タグ： 脱獄は乙女の嗜み HO3

一見、清楚なお嬢様然とした少女 立ち居振る舞いもそれに相応しく、誰にでも分け隔てなく優しい 運動に関しては平凡だが、頭は良く、成績も学年10位圏内から落ちたことは無い と、言うのが彼女、薬袋　癒奈（みない　ゆうな）の評判である 実際には、上記の印象を全て狙って作り出している、計算高く、腹黒い少女 自身の華奢さと、儚げな美貌、そしてそれが大多数の人に好かれる要素であることを理解しており、それに合わせたキャラクターを作り上げることで、他人を手玉に取っている 家族に甘やかされて育ったことを自覚していることから、自身を客観視する能力に優れており、それ故に完璧なセルフプロデュースを行い、虚像のお嬢様を作り上げている と、いうのが彼女の自己認識 彼女自身にすら自覚がないその本性は、超絶ネガティブ自己憐憫自己陶酔クソ女 幼少期から賢かった彼女は、家族が自分を非常に甘やかしていることに気付いていた 家族は勿論、所謂使用人も友人も、彼女を褒めることしかしない 例え失敗したとしても、今日は調子が悪かっただけ、そんな日もある、弘法も筆に誤りだ、といって慰める 実際、彼女は幼い頃から現在まで優秀と言って差し支えない少女である 運動能力は平凡の域を出ないが、学力に関しては抜きん出ていると言っても過言ではない だが、彼女にはその評価が信じられなかった そういった評価も、全ては自身の家族が作り上げたものなのでないか 何せ、自身の家は代々、大病院の院長を務めている家柄であり、各界にも強い繋がりがある 娘の評価を捏造するくらい造作も無いはずだ そうした思い込みの結果、彼女の自己評価は地の底を突き抜けて下がっていき、何事にもネガティブで悲観的で、全てを諦観するようになった そんな自分を可哀相だと思い、慰め、それに浸っているだけで何もしない つまり、超絶ネガティブ自己憐憫自己陶酔クソ女こそが彼女の本性である 尚、彼女の自己認識は悪女なので、こういった内面は決して表に出てくることはない 自身が悪女であるという仮面（ペルソナ）と本性がこうも乖離してしまったのがいつのことかは不明だが、彼女にとって悪女であるという仮面は既に素顔に癒着しており、刃を用いて血を流さなければ決して外れない物になっている 一般的なメンタルの持ち主なら、とうの昔に破綻して精神を病んでいる所だが、生まれつきなのか中途半端に強いメンタルの持ち主であるせいで、こんな複雑怪奇な精神性が成り立ってしまっている

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