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「大丈夫だよ、くー君、なぁんにも怖くないよっ。」 パタパタと足音を立てて教会内を走り回る彼女は、今日も幼馴染の幽々の怒る声に「はーい」と軽く返して駆け抜ける。掃除、洗濯、料理…上手く出来なくても教祖様のために何でもやる。教祖様のためじゃなきゃこんなことやらない。天真爛漫な明るい笑顔でみんなに「おはよー！！」と挨拶をしていく。けれど、教会の一室、彼女の部屋は年齢にしては幼い風景が広がっている。そこは子供部屋のようで、カラフルなおままごとの玩具、様々なミニチュア、手作りの人形などで作られている。白い部屋に置かれたそれらは箱庭療法のよう。 彼女は幼い頃、家庭内暴力により孤児院へ保護された。だが、保護は一時的なもののようで、両親が適当に謝ればあの地獄へと戻ることになる。それが怖くて嫌だった彼女は1人の子どもに相談した。すると「神様に祈るといい」なんておかしなことを言う。神様なんて居るはずがないと思ったが、縋るものがそれくらいしかなかったので、真似をして祈ることにした。そうすると両親は失踪したと言われた。これであの地獄が訪れることは無いと喜び、それと同時に、彼が神様だと思うようになった。こんなに素敵な願いを叶えてくれた彼に少しでも恩返しをと思い、彼女は彼のために行動する。 家族というものに強い憧れを持っている。生まれ育った家庭環境は最悪でテレビで見るようなのじゃなかった。それのせいか、大人になった今でもおままごとが止められない。一点変わった点があるのすれば、おままごと用の人形たちは綺麗に手作りされているのもあれば、乱暴に裂けられ、再度赤い糸で縫われているものがある。教会メンバーもいるが、大半はここに訪れる相談者たちのよう。そして、裂かれ、再度縫われている人形は加害者たち。殺害した方法と同様に裂き、血を模した赤い糸で縫う。多くの人形は首や心臓辺りに赤い糸が縫われている。彼女はこれを「運命の赤い糸」と呼んでいるよう。 「これであなたも私の家族だね。」 一人称：私/鼓々 二人称：○○くん/ちゃん/さん　教祖様/くー君 好きな物：ホットケーキ、教祖様 嫌いなもの：ピーマン、にんじん 名前の由来：コトリバコ 2024/04/07「鰯と柊」エンド2 おはよう､鰯と柊｡にて終了

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