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Adrian・Gemini (エイドリアン・ジェミニ) ＆ Adrienne・Gemini (アドリエンヌ・ジェミニ) エイディ ＆ アディ ▼ベース：医師 より (2010) ▽技能：【医学】【応急手当】【生物学】【薬学】 「信用」を【キック】、「説得」を【マーシャルアーツ】に置き換え、「経理」「ほかの言語 (英語、ラテン語、ドイツ語)」は未取得。 ▼ 「ヒヒッ！ やはりこの毒は胃から摂取するより直接血流に乗せた方が効きが良い！ 実に愉快だ！」 「イヤですね。ワタシはメリットのあることしか致しませんので。とっととお帰りください」 「つまらない話は聞かせないでください。ワタシの貴重な時間を奪うのですから」 「自分の身体をどう扱おうとワタシの勝手でしょう。これは嗜みです。貴殿がワインを嗜むようなものですよ」 エイディ「おや、首を絞められて絶命したかと思いきや、毒も盛られていたとは！ 死因が二重なんて美しすぎる！」 「………にしてもこの部屋、やけに散らかっていますね。埃も多いし、不衛生極まりない。警察が来るまで耐えるしかないのが口惜しい」 アディ 「まったくその通りですわ、エイディ。証拠は大事ですけれど、この空気は本当に我慢なりません。後で徹底的に掃除させなくては」 エイディ「おや。君もそう思うかい、アディ？ ヒヒッ、珍しく意見が合ったようだ！」 「貴方、困っているのね？ 安心して、このエイディが貴方の悩みを華麗に解決してみせるわ！ こいつはわたくしが言って聞かせるから座って頂戴な！」 「ワタシで実験して良いのはワタシだけだ。この痴れ者が」 ▽ 一人称：ワタシ / わたくし 二人称：貴殿、Mr.〇〇、Ms.〇〇 / 貴方、〇〇さん、〇〇ちゃん ▼ 技能説明 ・芸術 (毒ソムリエ) 「ペロッ…これは、青酸カリ！」ができる技能。 ただし味覚音痴なため打率はかなり低い。 ・ほかの言語(アイルランド語) アイルランドで日常的に使われている言語は英語である。アイルランド語 (ゲール語) 衰退による復活施策として、義務教育として初等教育と中等教育で学ぶらしい。 ・ほかの言語 (日本語) 毒草を調べるうち、日本のトリカブトに惚れてちょっと日本語覚えたらしい (？) ▼ 性格 性別不詳な外見。丁寧な口調で話すが、基本的に他人に無関心で、態度はぶっきらぼう。会話も必要最低限しかしないことが多い。人と関わることを好まず、利益や興味がない依頼には見向きもしない。ただし意外と義理堅く、興味がないからと必ずしも受けない訳ではないし、一度受けた依頼は最後までやり通す。 「毒殺」や「変死体」といった死に関わる奇妙な事件が大好きで、そうした依頼には喜んで飛びつく。むしろ良家である実家の財力を利用して、そうした仕事を優先的に回してもらっている節さえある。好きな事柄には饒舌になり、奇声を上げて床にへばりつくなど調査中の奇行は日常茶飯事な変人である。 また、極度の潔癖症で神経質。常に白手袋を着用し、ピンセットや消毒液を持ち歩き、必要があれば布やピンセット越しでしか物に触れない。床にへばりつく際も専用クロスマットは必須である(その後身嗜みを整える所までがセット)。他人の服装や身嗜みの乱れを見つければ露骨に嫌悪を示し、時には直させることすらある。 また、潔癖症ゆえに現場で自ら物に触れることは少ない。そのため探索能力は低く、探し物はしばしば人任せである。代わりに敏感である耳や鼻を頼りに ｢見るより感じる｣ ことが得意である。 結果、衣擦れひとつで隠し持った凶器を察し、窓越しの囁きを聞き分け、衣服に染み付いた薬品の匂いを嗅ぎ分けるまでに至っている。 ただし、捜査に夢中になると理性より興奮が勝つらしく、潔癖も二の次になる。平気で床に這い蹲るし普段なら触れないものにも触るようになる(ただし素手で触ることは決してないし布越しやピンセット越しである)。 そして、彼の最大の奇癖は「自らの身体を実験台とすること」だ。 科学的研究を差し置いて、それを嗜みとして楽しんでいる。むしろその為に知識を身に付け研究をしているといっても過言ではない。 致死性の高い毒を煽ることは当たり前。死にかけたこともあるし、服と包帯の下のその身体は火傷跡・傷跡・縫合跡・注射跡・毒跡などで溢れている。 (ただし身嗜みとして見える部分には傷跡はない。曰く ｢傷跡など他人に見せるものではありませんからね｣ らしい) その実験は唯一無二の趣味であり、娯楽であり、快楽であり、人生の生きがいである。 とはいえ、変人ではあるが常識的なマナーだけはしっかりと守る常識人である。それ故、たびたび「至極当然の当たり前」のことを言っては周囲を困惑させている。 また、外では常に片腕に可愛らしいお嬢様のパペットを付けていて、「アドリエンヌ」と名付けて大事にしている。 パペットのアドリエンヌは「エイディ」、エイドリアンは「アディ」と互いに愛称で呼び、会話をしている。 尚腹話術ではない。裏声を使って堂々と会話をしている。本人は至って真剣である。 普段無口なエイドリアンではあるが、彼女との会話の時だけは饒舌で人当たりも柔らかい。アディは彼と対照的におしゃべり好きで誰にでも優しく、困っている人を見捨てられない性格をしている。その為、アディに押される形で渋々依頼を受けることもしばしばで、アディを通してでなければ、彼が他人に協力的になることもほとんどない。 現実的で冷淡なエイドリアンと、理想を語り追い求めるアドリエンヌ。 彼は外から見れば ｢パペット師の変人探偵｣ である。 しかし、その実ふたりでひとつの… ―――そう、まるで魂を分かち合う”双子”である。 ▼生い立ち 彼は、いや ――”彼女” は、とある庶民の家に生まれた。 その名を、アズリー・マーフィー。 物心つく頃から片親の母と二人で暮らしていた。 母は優しく、貧しくとも平穏な日々が確かにそこにあった。 父のことなど知らなかった。しかし、母と二人、幸せに生きれるのならそれで良いと思っていた。 だが、ある日。 母は病に伏せ、弱っていった。幼い彼女は必死に看病をし、薬代が足りずに日々の食事より母を優先した。 それでも、無慈悲にも病は母の命を蝕んでいった。 そんなある日、母はいった。 「アズリー…ごめんなさい。ずっと黙っていたことがあるの」 その言葉を皮切りに、母は真実を打ち明けた。 かつて隣町の名家ジェミニ家で使用人をしていたこと。 そして当主との間に、望まぬ「一夜の過ち」によってアズリーを身ごもったこと。 けれど奥方を深く尊敬していた母は、彼女を傷付けたくなくて、家の名誉を汚したくなくて、誰にも告げずに屋敷を去ったのだという。 それでも血の繋がりは消えず、アズリーが父親の色を受け継いでいるために、名前を告げればきっと信じてもらえるだろうということ。 そして最後に、母は力ない微笑を浮かべ、震える手で娘を抱きしめた。 「……私がいなくても、大丈夫。あなたはひとりじゃないのよ。必ず居場所を見つけられる」 「生きて、生きて、生き抜くのよ。何があっても。アズリー、貴女を誰よりも愛してるわ」 そういって母は息絶えた。 そうして、本家の当主。すなわち実の父に引き取られることとなったのだ。 理由はただひとつ。 嫡男に、あまりにもよく似ていたから。 ―――その名は、エイドリアン・ジェミニ。 まるで、生き別れの ”双子” のように瓜二つな彼。 当時、巷では金持ちの誘拐事件が多発していた。 「影武者」として利用できる、そう判断されたのである。 母を失い、アズリーは本家の屋敷に迎え入れられた。 だがそこで待っていたのは、温かい庇護ではなかったのだ。 正妻からは忌み嫌われ、嫡男からは格好のオモチャにされた。 日常的に侮辱の言葉を浴びせられた。陰湿な虐めも受けた。 使用人も、実の父でさえ、見て見ぬふりだった。 彼女と瓜二つなエイドリアン――彼は実に狡猾で、立ち回りが非常に上手かった。 両親には従順で勉強熱心な「優等生」として振る舞いつつも、母を気遣い、急に現れた年の同じ”妹”にすら優しく接しているように見せかけた。 だが裏では、使用人や周囲に対して横暴で冷酷な態度を取っていた。彼は使用人に嫌われていた。 彼女を助けると彼からの制裁を受ける。使用人が彼女を助けることはない。 その虐めは両親にバレることはなく、彼らにとって愛する息子は「完璧で出来た子供」だったのだ。 しかし、アズリーは大して気に留めなかった。 生き抜くために必要ならば苦ではなかったし、そもそも急に自分という異物が現れたのだ、人間なら当然の反応だろう。立場と心を守るために異物を虐げるのは常識の範囲内であり、その矛先が他者ならともかく、傷付いていない自分なのだから対して何も問題がない。 むしろ彼らの境遇に同情し、彼らの心情を想像し、自分という存在を客観的に観察しながら、「愉快だ」と笑みを浮かべることすらあった。 その結果、今までの素直で真面目な性格をかなぐり捨て、敢えて無口で陰気な雰囲気をまとい、周囲に「気味の悪い存在」として映るように仕立てあげた。 そうして彼女は、己を隠す術を得たのだ。 そんなある日のことだった。 その日も”親切”を装って、彼はいじめを仕掛ける。 何かを思い付いたらしい。”勉強熱心な彼は”図鑑を片手に、笑顔でピクニックに誘った。 彼女と使用人を従え、裏山へと向かう。山菜を摂るらしい。草を採るのはもちろん使用人の役目だった。 そして、摘んだ野草は彼自らの手で調理され、一皿のサラダとなった。 食卓に並べられた皿を前に、彼は誇らしげに言い放つ。 「外国じゃあ山に生えた草を食うらしいぞ。お前、ただでさえ陰気だからな。病気になったら困るだろ？」 「だから有難く食っとけよ。この俺じきじきにお前の為を想って出向いて調理してやったんだ。感謝しろよ、”お兄様”からの施しなんだから」 「まさか食わないとは言わないよな？」 芝居がかった嘲笑とともに、彼は声をあげる。 目の前には、ソレルとネトルの新芽、そしてノラニンジンの花を散らした彩り豊かなサラダ。 ニヤニヤした顔で見守る彼の前で、アズリーはただ黙々とフォークを動かし、口に運んだ。 その表情は変わらず無表情。けれど、どこか満ち足りたような静けさがあった。 しかし、その様子が気に入らなかったらしい。 「……チッ、そんなに美味ぇのかよ。よこせ」 草を食べる野生動物みたいだと笑うつもりだった。けれど、美味しそうに食べる彼女に笑いどころを潰されたのだ。 苛立ちを隠そうともせず、彼は使用人が取り分けた皿を乱暴に奪い取る。 そして、ためらいもなくフォークを突き立て、口に放り込んだ。 「……なんだ、大したこと――」 言いかけて、ふと動きが止まる。 舌の奥に残る妙な苦味に眉をひそめた瞬間、顔色がみるみる蒼白に変わった。 「ぐっ……！」 掠れた声を上げるや否や、彼の体が椅子から崩れ落ちる。 床に倒れ、喉を押さえて痙攣する姿に、食卓を囲んでいた使用人たちは呆然と血の気を失ったように立ち尽くした。 そして、彼はピクリとも動かなくなった。 アズリーだけが、黙ったまま静かにそれを見下ろしていた。 赤い瞳は微動だにせず、ただ、すべてを見届けるように。 静寂を破るように、透き通った声が部屋に響いた。 「もし、皆様方。ご提案があります」 その声音は静かに、けれどもどこか愉悦に満ちていた。 使用人たちはそちらを見やる。 いつもの陰険な様子とはまるで別人のような堂々としたその姿に、使用人たちは思わず息を呑む。彼女は静かに歩み寄り、倒れた彼へと視線を落とした。…脈はない。呼吸も完全に止まっている。 それを確かめると、ゆるりと立ち上がり、迷いなく言葉を紡ぎ出した。 「お坊ちゃまは亡くなられてしまいました。このままでは、彼を殺した者として皆様方は罪に問われることでしょう」 「しかし、ご安心下さい」 「皆様方が見た真実はこうです。日頃独り言ばかり口にし気味の悪い私生児が、皆様が毒と気付き避けておいたお坊ちゃまの野草を愚かにも横取りした。そうだとしたら？　誰もが思うことでしょう――天罰が下ったと！」 高らかに叫び、にこり、と赤い瞳が細められる。 「この場で死んだのは優秀な嫡男のエイドリアンではありません。愚かな私生児、アズリーです」 「見た目も背丈も同じ。まるで双子のように瓜二つ。ヒトは見た目に囚われるもの……こんなナリの人間が身なりを整え、華やかなお坊ちゃまに成り代わっているなど誰が信じましょう？」 ぞっとするほど冷静な言葉に、使用人たちは互いに視線を交わし、不安げにざわついた。 「……ですが」「それは……」と声が漏れる。 アズリーはそれを待っていたかのように、ふっと表情を和らげた。 愉悦から一転、吐息を落とすように穏やかな声で言葉を紡ぐ。 「……分かっています。本当は、辛かったのです。皆様にとっても、ワタシにとっても」 「見て見ぬふりをなさったこと、ワタシは責めません。けれど、時折そっと隠れるように置かれていた治療道具……あれが、どれほど嬉しかったか」 「だから、皆様を恨んでなどおりません。むしろ感謝しているのです。確かにワタシは、救われましたから。あれのお陰でワタシは生き延びられたのです」 その声色は柔らかく、弱さを隠さない本音だった。 使用人たちの瞳が揺れる。恐怖や戸惑いだけでなく、罪悪感と情が入り混じった眼差しに変わっていく。 アズリーはその隙を逃さず、淡々と続けた。 「そもそもワタシは、元々影武者として引き入れられました。ええ、分かっていました。このご時世、良家の誘拐事件のニュースが世を騒がせていましたから」 「父にとっても都合がいいはずです。嫡男が毒で死んだなんて不名誉、世間に知られる訳にはいかないでしょう」 「母にとっても同じこと。彼女は息子を心から愛していた。ただでさえ夫のスキャンダルで心を痛めているのです。愛する息子が死んだなんて、信じたくないはずです。”多少”性格が変わったとしても、それは”生きている”からこそ」 そして、再び愉悦を纏った笑みを浮かべて宣言する。 「皆様、今一度お考えください」 「ワタシと彼。双子のように瓜二つの容貌。性別など、いくらでも誤魔化せる」 「ここに生きているのは――アズリー・ジェミニではない。エイドリアン・ジェミニです」 「皆様にとっても、それが一番安全で賢い選択でしょう。共にこの真実を守り抜きましょう」 それが、事の顛末だ。 残されたのは瓜二つの影武者。 使用人たちは恐怖と保身から沈黙を選び、当主はすべてを察しながらも黙認した。 そもそも当主は、もとよりその為に彼女を屋敷へ置いたのだろう。 正妻は愛する「息子」を疑おうともせず、信じ続けた。 こうして「アズリー・ジェミニ」は世界から消え、 代わりに「エイドリアン・ジェミニ」が誕生したのだ。 その日を境に、アズリーという名は二度と呼ばれることはなかった。 ―――何があっても生き抜きなさい。 母の最後の言葉を胸に刻む。名を捨てても、生きていることには変わりはない。 そうして、“彼”の第二の人生が幕を開けたのである。 ▼ 名前の由来 ♊️表の名前 Adrian・Gemini (エイドリアン・ジェミニ) Adrian 「アドリアから来た人」「アドリア海の人」 ケルト文化では海の向こうは「あの世」とされている。 一度死んであの世、すなわち死者の国から来てこの名として再び生を受けた。 Adrienne (アドリエンヌ) エイドリアンの女性形。 愛称をアディ＆エイディと語呂良く呼ばせたかったのと、双子っぽく対にしたかったのでこの名前に。 ♊️過去の名前 Azley・Murphy (アズリー・マーフィー) Azley 「死を司る天使」アズラエルより Murphy アイルランドでもっともポピュラーな苗字。意味は「海の戦士」。 敢えてこじつけるなら ”海は原初の生命が誕生した場所であり、命を飲み込む死の象徴”でもある。 そんな海を象徴(生と死)を象徴する戦士的な(？) - ▽ 蛇足Q＆Aひとくちメモ (読まなくて大丈夫です) ⚠️ R-18要素アリ PASS：アズラエル https://fse.tw/Krl3SCdC

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