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大きなお寺の末っ子。 長兄(24)は父と不仲で数年前に家出し、現在はサラリーマン。(個人的に連絡は取っている) 後継ぎに決まった次兄(20)は関西の仏教系大学に進学して勉強中。姉(18)は大学一年生、文学部。 お寺の子としては厳しく、末っ子としては甘やかされて育つ。 父母の手伝いで寺子さんのお相手をするうちに周りに目を配ったり、心の弱った人に寄り添ったり出来るようになった。 物心ついたころから後継問題で不仲だった父と兄の姿を見ていて、「宗教とは？」という疑問を抱く。 それがそのまま「神とは？神秘とは？」という考えに発展し、オカルティズムにのめり込むことになった。 オカルトに対する興味も十二分にあるが、学問の一つとして研究したいという気持ちも抱いている。 関心ががっつりオカルトに傾いているため、成績は趣味と噛み合えば高く、かみ合わなければ低いというジェットコースター人間。全体を平均すると上の下くらい。 脱色してピンクに染めた長髪を三つ編みにし、ピアスをつけている。 何も言わないが自分にも僧侶になってほしそうな視線を向けてくる父への無言の反抗。 瞳の色は母方の曽祖父からの隔世遺伝。 髪と瞳の派手さを損なわないようケアを入念に行っている。 女子とケア用品やファッションの話で盛り上がれる女子力高め男子。 「お小遣い幾らあっても足りないですよね……」 趣味のためはもちろん、機械音痴の父母を手伝って寺のHPを作ったり、兄姉のチケット戦争に駆り出されたり、姉のソシャゲイベント代打をさせられるうちにめきめきコンピューターに詳しくなっていった。 「チケット戦争まではわかるんですけど、ランボのためとはいえ半日休みを潰されるのはちょっと……」 『ムー』を見てくふくふ愉快そうに笑っていることもあれば、図書館から借りてきた高校生では絶対に手が届かないであろう値段の文化人類学系の本を真剣に読んでいることもある。オカルト研究会部員としては真面目な部員。 鞄に入っている徳用袋のお菓子は部活のおやつ用に家の棚から拝借してきた。 育ちゆえか物腰は低く品があり穏やか。仲が良くてもなかなか癖が抜けず敬語で話してしまうが、偶に隙が出る。 オカルト大好きっ子ではあるが、浮いているわけではなく教室でも楽しく会話に参加しているし、勿論流行のゲームも楽しんで遊んでいる。(見た目には品がないし浮かないわけがないが、最初の自己紹介で正直に「僧侶になりたくない意思を父に伝えるために派手にしました。やりすぎたと思ってますが案外気に入っています」と発言した。) ------------------------------------------------------ ・ネームレスカルト(ティンダロスの可能性/熊野 柾)

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