タグ： ハートレスメモリー

　数年ぶりに網代慎平は日都ヶ島に帰ってきた。そこで慎平はオーヴァードとしての覚醒を迎えた。 　そこは裏でレネゲイドかジャームを育てる島だった。きわめてドッペルゲンガーに近い性質のソレはゆっくりと……ゆっくりと島民と入れ替わり、日常を侵食して行く。裏で溢れる怪物。幼馴染の死の真相。そしてひと夏の間だけに許された死に戻りによるチャンスの到来。慎平は戻ってきた故郷で、その裏に暗躍する者達と幼馴染の為に戦う事を誓った。 　ただ一度の夏。死んだ幼馴染の姿をしたレネゲイド。自身に死んだ弟を憑依させた尊敬する作家。疎遠になっていた幼馴染達。敵から離反した存在。唯一無二のメリットさえ相手が追い付いてきた。そして夏の終わりに黒幕は倒れ、全ての問題は解決した。 　死人を模っていた者は全て等しく塵に帰った。黒幕は死に、尊敬すべき人は途中で倒れ、幼馴染達も散った。最後に残されたのは夏の思い出だけ。 　網代慎平は夏の冒険を終え、問題を解決し、しかし1人だけ生き残ってしまった。血と欲望で染まった島を去った彼を迎えたのは全て終わった後で迎えに来たUGNの姿だった。それから更に少し時をして……その実力と功績は認められ、いつの間にか分不相応な地位を得る事になった。次の任地はまた因習を感じさせる離島。過去の出来事が脳裏にチラつくのを抑え込みながら新たにオーヴァードとして、今度こそ誰も死なせないように踏み出した。

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