タグ： 藤鷹リリー

政治家であった父親は、自身と関わりの深かったFHの研究所へ幼い娘を引き渡した。 この実験が成功し、発表されれば少なからず自身の支持率の上昇へと繋がるからだ。 そうして娘は物心つくまえに研究所へと――レネゲイド強化実験の被験者となった。 カルテナンバー【BH-0550】　幾度となく行われた実験は着実に彼女を作り変えていく。 --------------- やがて実験は終了を迎える。彼女のレネゲイドの歪曲と、実験結果の抹消という形で。 つまりは失敗だ。他の実験体も、友人もジャーム化し、彼女もまた不安定な存在となった。 彼女は実験の終了と共にクロスブリードとなり、なかった事にされた。 失われた記録、ロストナンバー。 実験体の彼女の存在が死んだ日は、皮肉にも新たな人生を歩む彼女の生まれた日となった。 κεραυνός　καλόγρια　-ケラヴノス・マギサ- 雷の魔女として。 --------------- 身体に埋め込まれた機械により、30歳になった今でも容姿が小学生なのを気にしている。 高校教師をしているが、黒板の上に手が届かないため台の上に乗っている。 名前は自分でつけた。子供っぽく聞こえるが本人は結構お気に入りのようだ。 しかし可愛いと言われると機嫌を損ねる。 --------------- 「我が名は雷の魔女！貴様等に私の刹那の稲妻を躱せるものか！！」 「煩い、可愛いと言うな！」 「（レネゲイド強化より身長が欲しかった）」

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