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元ギタリスト………と名乗るのも相応しいか怪しいしがない路上パフォーマー程度のギタリスト。 民家の前で弾けば「うるさい」とものを投げられたこともあり、それを避けることが上手くなった（回避）。 時折友人のバンドに誘われてサポートメンバーとしてライブハウスに立ったりもしていたが、どこかに居つくことはなく、「好きなところで好きなように弾く」をモットーにしてきた。 生活費は基本的にバイトで繋いでいたが、家からの期待も恋人もいなかったことでその自由奔放さは誰かを不幸にすることもなく、一層気楽に生きている。 そんな中、4年前にライブハウスから帰る道中に拾ったタクシーでPEACE・アシュトンに出会う。運転手だった彼に、たまたまカーラジオから聞こえてきたナンバーがお気に入りのもので、たまたまライブが上手くいったことでご機嫌だった為に、いつも以上に気軽かつ好意的に声をかけた。そこで短いながらも会話を交わし、また利用するという実現するかもわからない約束を取り付け、別れることとなった。 そこからしばらく件のライブハウスに通うことが続き、同じような時間にタクシーを拾って帰るとアシュトンの運転するものに当たるという偶然を重ねて、当人としては友人と呼べるまでに関係が深まった。 そして今から3年前に強盗事件をきっかけにアシュトンがタクシー運転手をやめると聞き、それならと旅に出ることを提案した。 愛車はジープ。普通車のドライバーだったアシュトンがジープを乗り回している絵面が何度見ても面白い。 それ以来、ギターを車に積み込んで、彼との旅を続けている。 アシュトン⇒アッシュ 「さぁて、今度はどこに行って何弾こーかね」 以下、SEVEN STARS&PEACE　HO:SEVEN STARS内容あり 客と運転手として出会ったアシュトンと、客以上友人未満のような関係になりつつあった3年前、いつもの時間にタクシーを拾っても彼に会えない日々が続いた。 それを不審に思い、彼の周辺を調べた末に研究所へとたどり着き、彼を助けるに至った。 どうしてそこまで必死に探したのか。理由は何かと問えば、ちょっとの正義感と、非日常への期待感と、そして、彼への友愛が故だった。 けして会話が弾むわけでも口数が多くあったわけでもなかったが、言葉を重ねるたびに彼の臆病さと優しさを併せ持つ内面を知り、積み重ねた時間で見せてくれるようになった色々な表情を好ましいと思っている自分に気がついた時、そこに友愛が芽生えていることを知った。理由はそれだけで十分だったのだろう。 彼の運転が好きで、彼と音楽の趣味が合って、彼の傍にいればいつだって楽しい。旅を続けたい理由もまた、それだけで十分だ。

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