タグ： 空良さん さとう そらよし卓

陸軍学校卒業後、軍に入隊する。エリートコースを進んできた華族の一人息子、いわゆるおぼっちゃまである。 一般的には賢い部類に入るのだろうが、彼の世界では通用しなかったようだ。 大した才能もないのに家の力だろう、などと影でバカにされていることを、日永は知っていた。 ただし、剣の腕が立ったことと、「家の力」によって守られたこと、また、彼自身少々自意識が過剰すぎるきらいはあるけれど、悪人ではなかったため、悪ぶる、などということはできなかった。 かといって現状に開き直り切ることも出来かねていたある日、日永はひとりの青年探偵と出会う。 最初は好感と興味を持って彼を手伝った日永であったが、すぐさま彼との出会いを後悔し、厄介な男に関わってしまった自分自身を呪うのであった。 それでも探偵事務所に通うことを辞めない日永のなかにある感情は、それだけではないらしい。 日永自身、気づいているのかいないのか。 世話焼きと自称し、坊っちゃまらしく気位の高い日永のことであるから、気付いていて目を背けているのかもしれない。 さて、今回もその腐れ縁の青年探偵のもとに持ち寄られた事件に首をつっこむ、……もとい、巻き込まれたことから、日永新の物語は始まる。 SANC

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