タグ： 花冷えに亡く季節

Posy（ポージー） 15歳 柔和な笑みを浮かべた少女。 話しかければゆったりとした口調で答えてくれるが、あまり口数は多くない。 困っている人がいれば（周りに他に頼れそうな人がいない場合）声はかける。 施設ではいつも部屋の隅で本を読んでる。 【以下秘匿】 気持ち悪いと言われた。だいすきなおかあさんに。 気持ち悪いそれは、芽が出て、蕾が膨らんで、白くて綺麗な花を咲かせた。 咲いては、むしって。咲いては、切り落として。咲いては、引きちぎった。 痛かった。 でも、なにより、痛かったのは、私を見て「気持ち悪い」と口走るおかあさんの言葉だった。 周囲の人間の言葉よりも、一番痛かった。 どれだけ綺麗な花が咲いたとしても、自分が世界で一番醜い生き物であると思った。 地に咲く花たちは、あんなにも綺麗で、皆から愛されるのに、なぜ私の花は愛されないのだろう。 蕾が膨らめば、また一人消えて。一輪花が咲けば、私の幸せがまた消えて。花弁が散ればまた涙が零れた。 幸せを知っているからこそ、全てを奪うこの花が憎くて仕方がなかった。 いつか誰かに言われた「綺麗」が、私はこの世にいてもいいのだと、小さな希望になった。 それでも、その小さな希望さえ、花に奪われていくようで怖い。 また誰かに、「綺麗」と言われたい。 触れることが怖い、それでも愛されたい。 この、きれいで気持ち悪い「花束（わたし）」を、抱きしめてほしい。 症状：心臓に根をはり血管から花を咲かせている 性格：この美しい花は君にとって呪いのようで、コンプレックスだ。この花の所為で人々に迫害されて独りぼっち。たった一度だけ「綺麗だ」と言われた思い出だけが、唯一の救いになっていた。 病気：重い病らしく、治療を受けることができるのは18歳からであり、君はそれまでの間このサナトリウムで過ごすことになるらしい。 備考：君は生きているものに対して、自分から触れることに強い抵抗感がある。その理由は幼い頃の出来事によって記憶は固く閉ざされているようだ。 病気が治ったら生き物へ触れることの抵抗感も消えるかもしれないと考えており、完治したらまた母親を抱きしめたい。誰か、大切な人に抱きしめられたい。 【名前由来】 「ポージー」：花束の意。短い詩の意味もある。 【職業技能について】 「回避」：迫害で傷つけられることもあり、身についた 「隠れる」：花を見られないように人目につかないようにしてた 「聞き耳」「目星」：人の視線や話し声などに敏感になってしまった 「精神分析」：少しでも誰かの心を癒せたらと独学と見様見真似 「図書館」：現実逃避に本の世界に逃げた。ついでに知識も身についた 「生物学」：自分の病のことを知ろうとして植物を調べた 【花たち】 ポージーに咲く花は全て白い。 せめて彼女の血を糧に色彩が宿れば彼女の幸福は少しでも失われなかったのだろうか。 「ゼラニウム」 白：あなたの愛を信じない、偽り 赤：君ありて幸福　黄：予期せぬ出会い 「アイスランドポピー」 白：忘却、眠り 赤：感謝 「ワスレナグサ」 白：私を忘れないで 青：真実の愛 「ハナニラ」 白：悲しい別れ、耐える愛 桃：愛しい人、星に願いを 「チューリップ」 白：失われた愛 赤：真実の愛　紫：不滅の愛　桃：愛の芽生え 「スカビオサ」 白：不幸な愛、悲哀の心 紫：私は全てを失った、不幸　青：悲しみの花嫁 色がついたとて消えない悲しみはある。

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