タグ： 浅凪レイリ

【キック】 登山では両手が塞がる状況が多く、 とっさの場面で「足で距離を作る」ことを自然と覚えた。 【追跡】 登山中も、研鑽の最中も、 ただひたすら親友の背中を追い続けてきた。 その積み重ねの中で、足跡や装備の痕、わずかな地形の乱れといった 人や物の痕跡を辿る能力が、いつの間にか身についていた。 【ナビゲート】 未知の山域に向かう親友の話を聞くたびに、 「せめて迷わず帰れる人間でいたい」と思い、地図の読み方や地形把握を徹底的に叩き込んだ。 【応急手当】 山では助けを呼べない場面が多いことを知っていた。 登山講習や実地訓練で身につけた。 【回避】 登山中の落石や足場の崩れなど、 「一瞬の判断で生死が分かれる」状況を何度も経験するうちに、 反射的に身をかわす癖がついた。 【背景要約】 親友に密かな恋心を抱きながら、その隣に立つため登山技術を磨いてきた。 未知の山脈へ向かった親友を引き留めきれず、行方不明となったことを今も悔いている。 毎日神に祈り続けることで正気を保ちながら、 「待つくらいなら迎えに行く」と第二次登山隊に自ら志願した。 伝えられなかった想いに、決着をつけるために。 【背景】 誰にも言っていない。 親友に、密かな恋心を抱いていることを。 それが片思いだということも、分かっていた。 だから伝えなかった。 この関係が壊れるくらいなら、胸の奥にしまっておけばいいと思っていた。 あなたの隣にいるために、努力した。 登山の知識を学び、体を鍛え、少しでも同じ景色を見られるようにと必死だった。 （長く一緒にいられれば、それでいい） そう思っていたのに、あなたは一人で行くと言った。 未知の巨大な山脈へ、前人未到の地へ。 裏切られた気持ちと、強い不安が入り混じったまま、引き留めたが それでも、あなたは行ってしまった。 それから毎日、神に祈った。 信じていなかったはずの神に、無事を願い続けた。 だが、帰ってくることはなかった。 それでも信じなければ、壊れてしまいそうだった。 だから今日も祈る。 いつか帰ってくると、自分に言い聞かせるために。 そんな中で、第二次登山隊の募集を知った。 迷いはなかった。 （迎えに行くしかない） 待ち続けるくらいなら、自分から行く。 離ればなれになるくらいなら、この気持ちを伝えたい。 だから彼女は、第二次登山隊に志願した。 祈るだけの人間でいるのをやめるために。 あなたのもとへ、たとえ何が待っていても。

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