タグ： 花骨のオフィリア

『菫子について』 菫子は気まぐれである。 必ずと言っていいほど時間通りに学校に来ることはなく、授業にも出ない。 彼女は秀才であり、それ故に図書館で本を読むほうがよっぽど有意義と考える。 しかし部活動には精を出しており、彼女は文芸部に所属している。 彼女は『死』に対する物語しか書かない。それは興味かそれともあるいは憧れか。 秀才で文才である彼女の物語は読んだ者に、後味と気味の悪さを覚えることだろう。 同時に奇妙な美しさを感じるという者もいる。 それは菫子自身がどこか妖艶で、その怪しげな人間性が生み出す錯覚なのかもしれない。 また、菫子の趣味はブラックメタルを聴くことである。 Mayhemのデビューアルバム『De Mysteriis Dom Sathanas』を聴くと気分が高揚し体が熱くなる。 彼女は生粋のサタニズムであり、悪魔がいることを信じている。 悪魔の声を聞いたことがある。そう思い込んでいる彼女は人間性を犠牲に、医学や薬学を身に着ける。 それは何故か。効率よく血を流す方法を知り、自身で試すためである。 また治し方を知ることで、危険な状態になるギリギリを探している。 自身の血を悪魔に捧げ、逆六芒星に零す。悪魔崇拝な彼女はいつまでも支配されている。 かつてMayhemのメンバーの一人は死や死後について興味を持っていた。そして最後は自殺した。 菫子はその体験談を目に入れた時にやはり悪魔はいると信じ、強烈な興奮を覚えた。 神によって閉じ込められた本物の魂を解放することで、真の生への道へ到達できる。 悪魔はそんな束縛的な神を殺し、私達を救ってくれる。本物の神様は悪魔なんだと口にする。 彼女は子供の頃に右目を怪我しており、右目から見える景色は真っ黒である。そのため眼帯をしている。 そのおかげか左目の視力は高く、敏感である。 この右目は悪魔との契約であり、その引き換えに左目の異常な視力を得たと思い込んでいる。 『神奈川　那美（かながわなみ）との関係』 那美とは『花骨のオフィリア（クトゥルフ神話TRPG）』にて一緒に探索を行った。6年前に出会っており、菫子は彼女を殺そうとした経歴がある。再会するまでは記憶の改ざんをされており、彼女のことを覚えていなかった。その時に仲良くなる。 しかし探索を続けるうちに記憶が蘇り、彼女の命を再び狙う。 仲間の声により冷静さを取り戻し、現状を打破することに力を発揮。無事に生還することができた。 那美にけじめのために殺してほしいと頼むものの、彼女は本気のげんこつをすることでそのことをチャラにする。 菫子は彼女への罪滅ぼしのために、力を貸すことにした。高校卒業した後に、那美の仕事を手伝うことを約束している。 『ロールシャッハシンドローム』にてもう一度行動を共にすることになる。 親に優しくされたことのない菫子はその道中で人の暖かみを知る。姉がいたらこのような関係になっていたのかなどそういった考える。結果的に那美にべったりと甘えてみることにする。 何度もループしていくうちに、彼女の苦しむ姿を見て耐えられなくなる。そして気が付く、自分にとって那美は大切な存在だと。それは依存に似た何かかもしれない。悪魔以外のものを大切に思ったのはこれが初めてである。 自分のことはどうだっていい。だから那美だけでも助かってほしい。そう思った菫子は自分の右足が痛むのを隠して、ループを抜ける。 最後は那美を庇うことで、全治5ヵ月の怪我を右足に負う。 「生きて吸うタバコは美味い」。その言葉を忘れていなかった菫子は那美から一本だけもらう。タバコが不味いものと認識した菫子は、那美から子供扱いされる。退院するまでの間に吸えるようになると目標を立てる。 那美には後悔してほしくないと考え、お見舞い来ないでと菫子は言う。 那美が去り際に隠したタバコのことを知っており、那美のことを本当に不器用な人だと彼女の一面を一つ知り眠りにつくことだろう。

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