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風俗店『ヘヴンホール』の送迎として働いている青年。 元々は女装コンカフェで働いていたがオーナーが違法薬物使用により逮捕。店が潰れ途方に暮れていたところをヘヴンホールの店長に拾われた。 性格は良くも悪くも裏表がない。言いたいことを遠慮なく言う質で口が悪い上に手もすぐ出るためトラブルが絶えない。反面、意外と情に脆い部分があり店の人達には可愛がられている様子。 童顔で中性的な顔がコンプレックス。しかし最大の武器であるとも考えており、私用の時は可愛めの格好をしている。時々気が乗れば女装もする。 彼の母親は所謂『毒親』であった。 彼女は体が弱く医者からこれが最初で最後の妊娠・出産だろうと言われていた。自分が贅沢出来ずお洒落も満足に出来なかった分、娘を産んでうんと可愛くしてやろうと考えていた。 しかし、産まれてきた子供は理想通りではなかった。 男の子にしては可愛げのある面持ちだったしずくを母親は“理想通り”に育てると決意した。酷い癇癪持ちで精神が不安定だった彼女に父親は逆らえず、しずくは15歳になるまで母親に支配された環境の中で育つことになる。 そんなしずくを世間は受け入れる訳もなく、小学校に入学してからはずっと虐めにあっていた。虐められていると母親が知れば学校に殴り込み教師やいじめっ子の親に怒鳴り散らす。すると次はバレないようにと虐めはどんどん陰湿で酷いものになっていく。 母親に可愛く女の子らしくを強要されてはいたものの『親は親なりに自分を大切にしてくれている。だから何も変ではない』という思考に育っていたしずくは「どう考えても虐める方が悪い」という結論に至る。 中学生になる頃には虐めに対し反抗するようになり、それがエスカレートしていった結果、中学3年の冬、いじめっ子たちに大怪我を負わす事件を起こしてしまう。 流血騒ぎにパニックになったしずくは思わず家へ逃げ帰り、母親に助けを求めようとした。しかし母親は傷だらけなのを見て心配するのではなく「女の子らしくない」と激怒した。 その時やっと気づいた。母親にとって自分は大切な家族ではなく、ただの着せ替え人形なのだと。 何かが切れた音がして、気づけば彼は母親に暴力を振るっていた。学校から連絡を受け急いで帰宅した父親に止められるまで母親を殴り続けた。 被害者が多く傷害事件として事が大きくなったため彼は一度逮捕となったが、同級生からの酷い虐めや母親からの虐待などの背景があったことを考慮され施設にて保護観察処分ということになった。 20歳になり保護観察が終わってから働き口を探して女装コンカフェを知る。そうして現在に至ることになる。 世間的に見れば『虐待』ということになっているが割と甘やかされて育った方なので自己肯定感は高い。ただ『人に裏切られる』ことには強い恐怖感を抱くようになった。彼のトゲトゲしい言動はその為かもしれない。

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