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【新生 ジャンヌの猟犬】 HO4：処刑人 あなたは処刑人だ、今日も罪人の首をはねその命を刈ることだろう。 街では何やら物騒な出来事が多いが、関係ない。国が選んだ罪人の首を今日もはねるだけだ。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 名前：B 年齢：22歳 性別：男性 身長：170cm 体重：57kg 誕生日：後述 一人称：僕（基本）私（処刑人の仕事時） 二人称：貴方 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 死刑執行人という立場に似つかわしくない柔らかな笑みが特徴的。物腰も柔らかく、どれだけ民衆から賞賛されようと忌避されようと動じることはない。 正式に死刑執行人の職に就いて10年。 仕事に対して非常にストイック。長年の死刑執行により高い技術を身に付けており、最低限の動きと力で命を奪う。罪の否認や抵抗をする罪人には一切容赦しない一方で、懺悔の気持ちが強い者に対しては処刑の瞬間に「安らかに」と囁くこともある。 その剣捌きの正確さゆえ罪人の感じる苦痛も最小限と言われている。 柔らかな笑みを絶やさない彼だが、処刑台を踏んだその瞬間からは温度のない凪いだ表情となる。 潔癖症であり、頻繁に手袋を替えている。罪人が暴れた場合、血液の飛散を防止するためブローの組織により支給されたマスクを着用する。 常備している眼帯を外した姿を見たことのある者はいないらしい。 通称「Bourreau」中でも「Monsieur de Paris」。 名前を聞くと「B」と答える。 本名を聞いても基本的に名乗ることはない。 ▽村と街、王族と教会、及び騎士団について 良くも悪くも頓着がない。 彼には殆ど無関係だからだ。 貧困を中心とした民衆の苦悩など、迷える者は救える者が救えば良いといった思想を持つ。いずれにしても彼は自身の仕事ではないと考えている。 また、神への信仰心については多くの国民と同じように持ち合わせているようで、ローブの下には首から提げたロザリオが見られる。 ▽噂について 病疫：患者は詳細不明のまま隔離という現状に、厄介だと考えている。頓着がないとは言え国民が苦しむことを少なからず良しとはしないらしい。加えて自身の仕事や性質への悪影響も懸念している。 殺人鬼：何やら首都が騒がしい。百年戦争が終止符を打とうとしているこの時に乗じて、国に新たな混沌の種を撒いている存在。騎士団と教会による早期解決を待っている。 ▽ジャンヌ・ダルクについて 祖国を救い、魔女と批難されて尚誇り高き救国の乙女として散った聖人。人々の異端を恐れ忌避する心理に理解を示してはいるが、だからこそ同時にその渦中で強さと美しさを貫いた彼女を人知れず賞賛しているという。 「仰々しい呼称が定着していますが……僕自身、名乗る程の者ではありませんので」 「おや、僕のような者に出来る事など限られているかと思いますが」 「どうか大人しくなさって下さい。暴れると楽には逝けませんよ。」 「人が救いを求めた時…縋る先に宿るのが神なのだとすれば、神を神たらしめるのは人とも言えるのかもしれませんね。……ああ、勿論信仰していますとも。我々の主を」 ▼以下秘匿内容あり 名を「Benedict」──「祝福された」の意。※ ニコラ・ローゼンハイムに名付けられた。以降本名を捨て、ベネディクトとして生きている。 貧困により、口減らしの為母親に殺されかけた所を逃げ出し、孤児となった。それ以来“死”に対する恐怖心が極端に強くなる。 自身の目に映る実の親が化け物になってしまったこと。年端もいかない年齢で天涯孤独となったこと。生存本能とは裏腹に動かなくなっていく身体。それら全てが心を蝕むと共に、兎にも角にも迫り来る死が怖くなり無我夢中で路頭を駆けた。 体力の限界を迎えて数日間生死を彷徨った末、森の中で一人の少女と出会う。 それがオデット・ローゼンハイムだった。 半ば強引に家へと連れられ、慎重に施された治療と温かな食事によって一命を取り留める。 何故そこまでしてくれるのかと聞いた。しかし彼女は柔らかに微笑むだけだった──それがさも当然とでも言うように。 自分を“死”からも“孤独”からも救った自分より2つも下の女の子は、朗らかで優しくて、自分よりもずっと強く見えた。 その時から、国民の信仰する主よりも──国を統治する王よりも──国を救ったジャンヌよりも──彼女が、自分にとって最上の存在となったのだ。 また、オデットの父親であり領主のニコラは、実の母親と孤児の日々により根付いてしまった恐怖から頑なに名乗ることの出来なかった自分に、ならばと新しい名前を与えた。 ベネディクト。祝福されたもの。 彼は孤児だった自分に終止符を打ち、新しい人生を歩む切っ掛けをくれたのだ。 齢12にして生まれ変わり、そして知った。世界はこんなにも暖かかったのだと。 こんな日々がずっと続いたら。 陽だまりの中でふと、幸せな夢を見る。 ────そんな願いの、何と無謀で儚いことか。 一つ瞬きをする間に、それは起こった。 突如として教会の騎士により罪人に立てられるニコラ。有無を言うことも許されず殺される家の者たち。焼き払われるローゼンハイム邸。突如として掻き乱された、平穏な日常。 逃げ惑いながら、ふと孤児となった日のことを思い出す。理解も感情も追い付かない中で、燃え盛る炎の熱さと血の匂い、恐怖の感覚だけが鮮明で──それからはオデットと共に、縺れる足先で必死に地面を蹴った。 どうしてこんな森の奥に騎士が？ニコラが何をしたと言うのか？家の人達が皆殺されてしまった。じきに自分たちも捕まる。捕まったらきっと、あんな風に殺される。死ぬ。嫌だ。怖い。捕まりたくない。捕まる。嫌だ。逃げなければ。 じっと身を潜める。こんな時でさえ、オデットは恐怖で動けなくなった自分を慰めた。 束の間の逃避行も虚しく見つかってしまう。終わりだ、そう思った矢先──オデットは自分を連れて行く代わりに、ベネディクトを見逃して欲しい。騎士にそう頼んだのだった。 腰が竦み、脚が震える。顔が引き攣っていくのが自分でも分かる。手を縛られ連れて行かれる彼女を、引き止めたいのに少しの声も発することは叶わなかった。 彼女は結局最後まで、自分のことを救った。それが、彼女との最後の時間になってしまったのだ。 一人、立ち尽くす。 ただ脳内に満ちていく感情は──無力な自身への、底無しの憎悪。 その後一度は自分を解放した騎士が、再度眼前に姿を現す。最初からこうするつもりだったのだろう。為す術もなかった。そんな資格など自分には、なかったのだ。 それなのに何故、この期に及んで死を恐れてしまったのか。 何故、生きることを望んでしまったのか。 その身勝手な望みが、恩人の命を奪うことになるとも知らずに。 状況を飲み込みきれないまま、気付けば剣を握らされ処刑台に立たされている。 目の前にいるのは大切な恩人。ニコラだ。 何故自分の左眼が潰れているのかわからない。 何故自分が剣を持っているのかわからない。 何故ニコラが縛られているのかわからない。 何故。 何故。 何故。 ──ただ、一つだけわかることがあった。 ニコラを殺さなければ、死ぬのは自分だ。 潰れて見えなくなった左眼は、極度の緊張状態の所為か痛みを感じなかった。 それよりももっと、ずっと痛い、重いものが心臓の真ん中に渦巻いていたのだ。 しかしそれも。震える手も、荒れる呼吸も、伝う涙も。すべては無意味だ。 それを選んだのは自分自身なのだから。 その道を選んでまで、生きたいと願ってしまったのは。 世界で一番大嫌いな、自分自身なのだから。 孤児となる以前から貧困により慢性的な栄養失調に陥っており、体力を欠いていた身体では、戦闘に用いられる剣など持ち上げるだけでも精一杯だ。 ましてや、人の首を撥ねることなど。 簡単に済む筈がなかった。 鮮やかな赤色が視界を覆う。それでも尚呼吸を止められないニコラは、中途半端に切り込まれた首の痛みに耐えかねて絶叫を漏らす。 打ち込むほどに刀身は重く、動悸は激しくなっていく。 どのくらいの時間をかけたのだろう。自分にはもうわからなくなっていた。 もう叫び声を上げる力すら失ったニコラが、ふいに口を開く。血に塗れた身体と、対照的に真っ青な顔。動かないままの彼は、 「……娘を、助けて欲しい。…頼む」 掠れる声で、自分にだけ聴こえる大きさで、確かにそう零して──そして、静かに事切れた。 “処刑人”の自分となって10年。 どれほど時間が経とうとも、あの時の自分の愚かな選択を、無力ゆえの行動を、汚れた生を憎み悔いる気持ちは褪せることなく、今尚自身を鮮明に、着実に蝕み続けている。 今でも一番に大嫌いなのは、他でもない自分だ。 大衆の煽ったような賞賛の声も、蔑視も罵倒も刺さりはしない。最も自分を許せないのは自分自身だからだ。 自分など死んでしまえば良いと、何度思ったかわからない。 それでもニコラとの最後の約束が、自分を現世に留め続ける。それさえも、死を忌避する言い訳にしているのではないか。それももう、とうにわからなくなってしまった。 しかしながら知ってしまったのは──大切な存在を失うことは、自身が命を落とすことよりもずっと怖くて、ずっと痛いということだった。 形だけの信仰。神など信じてはいない。 自分にとっては自分を救い続けたオデットこそが、神と呼ぶに相応しい相手だからだ。 しかし自分がオデットを救うことは、果たして彼女にとって救いになるのだろうか。 彼女を盾に生き延びた挙句、彼女の最愛の父親の命を奪った自分に、彼女を救う権利などあるのだろうか。あって、堪るのだろうか。 謂れのない罪で死刑判決を下された恩人。 その恩人を自らの手で殺して歓声を浴びる自分。 何もかもが歪だ。 さながら、救国の乙女ジャンヌの生涯のようだ。 もう何も望みはしない。 この生に執着もない。 ただ、この血で汚れた命でも、まだ出来ることがあるのなら。 ただ、俺の神様が、救われるのなら。 もう少しだけ、この心臓を打ち続けることが、許されるだろうか。 ▽余談、補足 ※フランス語圏の人名としての表記は「Bénédict」 ・素の一人称は「俺」。 ・オデットに対する二人称は「君」。 ・誕生日は2/15だが、本名と共に捨てている。 代わりに、ニコラにベネディクトの名を与えられた日（7/11）を大切に覚えている。 ・10年前のあの日、捕まった直後の処罰で左眼に斬り傷を負った。以降眼帯を着用している。斬られた左眼は白灰色。 ・傷に加えて処刑人という立場から、APPが大幅に減少している。（16→5） ・物腰が柔らかいのは、何にも期待をしていないから。いつも笑顔なのは、正気に戻れば苦しみに耐えきれなくなってしまうから。 ・現在は処刑人の仕事をしながら、密かにオデットの行方を捜している。しかし積極的に追うことはせず、「自分の知らない所でも苦しむことなく生きていてくれるならばそれで良い」と思っている。 ・ニコラが裁かれたことについて、あの日からずっと疑問を抱えており、それ以来教会の騎士に対する認識も濁りきっている。出来ることなら真相を究明したいが、それ以上に自身が手にかけたニコラへの贖罪と後悔の気持ちが大きい。 ・「B」は「Bourreau」「Benedict」の両方から。名乗らないのは、なるべく自身の痕跡を世界に残さない為。また、名付けた恩人本人を殺した自分に、「祝福」の名は相応しくないという自責の念を抱えている。 ・潔癖症なのは、「これ以上汚れた身になりたくない」という心理から。 ・神のことは一切信仰していない。神など人に救済を与えることはないと何度も思い知らされてきたから。 こんな人生を神の所為にでもしてしまえば楽だったかもしれない。しかし、全ての原因は自分自身にあることを痛いほどに悟っているから。 また、所持しているロザリオはニコラの遺品。 ・この10年で処刑の腕は本心とは裏腹に上達していき、処刑人としては異例な切っ掛けでの抜擢でありながら、若くしてムッシュ・ド・パリの称号を掲げられるほどになる。（STR14／DEX16／剣術85） 今では仕事として、冷静かつ迅速に、確実に罪人の人生に幕を下ろし続けている。 罪人の中に冤罪の者がいようと関係はない。それを救う手段も、資格も、自身にはないとわかっているから。 ・最後に感情的に涙を流したのは、10年前にニコラを殺したあの日。 ──しかし、淡々と処刑を執行する裏で。 命を狩り取るほんの一瞬にだけ苦痛と悲哀に歪むその顔を、間もなく息絶える罪人だけが知っている。 ▽本名 Henri Lambert──アンリ・ランベール 過去と共に捨てたかつての名前。 二度と名乗ることはない。 「オデット」 「守れなくてごめん」 「愛してる」 2024/03/27　エンド1　───ロスト ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ HO4 __命を狩り取る者__ 処刑人である貴方には忘れられない約束がある。 貴方は昔孤児であった。路頭に迷い苦しんでいるときに一人の少女に助けられた。 少女は家へあなたを連れていき、少女の家族に介抱され貴方は一命をとりとめた。 「行くところがなければここにいるといい」と少女は言い、家でお世話になることにした。 しばらくは幸せな気持ちで過ごしていたある日、恩人の家に教会の騎士が押し入り謂れのない罪を告げ次々に家のものを殺害し、貴方と少女は森へ逃げた。 森でしばらく暮していたが見つかってしまい、少女は逃げる途中、自分を逃がすためつかまり行方は知れず。また自分も後から捕まった。 生きるか死ぬかの選択を強いられ、そして生きる道を選んだ自分は『処刑人』の役割を言い渡される。最初の死刑執行の対象は───貴方の 恩人の家主であった。 こうして、謂れのない罪によって恩人は処刑された。 ────いや、自分が、殺した。恩人の首をこの手ではねたのだ 処刑の瞬間に恩人は「娘を助けてほしい、頼む」と最後に貴方にだけ聞こえるようにそう告げて、貴方は恩人の首をはねた。 罪のない恩人は裁かれ、恩人を殺した自分は称賛される。 間違っているのはこの国と民衆なのではないだろうか?あなたは疑問を抱えている。 『恩人を探し出し救出する』『恩人の無実を証明する』 あなたにはHOの恩恵が与えられる ``` 刃物を扱う武器技能の初期値を50 【医学】に+30補正 【目星】に成功することで相手の急所を見抜ける、与えるダメージを固定で+2 ``` 処刑人として罪人の命を奪ってきた自分に何かできることはあるのだろうか? 叶うなら、この血で汚れた手でも誰かを救うことができますように。 【事前情報】 NPC『ニコラ・ローゼンハイム』『オデット・ローゼンハイム』の情報を開示 『ニコラ・ローゼンハイム』 貴方の恩人の一人。貴方を拾ってくれたオデットの父親。人格者であり、領主としてみんなにやさしく慕われていた。 貴方が仕事で最初に首をはねた人 -------------- 『オデット・ローゼンハイム』 貴方を拾ってくれた恩人でお嬢さん。かわいい女の子で貴方は彼女の遊び相手として遊んでいた。 事件が起こるまでは毎日楽しく一緒に遊んでいたことだろう

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