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横浜のとある街で見せしめに処刑されていた大罪人。 二刀を振るい、その戦力は人智を超える。 携えた刀は妖刀〝骸〟所持者を蝕み、殺戮の鬼へと誘う黒き凶刃 そして霊刀〝虚〟斬撃を振るう過程を消去し、その結果のみを顕現させる異能を秘める白刃 これらの二振りを振るい敵を誅戮する 遺産とされる力により彼は魂の半分を囚われ〝鬼〟へと変質させられている。それにより狂気に染まれば染まるほどにその力を増し、より強く悍ましくなっていくのだ。たとえそれが望まぬ力だとしても…… 一夜にして街の人間を皆殺しにし、骸を集め火を放ち焼き尽くしたとして人ならざる悪鬼として死罪となった。 しかし、人間の範疇を超えた治癒力により刀を刺そうと火炙りにしようと死ねず、身体中に刀を刺され首の半ばまで鋸を入れられた状態でやっと死が見えてきた折に英国より来た令嬢に買われ、以来奇妙な旅の同行者となった 事件の真相は大きく異なる。 山間の大きくはない町で質屋兼萬事屋として町人の悩み頼みを請け合うお人好しな青年がいた。 ある夜、黒い霧が町を包んだかと思うと町人達が苦しみ、理性を無くし異業の鬼（ジャーム）と成り果てる事件が起きた。 その最中で、彼は町の者からまだ意識があるうちに殺してくれと請われ、迷いの中で刃を振るったのだ だが、バケモノと化した骸を残しては何の罪もない町の者達は未来永劫鬼として呪われ続ける事となってしまう その為彼は己を鬼とする事を選んだ。狂った鬼が罪なき町の者を鏖殺し、骸さえも貪ったのだと それ故に後世で悪鬼羅刹として謗られようとも構わないと、心優しき悪鬼は生まれた

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