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紀場=ツヴァイトカッツェ・灯乃
10月26日よりキャラクター保管所はメンテナンスを行います。
約1週間~2週間程度を予定しております。データのバックアップをお願いします。
ID:5569029
MD:0aff5d71c95688eb2b4a4dfce1b2d15f
紀場=ツヴァイトカッツェ・灯乃
タグ:
なまこ式
高校生
怪火の舌の毛づくろい
紀場家
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生まれ・能力値
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その他増加分
一時的増減
現在値
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初期
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デア
幸運
知識
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SAN
現在SAN値
/
(不定領域:
)
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技能
職業P
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(うち追加分:
)
興味P
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(うち追加分:
)
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初期値の技能を隠す
複数回成長モード
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通常表示
<戦闘技能>
成長
戦闘技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
回避
キック
組み付き
こぶし(パンチ)
頭突き
投擲
マーシャルアーツ
拳銃
サブマシンガン
ショットガン
マシンガン
ライフル
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<探索技能>
成長
探索技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
応急手当
鍵開け
隠す
隠れる
聞き耳
忍び歩き
写真術
精神分析
追跡
登攀
図書館
目星
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<行動技能>
成長
行動技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
運転(
)
機械修理
重機械操作
乗馬
水泳
製作(
)
操縦(
)
跳躍
電気修理
ナビゲート
変装
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<交渉技能>
成長
交渉技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
言いくるめ
信用
説得
値切り
母国語(
)
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<知識技能>
成長
知識技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
医学
オカルト
化学
クトゥルフ神話
芸術(
)
経理
考古学
コンピューター
心理学
人類学
生物学
地質学
電子工学
天文学
博物学
物理学
法律
薬学
歴史
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戦闘・武器・防具
ダメージボーナス:
名前
成功率
ダメージ
射程
攻撃回数
装弾数
耐久力
その他
%
%
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所持品・所持金
名称
単価
個
価格
効果・備考など
価格総計
現在の所持金:
、 預金・借金:
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パーソナルデータ
キャラクター名
タグ
職業
年齢
性別
身長
体重
出身
髪の色
瞳の色
肌の色
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その他メモ
2015特徴表:俊敏、バイリンガル 名前の元になった神話生物:炎の精 名前の読みは「キイバ=ツヴァイトカッツェ・ホノ」。サインが必要な際は「Kiiba=2katze Hono」というようにZweiteをアラビア数字の2に省略する。 振斗区の名家『紀場家』の出身であると同時に、ツヴァイトカッツェ家の現当主。現在、彼女自身は高校生として振斗高校に通っており、また学生の身でありながら不動産・AI技術の分野に多くの資産を有する事業家でもある。「殆どお飾りの身分」と本人は言っているが、あまり人に詳しいことは話さない。 その性格は活発にして善良。が、少し人見知りでわがままな側面も併せ持つ……というより、一度気に入った相手への好意のぶつけ方と、そうでもない相手の前で見せる大人しさの落差が激しい。ある人には頻繁に抱き着いたり「にゃーん❤」と鳴きながら屈んで頭をすり付けたりする傍ら、別のある人が来ると距離を離れて物陰に隠れて無表情に様子を窺う、といった具合である。人間友好度はかなり高いので、塩対応する相手のことが嫌いというわけではなくただ接し方がわからないだけである。たぶん。体格がとても大きい人間がこれをやるので、少し変な絵面かもしれない。 基本的にどこか幼い振る舞いに反して、根っこは理知的で冷静、少しクレバーでもある。少し独特な感性が悪さをすることはあれど、勉学も社会規範もコミュニケーションも「遊びとして楽しむことができるもの」として満喫しているため、総合的に見てかなりの優等生。それでも勉強が退屈になることはあるらしいが。 とはいえ、弁明のしようもないほどあざといこと、彼女との関わり方が腑に落ちない者が存在することは事実である。保守的な大人からは見るからに評価が低くなりそうな性格だが、本人なりに飄々とうまく立ち回っているのか、問題が表出したことはあまり無い。今のところ。 基本的な嗜好は派手好きで、キラキラしたものや概念に愛着を持っているが、趣味は「廃墟巡り、山奥等にある無人のお屋敷漁り」とかなり渋い上に奇妙。人は好きだけど、人との関わりに疲れを感じることもあるから、たまに静かな場所で過ごしたい……というのが本人の弁。 「学生が一人では危ない」という考えは一応持ち合わせているのか、学校の友人、どこからか知り合ってきた大人などに協力要請を送り、目を付けたロケーションを探検する小さなチームを結成することがある。この時に赴く廃墟・お屋敷は、彼女がなんらかの手段で不動産の権利を手に入れたものだったり、そうじゃなかったりする。 探検モードの時の彼女はいつにも増して奔放で、同行者を省みず少し危なっかしい印象すらある。中でも、「そこに人間が暮らしていたことを感じられる痕跡」「人間が残した日記や手記、メモ書き」などを発見できるととても喜び、そういったものを保全・保管しようとする。わざわざこんな趣味を持っているのはそれが目的かもしれない。 が、派手好きが災いし、自分の鞄にしまっておいた戦利品の手記、ひどい場合は屋敷全体に至るまで、「お庭で遊ぶため」と言って持ってきた花火の類によってうっかり焼いてしまうことがある。事故にしてはやけに頻繁に起こるため、本人は「名前の呪い」なのではないかと疑っている。 或る祝日の日暮れ、いつもとまるで違う洋風の装飾にシャンパングラスをいくつも屹立させる大衆食堂は、本来ならば今日、定休日である筈だった。 「……ご苦労様です、皆さん。今回も名演技でしたね」 針を抜き去りながら、アルカイックスマイルで周囲に目配せする男の姿。足下にはゴミが転がっている……それを片付けさせるための、言葉無き指示。 幾ばくかの興奮を抑えながら、男は今日の計画を振り返った。このような仕事は今日が初めてではない。組織にとって重要なターゲット、その身柄を拘束するための、嘘のパーティ。油断を誘うためのギミックだった送迎の高級車はこれから、先程と同じ人物を、異なる場所へ運ぶ手筈だ。一見ただのゴミでも、適切な鑑定があれば宝物に、商品になり得る。万事恙なく完了し、あとは皆揃って、闇の中へ帰るだけ…… 彼も予期していなかったトラブルが、一つだけこの場に残っていた。次の予定まではまだ空きがある。彼は、気付いていながら後回しにしていた"それ"と、酒を飲み交わしてみることを選び、対面に座った。 「!」 「こんばんは、お嬢さん。まさか、バレないとは思っていませんでしたよね」 「……はい。あなたの方から来てくれるとは、思ってませんでしたけど」 「私たちの"業務"を見たようですね。ひょっとして、自分も同じ目に遭うのでは、とは思いませんでしたか? お察しの通り、ここにいる人員は、貴女以外……全員、私と所属を同じくする者です」 背丈だけ比べるなら、男よりも女のほうがより高い。しかし、女の方はこういった状況に免疫がなく、まるで子供のようだった。 「あの人は、これからどうなるんですか?」 「残念ながら、業務上の守秘義務というものがありまして。ただ……そうですね、我々はビジネスマンである、とだけ」 「自己紹介させてください。紀場=ツヴァイトカッツェ・灯乃です。これで、あなたたちのビジネスに参加させてくれますか」 「……ほう?」 ツヴァイトカッツェ。男にとっては、つい最近目にしたばかりの名前である。 先程の"ゴミ"……確保したばかりの人身はかつて、出自をドイツに持つ魔術師の名門の出身だと自称していた。極めて高度な神秘を取り扱うとされ、未だ謎多き連合Twelve constellationにも属するという、███家……輝かしい経歴に反して、数年前か数十年前、つまりは近現代のいずれかの時期から、経済的に好ましくない問題を抱えていたのだという。 伝統を守ったまま日に日に衰弱していく中で、つい先日、何者かによって買収的工作を仕掛けられ、家ごと乗っ取られてしまった。というのが、男がこれまでに知っていた経緯。付け加えるなら、組織の調べによると、新体制の███家は「ツヴァイトカッツェ」という号を改めて掲げたのだとか。 「あの男は、乗っ取りを企てた存在のことを、『猫』と呼んでいました。なるほど、それが貴女なのですね」 「……その……私の、せい、ですか? あの人が、これから……」 「ハハ。申し訳ありませんが、"もしも"の話が私はあまり好きでなく。ただ、個人の考えを述べるなら……如何なる人間も、他者の軽率さの責任を代わりに背負うことなど、できないでしょう」 「………………」 「して、貴女はなぜ此処に? ……中々グラスが空かないようですね。遠慮しなくてもいいのですよ、とんだ安物ですが、友と飲み交わすならどんな水も美酒になり得るというもの――」 「ボス、この子たぶん未成年っすよ」、と隣から部下に指摘され、男は閉口した。彼の感覚は完全に狂人のそれで、殺人や窃盗、麻薬取引などいくつもの悪事に手を染めていても、未成年飲酒には異なる心理的ハードルを感じるのである。 「ここには……多分、あの人の書いたものだと思うんですけど、メモを盗み見て来ました。私の知るべきことが、そこにあると思って」 「メモ、ですか。ははあ、なるほど、それはそれは……」 「本当に、それだけで……何か目的があるとかじゃ、ないんですけど……」 「目的があるとかじゃない。ふむ、つまるところ、貴女自身はまだ、魔術に通じていないのですね? しかし、一方で……あの男の痕跡を、小さいメモ書きを見つける程ひっくり返した以上、それがどういった物であるかは理解している、といった状況でしょうか。見たところ、人並み以上に聡く、また気丈でもありそうです」 「……そんな人じゃないです。私……全然、臆病で……」 「貴女が持っている疑問に、順にお答えしましょう。そうですね、まず、我々の活動目的は……これといった大義ではありませんが。ただ、価値あるモノは、すなわち投資の対象にもなる、ということです」 男が語る。自らの名、組織の名、そしてこれまでに積み重ねてきた血腥い仕事の数々を。 組織の目的は、平易に表現するならば、魔術や呪いなど、超常的な力を秘めているとされる情報や物品を売り買いすること。そしてその延長線上に、そういった知識や力を蓄え、そして正気を失った人間をもマーケットに並べる、人身売買の要素を含むこと。"少女"はそれを聞くと、一緒になって秘密を噛み殺すような、苦そうな顔をした。 「つきましては、連絡先を差し上げようかと。通常のコールセンターとは別管轄で、スタッフが24時間対応しますので、いつでもお掛けください」 「えっ!? いや、私そういうつもりってわけじゃ……」 「魔術師の母屋を取り、曲がりなりにもその世界との繋がりを持った以上、貴女の周りに奇妙な兆しが現れるということが、これから先あり得ない話ではありません。持て余し、処分に困るような代物が見つかってしまうこともあるでしょう。別に買い叩こうなんて気もありませんとも、関係の維持に最大限プラスの影響を与えられるような値で、そちらの問題を――」 「あのっ、ごめんなさい。私、ちょっと考え方が違うみたいで……」 「……なるほど。その心は?」 「全部知ってるわけじゃないです。けど、その……魔術書? っていうのかはわかりませんけど、外国語から翻訳したものっぽい文章が、地下にありました。それは、斜め読みって感じで、見て……」 「この世にあっちゃいけない、って思いました。だから、あなた達が言う、お金でそういうものの取引とかには、賛成できません」 会話を側で見守っていた"構成員"たちが、少しずつ顔をしかめる。社内教育の甲斐あって、組織が持つ営利の理念に基づき、そういった状況判別のできるスタッフが揃っている…… 一方、男はというと、これが想定内とでも言うように、驚きのない落胆を浮かべるだけだった。 「で、でも。思ってることは、他にもあって……」 「……?」 「本を全部焼いたり、呪いが掛かった物を全部壊したりしても。その本に書いてあるバケモノとか、物に呪いをかけた人が、この世から消えてなくなるわけじゃ、ないじゃないですか」 「ええ、勿論。それが何か?」 「だから。そう考えると……『ただ目を塞いで逃げちゃいけない』、っていうか。もしかしたら、あなた達みたいな……目的がどうあれ、ちゃんとこういう世界に詳しい人、詳しくなろうとしてる人も、必要なのかな……って」 「……ふむふむ、そうですかそうですか。しかし貴女、ついさっき"この世にあっちゃいけない"だとか、感情的なことを言ったばかりですよ」 「それは、私がそう思ってる、ってだけの話です! だから……実際にどうするべきか、とは関係ないです」 少しの沈黙の後、堪え切れず、男が笑いを声に漏らす。その笑いはしばらく続く。心なしか、経過を観察していた構成員らも、再び感情を……それぞれの感想を面立ちに反映しているように見えた。 男が息を継ぎ直すと、スマートフォンの操作の後、どこかに電話をかける。その声は、わざと少女に聞かせているようでもあった。 「――私です。そうです、察しが良いですね、███家からの物品……そろそろ初期評価が完了したところかと思いまして」 「っ!? そ、それって――」 「事情が変わりました。███家……今は、ツヴァイトカッツェですか。骨腱部門と連絡連携して住所を確認、そこに送り返してください。はい、無償で」 「ええっ!!?」 「ああ、それと、"正常性の破壊を伴いかねない手段についての実践的な内容"がその中に記されていた場合、プロトコルに従って完全な削除を。サービスの一環ですから、くれぐれも漏れがないように。はい、それでは――」 「……い、いいんですか? だって、あなた達にとっては商品だったんじゃ」 「それは、私がそう思っている、というだけですよ。あらゆる物事には常に、別の観点が存在するのですから」 「……ごめんなさい。なるべく迷惑にならないように、って思ってたんですけど……」 「あははっ、お気になさらず。むしろ、お聞かせ頂いた持論……ええ、大変好ましい考え方である、と受け止めますとも」 素晴らしい出会いに乾杯、と気取った台詞を吐きながら、少女が放置したグラスに、厚かましくも上から自分のグラスをぶつける男。彼女がどんなつもりであれ、男は、そしてそれが体現するところである組織は、彼女に特別な関心を寄せることに決めていた。 「ああ……一つ、忠告しておきましょう。ご自分を突き動かしている変え難い感情、いわゆる信念というものは、隠しておくほうが賢明ですよ。貴女は我々の組織にとって有望な人物と認められましたが、感情的な宣言のお陰で同時に、要注意対象ともなってしまいました」 「? ……そんなに変でした?」 「変、というわけでもありませんが」 「だって、こういう人間ですって先に言っておいたほうが、迷惑にならないじゃないですか」 「………………」 男はその日初めて、返事に窮した。時として、異界の法則に明るいことは、現世の道理に暗いことを意味するのである。 紀場灯乃は、しばしば"『猫』一族"を自称する、極めて好奇心旺盛な一族の血を引いている。 実際に多くの猫を飼育していること、世界各国の工芸品・宝飾品を集めていてその形で資産を持っていることなど独自の文化を持っており、一応その点で帰属意識を持つらしいが、基本的にこの家のものは自由人と言われている。 「興味深い営みを行っている家門に、無理やり上がり込んで一体化する」という奇特な慣習を持つ彼らは、人間に取り入ろうとする際の手段として当主格の人間さえ頻繁に嫁いだり婿養子に入ったりするため、決まった姓を持っている時期は歴史を通して見てもほとんどない。ツヴァイトカッツェという現在の苗字も、彼女がTwelve constellationに自分たちを位置付けるため、必要に応じて考え出したものに過ぎない……が、それ以外の呼びようもないので、必要に応じてこれを名乗ることが出来る状態の子供が他にも沢山いるのだとか。 そんな一族出身の母と紀場家の父の間に生まれたものの、彼女がまだ幼い頃、母親が好奇心を抑えられず長い旅に出てしまう。趣味が多様化し、あらゆる種類の誘惑が飽和した現代において、『猫』一族の人間が己の興味によって暴走することはそれほど珍しくないらしい。 ある時期は父に協力し、未成年にして紀場家の繁栄に向けた事業を進めていたが、紆余曲折を経て方針転換の必要を感じた彼女は、最初の一手としてとある家系の乗っ取りを企て、成功した。その時点の彼女は全貌を知っているわけではなかったが、そこは12の魔術師集団が連なる連合"Twelve constellation"において序列2位に立つ、"うお座"の家系であった。そんな経緯から、ツヴァイトカッツェはこの連合の中では"うお座喰らいの猫"と呼ばれることも。 結果として彼女は、魔術について知っていることがほぼ無い状態で、肩書だけ魔術師になってしまったのである。 Twelve constellationに属する家系は、それぞれ役割を果たすことが求められる。ツヴァイトカッツェ家が担う役は、『正気のすり減った魔術師を猫と触れ合わせるアニマルセラピーで精神を回復させる』『魔術師を志す新入りに対し、簡易かつ安全な魔術を教えて適性を計り、同時に初歩を教育する』の2つ…… に、彼女の思想を知っているものにだけ提供する、『魔導書・アーティファクトやそれに類する物品を、供養や解呪ののち処分するサービス』を加えた計3つ。なお、彼女自身がまだ魔術師として未熟である故に、『解呪』についてはまだ目標段階と言わざるを得ない。どうしても今すぐに必要と乞われた場合は、しっかり説明した上で、とある信用ならない"組織"に対応を丸投げしてしまうことも…… 彼女が『屋敷や廃墟、メモ書きなどの記述物を燃やしてしまう』ことは、事故ではなく完全に故意。これらの説明は、事の次第を家族などの他者に問い詰められた際のカバーストーリーにすぎない。誰かが現場に居合わせた際は口裏を合わせるように求めるだろう。 現在の彼女は、「人の精神を蝕んだり、人の生活を脅かす種類の魔術・呪い・現象に関する知識を、なるべく人々から遠ざける」ことを秘めたる目標として掲げており、場合にもよるが、その為には火を使うような過激な行動にも出る。 発端は、彼女がツヴァイトカッツェと名を改めた直後、"うお座"魔術師たちの本拠地、その地下。残された魔術に関わる痕跡の数々を見た彼女は、そこで人生最大の驚嘆を抱くと同時に、大きな精神的ショックを受けることになる。 その"手記"の中には、曲がりなりにも良心や創造性を持ち合わせる"普通の人間"だったはずの人物が、ある種の情報に触れたことで、精神をひどく蝕まれ、じわじわとやせ細り凶暴に変わっていくイメージが、段階を踏んで描き出されていた。 彼女はこれにひどく心を痛めた。そして、何の因果か、ただの趣味として行っていたはずの廃墟巡りで、彼女は同じ種類の事件を目撃する。そこでも人間が、正気を削り取られ、真実への絶望と悲観の中に、知りもしない"神"の名前を、繰り返し叫ぶように紙へ書き殴っていたのである。 それまでは漠然とした恐怖を抱いていた彼女だが、ここで感情が裏返り、怒りに転じる。 彼女は"手記"を見つけ、その中に目を通す時、孤独に浸った人間それぞれの哲学がそこに記されていてほしい、と願っていた。彼女が人間を愛するが故である。そうして興味を向けた内容には、卑劣な罠のように仕込まれている、そしてしばしば書き手の精神を蝕んだ犯人でもある、おぞましい"知識"が稀に眠っているのだという。 尊いはずの遺産に紛れるこれらのアイデアを、彼女は『ブドウに湧いたカビ』『チーズに湧いた虫』と位置づけ、徹底して唾棄することに決めた。 インターホンを押すと、ワンちゃんの暴れる声が少し聞こえた後、しわくちゃの服の女性が現れた。 私は今、Twelve constellationの天守閣にいる。ここに、私が"うお座"の人からさんざんネガティブに説明された、この魔術師集団の実質的ボスがいる。らしい。 きょろきょろしていると、手招きで少し導かれたあと、私のお目当ての人が待っているドアを、指差しで示される。そうしたあと、その女性は曲がり角に溶け込むようにして消えていった。びっくりするほど、普通の内装……それが、むしろ異常に思える。何でもない筈の影が、今は大きく見える。 「来たようだね。入ると良い」 一瞬の緊張の後、扉を引いて開くと、彼はそこに座っていた。テレビの前に座り、ミニトマトをかじっていて、なんの緊張感もなかった。 「初めまして、だな。ああ、初めましてだ……恐らく、これが最後の面会ともならないだろう」 「あ、あはは。その……紀場灯乃、って言います。えと……灯乃、って呼んでくれれば」 「ツヴァイトカッツェ。我々が招き入れた覚えの無い名」 「……それは」 ごめんなさい、という意味を込めて、頭を下げる。すると私の頭頂の向こうから、まるで風刺でも聞いたように、軽い笑い声。 「そのような例がゼロというわけでもない。つまり、その点に限って我々は拘らない」 「ありがとうございます。その――」 「████は……お前をここへ送った者は、お前に何と?」 「へ? えっと……な、なんだっけ。"うお座"の人は、確か、あなたと話し終わるころには、お前は魔術の何たるかを知ってる存在になる、って……」 「ふむ。如何にも……如何にも、あいつの弁だ」 「ならば我々も、言伝を頼もう。"苦労をかけたな"と。尤も、こんな言葉は一顧だにもされないかもしれないがな」 上手く言葉にできないけど、人間と話している感じがしなかった。そう思うと、遅れて予感がやってくる……私、ついに、文字や挿絵じゃない、"実物"と会ってしまったのかもしれない。 怪物、使者、もしかしたら……神さま。彼は、"一ノ世綺稀"は、そういうものなの? それが、なんで……こんな普通の街中に。 「……全てを今日、話すべきだとは思わない。話すことは、重要な事柄に絞るべきだろう」 「我々からの質問は一度きりにする。、そして、それに対するお前の回答も、一度きりにする」 「そして、この問答はお前の運命を占う。運命を想い、よく考えることだ」 「お前は、『猫』か? それとも、『蛇』か?」 一瞬、なんの質問かわからなかった。 けど……きっと私を試しているんだ、ってことが私の中でハッキリした。不思議なことにそれは、私の昔からの悩みを言い当てているようでもあった。だからこそ、答えは一向に思いつかなくて。猫と答えることで、蛇と答えることで、これから『ツヴァイトカッツェ』がどう扱われるかって思うと……そんな駆け引きに真意の存在はきっとなくて、だから普通の言葉すらも出てこない。 彼は、視線を逸らさず、ずっとこっちを見ている。不思議な色がそう思わせるのかもしれない、時々左右の動きがずれて、2つの剣で切りかかるように、私を見る。問いに答えられず、その場に縛められたような私は、ただひたすらに無力だった。もしかしたら、弄ばれているのかもしれない。こんな簡単な言葉一つで動けなくなるさまを―― 「少し意地悪だったかもしれないな」 「やめにしよう。そして、助言を一つ」 「どのように答えても、"そのことはお前にとって意味を持たない"。それよりも、"そのように悩む姿こそが最もお前を体現している"」 「「我々の目には、そう視えている」」 「………………!?」 「それを踏まえながら、もう一度。順序が逆だが、これが例題だ」 「ま、ちょっ、待ってください!!! あなたは……綺稀さん、えっと、違う、なんてお呼びすれば――」 「お前は、『魔術師』か? それとも、『ただの人間』か?」 まるで禅問答のよう。でも、さっきと比べれば、答えるべき内容がわかる気がした。 「……綺稀さん。その……」 「ああ」 「また、遊びに来ても、いいですか?」 「……生憎だが、いつもこの家に居るわけではない。用事次第で、友人に留守を任せていることもある」 「そ、それは。……大丈夫です! 私、運は良いほうなので」 「……良いことだ。全くもってそうだ」 促されたわけでもなく、この日はこれで解散。帰りがけ、そのままでは鍵が開きっぱなしになってしまうので、どこかに向かって「お邪魔しました」と声を張る。外に出ると、思ったより全然時間は経っていなくて、お日さまの位置がほとんどそのままだった。 良い収穫だった。でも同時に、悩ましいことを知っちゃったかもしれない。 "魔術師"は、みんながみんな、おかしくなっているわけじゃない。いや、広い意味ではおかしかったかもしれないけど。欲望に溺れたりとか、嫌なものから目を背けたりとか……そういうんじゃない魔術師も、ちゃんと存在してる。 ……それがわかったからって、人をおかしくさせる種類の魔術も、別のどこかにある。私は、"魔術と向き合って生きることに決めた"人が、私にとって守りたい人たちのリストに加わったのを感じた。それはつまり、考えなきゃいけないことがまだいくつもあるってこと。 少なくとも、私はこれを希望だと思った。暗い海の闇の中、手で覆えば隠れてしまうほどの光だけど……今日からの私の目には、それがちゃんと視えるってこと。
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歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました
(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
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エラーメッセージ
「クトゥルフ神話TRPG」は
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の著作物です。
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