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新宿ディビジョンの地雷系かぶれの女の子♡ 家になんか帰りたくはない。 1人の時間を引き延ばすため、今日もあてどなく夜の街へと繰り出す。 成績優秀、眉目秀麗。身の回りの全ての人から完璧超人ともてはやされた彼女。 人当たりも良く、人の気持ちが分かる、寄り添える優しい子と通知書にも書いてあった。 しかし、それが自分の首を絞めることになった。 分かりすぎてしまうからこそ、察してしまう。 分かりすぎてしまうからこそ、1歩引いてしまう。 分かりすぎてしまうからこそ、完璧な自分を演じなければならない。 分かりすぎてしまうからこそ、毎日に疲れてしまった。 ずっと見られるのが怖かった。 これまであんなに頑張ってきたんだから。 でも、もう楽になりたいよ。 早く。早く。いっそ溶けて消えてしまいたい。 地元でも有名な高校に進学した彼女は不自然な外出を繰り返す。 学校から帰ってくるなりすぐに外へ繰り出し、夜中に帰ってくる。 どうせ親も家を開けてるんだ、何してもバレないって。 今日もかわいい服を着て、ばっちりメイクして、ペルソナでホントの自分覆い隠して、いつものあそこへ繰り出すんだ。 そうして高校2度目の春が来た。人の目に敏感な少女は人の目に自分自身が映らないように、不透明性のペルソナで自らを覆うことでまた、雪のように新宿の街に溶けていった。 ‪✂︎‬---------------------------ｷﾘﾄﾘ線--------------------------‪✂︎ あの夜、学校で思い出したのは幼い頃の記憶。 思い出したくもなかった、人が死ぬ瞬間。 乖離した記憶は靄のように頭に降りかかる。 たすけてと呻く彼に何も出来なかった過去。 非行をするきっかけになった彼の死。 今消えたい。今すぐに消えたい。 他人を不幸にするような自分が呑気に生きてていいわけない。飽くような毎日を捨てて、心から楽しめる、夜のまちえと逃げ続けてきた。 過去を乗り越える様な事は決して出来ないが、せめて自分を覆い隠してくのはもう辞めよう。これからは、自分の顔で生きて行こう。 私の顔はなかなかいいと、ごまんと言われてきたし。もう見られててもいい。めっちゃ悪口言われたって。自分勝手に、いざ生かんとしよう。 そうして冬が来た。自分勝手な少女は未来への渇望を目に宿し、透明度の高いビジョンを見つめてまた、少し早い雪が降って白くなった新宿に溶けていった。

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