タグ： 花冷えに亡く季節

「誰？初めて見る顔。……ここで見る顔は全部初めてか」 「うわ、近。離れてくれる？」 「（じー）その帽子何が書いてあるの？」 病の療養のためサナトリウム《アヴリル》に預けられた少年。 腕や身体の節々に咲いた花を隠すために着物を着ており、赤い和傘で全身を隠している。 気に入っていても気に入らなくてもズケズケ言うので嫌われがち。むしろ嫌われて遠ざけたいから好都合。 かなり容赦のない言い方して遠ざけようとするが、たまにふと興味を持って人に近づくこともある。（触れない程度に） 気まぐれ。 基本的に家から出ないように暮らせたらよかったけれど、家にいたら家族に嫌な顔をされるため、渋々公園に出ることが多かった。 最近は成長してきたこともあり家に居座ることができるようになっていたが、家族、特に弟は嫌そうにしていた。（「兄貴がいたら友達呼べないじゃん」） 屋外では暇つぶしに植物を観察し、屋内ではカリグラフィーに没頭しながら生きていた。 気に入った言葉を気に入った形にして、飾り立てる。 自分に咲く花は憎いけれど、花自体は（かつての思い出のように）綺麗なものなので、よく飾りとして参考にしている。 SNSに投稿することもあり、その界隈では知る人ぞ知る。HNは『花屋』。 腕にラベンダーの花がぽつぽつと、隠れた片目と心臓にクレマチスの花（四季咲き）が大きく咲いている。 クレマチスの花が咲くと顔をしかめ、色がくすんだり雄しべが散り始めたら切り落とす。痛いかもしれないが、放っておいたら体調が悪くなるのもわかってるので我慢している。切り落とすたびに「こんな花もう嫌だ」と思っている。 クレマチス（四季咲き）（引用） 花がら摘み：花色がくすんだり、雄しべが散り始めたら、すぐに花首から切っておきます。そのままにしておくと、タネができて株が弱るので、早めに切り取ります。

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