タグ： ようこそ！迷冥市役所都市伝説課へ！

自分という存在はよくわからないが、愛情表現が下手な人間なのだろう。 都市伝説課職員として勤務してから日は長いが、ツラを合わせる度に怖がられてるような自覚はある。 きさらぎさんにはよくしてもらっている。名前も与えていただいた。結構気に入っている。 私は頭が悪いし、手先も器用ではないけど、体力と丈夫な身体だけは自信がある。 弓矢は下手だがあるに越したことはないので常備している。 過去のことはよく覚えていない。覚えているのは痛かったこと。 一人で生きてきた。雨が痛かった。空腹が痛かった。野犬の牙が痛かった。 でもこの痛みのおかげで私は強くなったんだと思う。 アイツに出会ったときは驚いた。 私と同じような痛みを受けていた。なのにアイツは酷く弱く見えた。 今にも死にそうな、そんな瀬戸際にいる。 どうにかしようと思ったが、アイツは私みたいに強くなれなかった。 私は手を差し伸べてくれる人がいたから生きている。 生きていて欲しかった。 私はまた驚いた。 アイツが生き返った。 差し伸べた手はちゃんと届いたのだ。 今度はもう、二度と死なせない。 END5　甲を晄という名に改名

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