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1-4 オシャレ：いつも身だしなみに気を使っている。APP+1 5-1 動物に好かれる：独特のたたずまいのおかげか、たいていの動物がなついてくる。 高校教師。科目は生物。 子どもの頃から動物が好きで、生物学の研究者を目指していたが、親から博士課程に進むことを反対され断念。 振り返ってみれば、何かを少しずつ妥協してきた人生だった。 実家は九州の地方都市で、三人兄弟の次男坊。1つ上の兄、2つ下の弟がいる。 父はうだつのあがらないサラリーマンで、母は家で塾を営んでいた。塾、といっても近所の子どもたちが数人来ていた程度で、収入と呼べるほどの利益が得られているわけでもなく、裕福とはいえない生活レベルで、家はいつも金のことで揉めていた。 服も教科書も持ち物も、ほとんどが兄のお下がり。漫画雑誌も、ゲームも。活発で粗暴な兄と比べて自分は内向的だから何もかも趣味が合わなくて、常にちいさな不満を抱いていたように思う。けれども自分のわがままでまた親がいがみ合うのが嫌で、わがままを言うことはほとんどなかった。 そんな自分が唯一わがままを言ったのが、3匹の野良猫を拾ったときだった。きっと兄弟だろうから、一緒に飼いたいと訴えた。しかしどれだけ説得しても1匹引き取るのがやっとで、あとの2匹は近所の親戚の家に引き取られた。エルマーのぼうけんから名前をとって、エルマーと名付けたその猫は、生涯大切に飼っていたけれど、心のどこかで常に申し訳なさを感じていた。 初恋は小学3年生のとき。近所にアメリカ人の家族が引っ越してきた。中学1年生のひとり息子は、金髪碧眼の美少年で、映画のなかでしか見たことのないような容姿に一目惚れした。彼らは日本とアメリカを行ったり来たりしているそうで、息子は日本語が少し不慣れだからと、母の営んでいる塾に通うようになった。彼は自分の熱っぽい視線にすぐに気づいたようで、母の目を盗んではスキンシップをとっていた。最初は軽いキスから、お互いのからだに触れあって、性器を慰め合った。1年も経たずに彼は引っ越してしまったから、それ以上まで進むことはなかったけれど、その出来事から性的嗜好の方向性がすっかり定まってしまった。 成長するにつれ性欲は強まる一方で、中学生になって携帯を買い与えられてからは、掲示板で知り合った男たちと何度も繋がった。容姿は整っていたし、若さもあって、相手に困るどころか選り好みすることも許された。初恋の彼の面影を求めてか、彫りの深い顔立ちが好みで、遊ぶのに慣れてからはそういった男性とばかり夜を過ごしていた。 一方で、活発だった兄はすっかりヤンチャになり、その反動か親は成績優秀な自分を「理想の息子」だと称した。自分も面倒ごとを避けたくて、そうあるように振舞った。だから、自分の性的嗜好は親にも友人にも誰にもカミングアウトしていない。遊び相手は慎重に選定していたから、バレることもなかった。大学生になって実家を出てからも、自宅や大学周辺は避けるよう徹底していた。女子から告白されても彼女を作ろうとしないので、友人からはよく「性欲はないのか」なんて言われていたが。 しかし学生時代までは誤魔化せても、社会人になってからはいよいよ怪しまれるようになってくる。いい人はいないのか、そろそろ身を固めるべきなんじゃあないのか、なんて攻撃を曖昧な言葉で躱していたある日、「浮いた話があまりにもないものだから、この前あんたがゲイなんじゃないかって言われたよ」と母から電話口に言われたときは、本当に血の気が引いた。いよいよまずい、そう焦っていたときに知り合ったのが妻だった。 一人称：俺 二人称：君、あなた

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