している。 変装のウデはプロ級であり、それはいかに『花御堂 音巴』だとバレないようにと行動した結果の賜物である。 変装した姿は強気で男勝りで堂々としているように見えるが、実はかなりのウブで純情な乙女である。そのため、その手の話題を振ると顔を真っ赤にしてひどく動揺する。 恋愛に関しても素人であるが、幼少期に家同士の付き合いで出会ったとある男の子に恋をし、今でもその想いを忘れられないでいる。 結局その男の子とは家の繋がりが切れてしまいそれっきりとなってしまったが、いつか再び会いたいと心から思っている。 ◇◇◇◇◇ 幼少期は行動的でやんちゃなお嬢様であり、それを隠すようなこともしなかった。 だが、ある時父が死んだのをきっかけに『母を安心させたい』『自身が母と家を守るのだ』という強い想いから、”しっかりしなくては”と考えた結果、大人のように行動するようになった。 その結果、周りの人々に”優秀だ”と持て囃さるようになり、生来の優しさと真面目な性格から、いつの間にか周りの期待を裏切ってはいけない、という想いが芽生えてしまっていた。 今では、皆が求める”完璧な存在”として振舞っている。 全ては心優しく真面目な性格故である。 文武両道の天才といわれているが、かなりの努力家で実際は裏で相当努力をしている。 だが、それらをストレスや苦だと思っているわけではなく、本人も演技をしているつもりはないため、どちらが本性という訳ではなくどの姿も彼女の側面である。 ちなみにゲーセンに通っているのは気分転換と銃とシューティングゲームが好きだからである。 そして、噂と外聞の印象から”大人しくてお淑やかなお嬢様”というイメージが持たれてしまっている。 だが、気付かれていないだけで実際は単純な性格である。 ただ、ひとつだけ『花御堂 音巴』として嘘をつき、偽っている事柄があった。 それは『ヒーローに対しての感情』である。 彼女は当主の娘である母、元ヒーローである父の元に生まれた。 とても幸せで愛に満ちた家庭であったが、ヒーローであった父は忙しく、幼い頃から家を留守にすることが多かった。 共に遊べず過ごせないのは寂しかったものの、人を助ける正義のヒーローである父のことが誇りであり、憧れでもあり、大好きだった。 だが、それは唐突だった。 ある時、父は任務中に死んでしまったのだ。 無垢な少女を救って死んだのではない。 性悪なヴィランに撃ち負け残虐に殺された訳でもない。 ”ヴィランを庇って”死んだのだ。 とあるヴィランが仲間であったヴィランを殺そうとし、それを身を呈して庇ったようであった。 理解ができなかった。いや、理解はできた。父は”人として優しすぎたのだ”と。 だが、それは優しさではなかった。大切な家族である母と自分を残して、全くの他人、それもヴィランを救って死んでしまったのだから。 大好きだったからこそ、大切だったからこそ、悲しみの感情は恨みへと変わった。 母は愛していた夫を亡くし憔悴した。その母をみて、父を恨んだ。ヴィランを恨んだ。 今までの父への憧れ、正義のヒーローという存在への想いは、かき乱され全てひっくり返されてしまった。 父の行動はひとりの人間の命を救ったかもしれない。 だがそれは、ただの独りよがりの偽善としか思えなかった。 幸せだった家庭は、父の死によって壊れてしまったのだから。 人々が知る『花御堂 音巴』は、ヒーローを尊敬し、故人である元ヒーローの父の行動も悲しみはしているが受け入れている。 何故なら『花御堂 音巴』は誰かを恨んだりなどしない”心優しい”人間だからだ。 だが、彼女はヒーローもヴィランも大嫌いだった。 手前勝手に他人を救う”偽善だらけの”正義のヒーローも、自分の欲望の為に悪事を働くヴィランも。 どちらも、彼女にとっては同じ”受け入れ難い”存在であった。

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