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真っ白なスーツに、いかにもなグラサン。自信を貼り付けたような笑みと、婉曲的な言い回しが面倒くさい、もとい、特徴の伊達男。好きなものは美人秘書が淹れてくれる紅茶、嫌いなモノは煙草の煙。その正体は日境市UGN支部長の一人。コードネーム、『ゴッドフィンガー』。 イギリス人の父と、日本人の母のハーフ。外見的には父の血が強いようで、金の髪色から顔立ちに至るまで、ほとんど北米系の外国人に見える。ただ、瞳だけは深い琥珀色をしている。常に物腰柔らかだが、そのキザったらしい態度や、初対面の女性はまずもって口説こうとする厭らしさ（本人はそれが「礼儀」だと思っていて、支部内の成人女性は全員一度はその洗礼を受けている）から、支部内では基本的にあまり好かれていない。本人がそれを自覚しているかはわからないが、どのような扱いを受けようが、余裕の姿勢を崩さない。どころか、めげずにグイグイ来たりするのでタチが悪い。彼をよく知るメンバーだけで「日境市で抱かれたい男ランキング」を仮に決めたとすると、まず最初に最下位が埋まることだろう。 ちなみに、子持ち。いや、待って欲しい、話は最後まで聞いてくれたまえ。「舞」という１６歳の女の子（同支部所属UGNチルドレン）の養父であり、大変可愛がっている。基本的にデレデレで、舞からも慕われている。しかし、彼女の前であっても、彼の悪癖は止まらない（ほんまコイツ）。「おとーさん？」の一言だけで成瀬を黙らせることが出来るのは、彼女だけだ。舞への親愛の情は紛れもないもので、実の娘と変わらないほどだが、何故幼い彼女を養子にとったのかは、不明。 こう見えて、１０年近く日境市で支部長を務め続けている、古参面子の一人である。古くから彼を知る者は、現在とは全く異なる成瀬の側面・過去を知っていることだろう。なお、ハーフである彼が、姓名ともに日本名を名乗っているのには、舞のこと以外にちょっとした理由があったりする。 富豪の名家に生まれたが、父への反発から出奔、若くして傭兵として紛争地帯を渡り歩く。そのことで家から絶縁され、さらに戦場の中でオーヴァードとして覚醒した。しかし呼び戻された日本で、厭々ながらも、日境市、そしてUGNと関わっていくことになる。 戦い方はシンプルそのもの。人差し指から一条、高出力レーザービームを発射する。ラ●エルみたいに一瞬「キラッ」と光る。『ゴッドフィンガー（神の指先）』とは、その壮絶な様相を見て周囲が付けた二つ名……というわけではなく、普通に自分で名乗って申告したもの。でしゃばり。 どうせ舞台に上がるなら魅せてやろう、というのが信条で、必要のないことに首を突っ込むのはむしろ無粋と考えていたりするのだが、要するに結局、成瀬が唯一口説かない一人の知己が言うところの「でしゃばり」という認識で特に問題はない。 一度、支部がほぼ壊滅状態に陥り、多数の死傷者を出してしまった過去がある。その際には、「合理性」を第一とする彼の信条から逸脱し、感情に従って自身を危険に晒すという、普段見ることのない珍しい一側面が見られた。

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