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翻訳家。実家は代々日本舞踊を継いでおり、跡継ぎにと舞踊を叩き込まれている。そのため家族は日本の文化を大事にしすぎるあまり、海外への理解がなかった。また、古風な考えがはびこっており、『男尊女卑』『男は仕事、女は家庭』『女は男の前に出てはならず一歩下がる』などが当たり前の価値観で育ってきていた。そのことに疑問を感じつつ暮らしていたが、ある日家庭と決定的な亀裂が入ってしまうことになる。 昔読んだ英語の童話の翻訳の本が好きになり、世界の物語を読むうちに、いつか海外にでてみたいと翻訳家になるという決心をする。しかし両親に大反対を受けた。その時、両親は日本の文化にとらわれるあまり、外国人のことを差別的にみていることを知ってしまう。自分の家にとらわれるのが嫌で、親と口論になった結果家を飛び出した先でワイアットにぶつかってしまう。ワイアットは日本に来たばかりなのか、道に迷っているようだった。翻訳家になるために勉強していた紅葉は、日常会話なら英語で話せていたため、ワイアットにぶつかってしまったお詫びに道案内などをする。 そこから知り合いになり、くれははいつしかワイアットに恋をしてしまう。しかし彼は女性を大切にしすぎるあまり、恋愛の対象として見てくれなかった。 そんなある日、とうとう親とのけんかで家を飛び出してしまったくれはは、頼れる人の中からワイアットを選び、連絡を取ろうとする。偶然にも携帯番号は交換しており、一縷の望みをかけて電話をする。 数コールあと、彼が電話に出てくれる。泣き崩れながら、彼に助けを求めた。 彼と会い、家のことをすべて話した後に「私を家から解放させてほしい」と懇願する。 彼は戸惑っていた。くれはは必死に頼む。 彼は「かくまうだけなら」と了承してくれる。そして月日は流れる。 くれはは戸籍上からも家族と縁を切りたいと思うが、ワイアットが了承するはずがないと思っていた。 しかし、ワイアットは了承する。そして二人は結ばれたのだ。 ワイアットの意図はわからない。それでも、彼女はワイアットとともに人生を歩むのだった。

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