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子ども好きな神父。孤児院に毎日顔を出しては子どもたちと話をし遊ぶ時間を楽しみにしている。その時間が彼にとって何より心安らぐものだ。 それというのも、彼の任務が人には言えないものであるからだ。 唯一神イエス以外の神話的事象に振れる秘密裏の職務。大いなるそして邪な力をもつAFの保管。バチカンからの使命とは言え、心労は絶えない。神への祈りと精進を続けているだけでは埋められない穴がパールにはあった。 神からの使命でも埋まらない穴。それは己が出生にまつわる謎である。産業革命の絶頂期を迎えるイギリスは経済成長と共に貧富の格差もまた広がっている。孤児など珍しくもない。食い扶持が増えた両親が育てられず孤児院の前に置いて行ったのだろうと、幼少期に孤児院に来た経緯を聞かされた時から考えている。 だが、何も覚えていない赤子の頃なのに一点だけ覚えていることが妙に引っかかる。血のように赤い紅の瞳。 彼（彼女？）にもう一度会いたいと願う心が何年も何十年も穴となっている。 孤児院の子どもと遊ぶ一時だけ忘れられる感覚。それはやはり自分は親が恋しいからなのだろうかとそう自己分析をしている。 彼の人に会う時伝えたい、と心に秘めている言葉をつぶやきパールは夜空を見上げる。そこには月が、浮かんでいる。 彼が孤児院に来た時も同じように真白な真珠のような月が浮かんでいたという。彼の名前はその月から贈られたものだと話してくれた。 そしてファミリーネームのホーネストも孤児院の院長がつけてくれた。「誠実、正しい」という意味だ。パールはその通りの人間になろうと日々の祈りと感謝を忘れない。 けれども、本当のファミリーネームがあるのなら……という思いがぬぐえないのもまだ事実である。 しかし職務と神父である時はその思いは胸の奥底に。穏やかに、まるで百合が開くような慈愛の微笑みを浮かべる。 彼の言葉を聞くためにミサに来る街の人もいる。心が穏やかになるそうだ。 神話的事象の怪異を相手どる時はその瞳の色がにじみ出たような冷ややかな目線である。しかし分かり合えない事を悲しくも思っている。表情を無くした彼は凍るような美貌を放つ。怪異が最後に見た景色となるだろう。 「天におられる私達の父よ、御名が聖とされますように。 御国が来ますように。御心が天に行われるとおり地にも行われますように。 私達の罪をおゆるしください。 私達も人をゆるします。 私達を誘惑に陥らせず、悪からお救いください。」 「私の前にいる哀れな異教の者を、物をお救い下さい」 「誠実に……正しく生きることが私の使命なのです。さすればいつか願いも叶います」 好きなものは、静かな月夜と子どもの笑った顔。そして百合の時期食べるチェリーパイ。 一人称：私　二人称：貴方、誰に対しても苗字＋～さん、　子供や親しい友人にはファーストネーム 敬語をくずさない。 第二章『悲劇再演のQuadrantids』　—吸血鬼 × 神父—　KPしらとり　HO吸血鬼：ちろる（シーヴァ・ルヴァーニ） 「叶わない夢。崩れ去った祈り全ては既に綴られた悲劇にしか過ぎない。 それでも、●●が隣に居てくれるのなら。」 ▷推奨技能…<目星>、<聞き耳>、<戦闘系技能> ▷準推奨技能…<図書館>、<オカルト>、<交渉系技能> ▷舞台…1870年代/イギリス/1月 ▷所要時間…5時間(ボイスセッション) 個別内容 ■探索者作成ルール 　ステータスは第一章からの引き継ぎとする。 技能ポイントに関しては以下の職業「聖職者 ( 祓魔師 )」を元に振り直すこと。 ■「聖職者 ( 祓魔師 )」 〈ナイフ〉、〈拳銃〉、〈信用〉、〈図書館〉、〈精神分析〉〈オカルト〉、〈心理学〉、〈歴史〉 また、所持品として以下の二品をシナリオ開始時から所持している。 ⑴「儀式用の純銀ダガー」 ダメージ：1d4+2+db。耐久力は 15。《空鬼の召喚》を詠唱する場合 10 ポイント分の POW として代用可能。 ⑵「45 口径洗礼済みリボルバー」 ダメージ：1d10+2。 人外の存在に対してはダメージを 2d6+2 として扱う。 装弾数は 5 発。耐久力は 10。故障ナンバーは 96 魔術師としては以下の呪文を習得している。 ⑴《肉体の保護》 (『クトゥルフ神話 TRPG ルールブック』P.275) ⑵《幽体の剃刀》(P.290) ⑶《空鬼の召喚 / 従属》(P.282) ①自身について ─貴方はロンドンの「聖母リリウム教会」の神父であり、またバチカン直属の抗神組織である「聖ジェロームの剣騎士団」に所属している。 　「聖ジェロームの剣騎士団」とはイエズス会のメンバーを中心としたキリスト教系の抗神組織であり、教義に反する神話的事象の解決、神話生物の排除や、アーティファクトの蒐集を主として行っている。 　貴方は騎士団に属する悪魔祓い ( エクソシスト ) として、幾つかの呪文を習得している。 ■聖母リリウム教会について 　シティ・オブ・ロンドンの中心地帯、スクエア・マイルにあるカトリック系の教会。 　元々は大通りから少し離れた丘にあったが、10 年程前に移転され、今は同じ管轄の孤児院に隣接する形で再建された。丘にあった頃は名前の通り、夏前になると白百合が咲き誇る教会であり、美しい百合畑としてロンドンでも有名だった。 現在は都心部にある為百合畑までは移設出来なかった様で、代わりに白百合のステンドグラスがトレードマークとなっている。 ②出生について ─貴方は教会の脇に設けられた孤児院の出身であり、自身の出生について詳しく知らない。 　まだ赤ん坊であった頃、名も名乗らぬ誰かが孤児院に託したのだと聞いている。 　その誰かについて顔も名前も覚えていないが、ただ血の様に紅い瞳であったことだけ記憶している。 　どの様な人物であったかは分からないものの、いつかその人物と再び巡り会う事を望んでいる事だろう。 ③象限儀について ─最近、バチカンからの密命によってアーティファクト「ヨグ＝ソトースの象限儀」を一時的に保管しており、その管理を任されている。 　「ヨグ＝ソトースの象限儀」について詳細は秘匿されているが、「時間を巻き戻す」代物だと聞き及んでいる。 使い方を誤れば取り返しのつかない事象を引き起こすアーティファクトであるため、厳重な管理を心掛けている。

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