タグ： せん まさき

占い師の一族に生まれた。幼いころから、占う術を叩き込まれたが、当の本人はまったく信用していない。ただ口がうまく、相手を信用させることが器用なようで、そこそこ有名である。 特筆することは何もない。占うことしか知らない、ほかにやりたいこともない、ただただ血を絶やすなと、幼いころから言われ続けていたためそのために生きている哀しい男だ。 子供もいる。しかし、妻にも子供にも愛はあるのか。 迷った時は水晶で占う癖がある。だが、いい未来も悪い未来も俺には見ることができない。占いの手順を知っているだけだ。 俺のすべては口からのでまかせだけだ。 2016.09.13 「死にたがり電車」 ある日いつものように電車に乗って、仕事に行こうとした夕方。何者かに押され・・・ ニュースで事件を知った。年頃はあの子と同じくらいだ。そしてあの叫び声はきっと男の子なんだろう。幼女を電車の中に置いてきてしまった。いや、もしかしたらあの子たちとは関係ないかもしれない。水晶で占ってもわかるわけもないのに、つい占ってしまう。見えたのは幼い子供のちぎれた手だけだった。

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