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敬虔なカトリックの神父。白い手袋とロザリオは手放さない。 砂糖菓子七つ～Seven Little Meringue dolls～ ロスト 生まれてすぐに日本に来たため、日本語以外は話せない。教会でより多くの人に教えを説いてきた。ある日、古くなっていた教会の修繕のために訪れた大工の男と話をするようになり、大工の男、桝本萩は修繕が終わってからも足繁く教会に通うようになる。 カトリックの教えでは、結婚はできない。ましてや同性との恋愛は処刑でもある。なので、目黒は桝本に何も言わなかったし、桝本も目黒に手も触れなかった。だが、お互いの想いをわかっている関係が10年続いた。 だが、ある日、桝本がぴたりと現れなくなった。電子機器に疎く、電話も持っていなかった目黒は、そのうち来るだろうと教会で待っていた。 一週間もした頃、桝本が教会に現れた。物言わぬ骸となって。 大工の仕事中、事故に合って酷く頭を打ち付け、5日間も生死の境を彷徨い続けた桝本は、最後に目を覚まし、目黒の名前を呼んだという。それから帰らぬ人になった。 周りは、敬虔なクリスチャンになった桝本が、目黒に葬儀を頼もうとしたのだと思い、目黒の元へその話をしに来ていた。目黒は、それを断ることはできなかった。桝本は敬虔なクリスチャンであって、目黒の友人であって、特別な関係などなかったのだから。 そうして、目黒は、桝本の葬儀を執り行った。故人の原罪を神に詫び、許しを乞う祝詞を。 その葬儀が終わり、土葬されたその後、目黒にはもう信仰心など残ってはいなかった。 神に奪われた愛しい人を、冒涜的な神によって取り返すことだけが、目黒の生きる意味になった。

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