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廿楽 尾骶（つづら びてい） 特徴表2-9「バイリンガル」 日本以外の国で生活したことがある。［EDU］*5％を、最大3つまで〈ほかの言語〉技能に割り振ることができる。 英語がまあまあと中国語がちょっと。ベトナムとかフィリピンとか中国とか、アジア系外国人が多い地域のその辺のコミュニティって最早異国よな。「外国飛んでた時期もちょっとだけあった」とかなんとか……いや、何してたんですか？ 特徴表6-4「実は生きていた」 生き残るすべに長けている。死からの生還（”クトゥルフ神話TRPG”64ページ）のチャンスが通常の次ラウンド以内ではなく5ラウンド以内に伸びる。 「いやあ。虎の威を借るどころか虎の尾踏んでな。虎子に着いてったら虎穴に入ってたみたいで。二度と思い出したくもないわ」 　白い肌と金の髪の青年。いつも浮かべている笑顔と西訛りのごちゃ混ぜゆるっゆる言語のせいで何となく胡散臭さが目立ちがち。口に自信があり、ああだのこうだのよく喋るのもそれに拍車をかけている。この会話の半分くらいは内容がないのが常。なお、本当に無害そうな良い人の雰囲気も出せるのでタチが悪い。何も考えていなさそうな吞気な顔でしれっとブラフとかぶっこんでくる。 　コーヒー派か紅茶派かを問われたら「お茶とかあると嬉しい」。赤いきつねか緑のたぬきかは「蕎麦のが好きやからきつねやけどたぬき」。ポジティブかネガティブかを聞かれたら「実は結構ネガティブで心配性」。善人か悪人かと言われれば、即答で「悪人」。 　言動もマイペースであれば行動もマイペースで、歩幅はそこそこだが歩く動作はゆっくり。だいたいは一番後ろから人のあとをついていく。 　一人称：僕、自分　二人称：君、自分、あんた 　他人に名乗る時は、正式名称が必要な場でもなければ大体「ツヅラオ」で通そうとする。 「うーん。大体ツヅラオって名乗ってるなあ。それで通じるからそう呼んでくれてええで。まあ、よろしく頼んます」 「そそ。僕実は家なき子でなあ……今はここの隅っこをちょいと間借りさせてもろてて。借りぐらしですみっコぐらしや」 「わあお。頑張ってくれ。荒事に関しては僕あんまし役に立たんから。歳やで歳。身体動かんねん」 　◆ 　首輪付きの狐より愛を込めて。 「だからおるんよ、僕。この探偵事務所」 職業：クトゥルフ神話2015「経済犯罪者」より　EDU*20 特記：年収が+50％アップ。ただし、過去の話である。 　元詐欺師。現探偵。身寄りナシ、居場所ナシ、社会的な立場もナシ。各地を転々と。今は探偵事務所の一角を狐小屋にしている。 　”金で幸せにはなれないが、金は不幸を祓ってくれる”と”世の中は弱肉強食である”が信条。食われるより食う側に回りたい。食われる方が悪いので無知な鶏は有難くいただきます。主な手口は恋愛感情と親切心に付け込んで出資をさせ、そのままバックれること。金がないことが不安なのでとにかく金が欲しかった、というのがすべての動機である。 　なんでも、手を出してはいけない場所と相手に手を出したらしく。虎の尾を踏んだというか、害獣駆除は定めというか。相当痛い目に合っている。当人の主張は「いやなんなん、ヤクザもん連中のお嬢様がロマンス詐欺なんぞに引っ掛かっとんちゃうぞ。危機感持てや、頭に花咲いとんか。んな大物釣れるなんざ思ってへんし善意でも隠されたら気づかんやん。そんな本気やったんかあの子」らしいが……言ったところで時すでに遅し。そんな相手にここまでできる僕の才能が怖いわあ。ほんま怖いわあ。なんか金持ってそうとは思たんやけど。一種の恐怖体験である。 　法的に裁かれるんならまだよかった。ワンチャンバラされて自分が鶏の方になっていた、というかあそこで生きていなかったら確実にそうなっていた。多分一回ちゃんと心停止まで行ってたしちゃんと死んでた。お陰様で身体にはいくつも傷が残っているし、手の爪は歪んでいるし、日常生活にこそ問題ないが荒事には混ざれない。何があったかはご想像にお任せである。奇跡的に顔（しょうばいどうぐ）には傷が残らなくて本当によかった。 　いやなんで社長はあんな連中どもと知り合いやっとったんやろか。ほんまに謎。 　ともかく、ともかくである。何の因果か、ギリ死体置き場にぶち込まれる前に息を吹き返したお陰で間一髪でそいつは間に合った。経緯と所業と様々を聞いたらしいそいつは何故か、本当に何故か嬉々として、この死に体を、血の詰まった肉袋を買い取った。 　そこでどういう話し合いをしてどういう協定になったか、どこを落とし前にしてあの連中から許されたのかを廿楽は知らない。そのあたりの一切合切は聞いていないからである。治療を受けた廿楽が直々に聞いたのは、自分が夜鳥木探偵社所属になったこと、ここが怪異専門の探偵事務所であるということ、そして自分の死体を買うのにかかった金額分そのまま自分の借金にされているということ。そこまで。自由が欲しけりゃ働いて返せと。つまりそういうことである。 　――そして、今に至る訳だ。 　 　◆ 因果を決めるためのヒント＜1D10＞→07: 借金 特徴表6-4「実は生きていた」 そこでまだ生きていた。生命力。そして運。人より猶予があったお陰で縁は繋がり、回って因果と相成った。 　◆ 　金である程度の不幸は祓えるが、金で幸せになれるとは限らない。らしい。 　あの怪物相手に逃げるのは多分難しい。ってか逃げたら多分終わる。今度こそ虎の食卓の上に並ぶことになるだろう。故に逃げる選択肢はそもそもない。 　彼女に対する命の恩も過分にある。ここで様々が保障されるのであれば、今までの生活よりかはこの探偵事務所にいたほうが多少はマシだろう。それに。 　借金、利子付き。これが人間一人分の値段らしい。支払い方法はお給料から天引き。多分一生モノ。 　それを首輪に、自分はその意思で繋ぎ止められることにした。 「僕もな、ちょっとくらいの恩義は感じてるんよ、社長に。だから要らん言われるまではここ居よかなって決めて」 「まあ手元に置いておいて良いもんでもないけどなあ。僕は。縛られているとはいえしょうもない悪人やで。毒に耐えられるかはそのひと次第」 「今はへいきよ？ 五体満足やし。まあ傷はようさんあるけど……おかげさまで雨の日は好かんわ。なんかどこぞが余計痛くて」 「僕、もともとはしあわせになりたいだけなんよ。ちょっとしあわせになりたいだけ」「だから、因果と縁にちょっとのロマンスだとかを感じてみてもええんちゃうかって」「なんてな」「そん程度のもんや」 「なにしてもどうなっても、どこまで行っても金に縛られるー、て、らしいっちゃらしい話やろ。僕のじんせい」 【HO 狐】 貴方は話術に長けている。対人技術において右に出るものはない。 ［メリット］ < 信用/ 説得/ 言いくるめ> の判定を行う場合成功値に+30% で判定できる。ファンブルは失敗。 ［デメリット］ あなたは戦闘が苦手だ。理由は様々だろうが不得手で、センスが無い。戦闘技能に技能ポイントを振ることができない。（回避含む） ［特徴］ < バイリンガル>< 手先が器用>< 実は生きていた>

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