タグ： 案山子ダブクロ

　時計の形をしたレネゲイドビーイング。本体はレネゲイドウィルスに感染した黒い宝石だが、自身を覆う時計としての体もまた自身の一部となっている。5カラット。 　普段は時計の姿だが、ヒューマンズネイバー時には少女の姿を取る。 　遥か昔に起きたオーヴァード同士の大戦。泥沼となっていく戦況の中、一人の研究者によって生み出された兵器『賢者の石』シリーズの一。時間を操り支援妨害を行うことを目的として開発された。 　現在は時計に埋め込まれているものの、大戦時には剥き身の宝石の姿で指輪に嵌め込まれて戦場へと臨んでいた。大戦が終わるとともに不要とされ、強制的に休眠状態に。同シリーズのリーダー各であったレネゲイドビーイングは遺跡に封印され、他の仲間たちも散り散りとなった。そんな中で彼女は様々な人々の手に渡った後、とある富豪の元、盗難を危惧され何の変哲もない時計の奥深くへと隠される。 　その後、富豪は没落。売り払われていく資産の中に彼女の埋め込まれた時計も有った。捨て値同然で売り払われていく資産、何の価値も無いとされた時計は廻り廻って日本のとある市へと辿り着く。 　そうしてとある骨董品屋。その隅に置かれ、安価で売られる日々。そんな中で一人の男性が、彼女の埋め込まれた古時計を甚く気に入り購入する。その男こそ春日恭二である。 　或る任務でその市を訪れていた春日。潜入先、仮のアジト、一時の我が家。UGNとの戦闘の合間、毎日毎日時計を磨き、大切に扱う春日。その一時は彼にとっての数少ない安息の時間だった。 　そんなある日。彼は自身のアジトがUGNエージェントに包囲されていることに気付く。後を着けられたか。しかし、焦燥の中で彼が聞いたUGNエージェントの言葉は耳を疑うものだった。 「まさか既に目標の品を手にしていたとはな！　春日恭二！」 　そう。彼の任務は或るRBの強奪。遥か昔に作られたという宝石型のレネゲイド兵器……それをUGNより先に奪取し、FHへと取り込むこと。身に覚えの無い春日。そんな中で雪崩れ込むUGNエージェント。彼らの目が向かう先は、そう。彼女が眠る時計であった。 　彼は理解する。彼の捜し求めていたRBは、その時計の中に埋め込まれていることを。 　必死に時計を守る春日。しかし、激戦の末に逃亡を余儀なくされる。彼女を埋め込んだ時計はUGNへと渡り、意識は完全に覚醒。UGNとは何か、FHとは何か。それを全て聴いた上で彼女はUGNの側についた。 　しかし。春日と過ごす生活の中、彼女の意識は朧ながらも覚醒していた。彼女の記憶に残るのは、自身を大切に扱う春日の姿。彼女は春日を完全な悪人であるとは思えなかった。UGNから出された春日恭二討伐の任務に自ら志願し、彼の悪行を止めると共に、彼の真意を聞きたいと願うのであった。

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