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[設定] 　ヒーローに憧れた一人の少女がいた。少女はとても病弱でいつも独りだった。ヒーローになるなんて夢のまた夢だった。 　少女は物語に願いを込めた。自分がヒーローになって世界を救う物語を書いた。 　少女の両親が死んだ。ヒーローが間に合わずヴィランに殺されたらしい。 　少女は気づいた。ただの正義の味方じゃダメだ。それじゃあ、弱すぎる。 　少女は夢想した。どんな事件にも間に合う正義の味方を 　そして、こんな自分みたいな病弱で独りな子にも笑いかけてくれる優しい人を。そして言うんだ「こんにちは」と 　夢想するだけだった。夢の産物だった。だが、少女は満たされた。 　物語を書いていくにつれ、少女はヴィランとヒーローの行いが似ていることに気づいた 　少女は筆を持った。世界を助ける英雄ではなく、自分の隣に・・・孤独な人の隣に寄り添い、助けてくれる悪を名乗る正義の味方・・・魔王の物語を 　正義とは弱く儚いものである。それらを守る異端なる悪こそが正義の味方。でもただの正義の味方じゃダメだ。悪の頂点魔王でなければ。 　少女は物語をネットに流した。ただの自己満足。人の評価など気にしなかった。 　次の物語を書こうとした少女の病室がヴィランに襲われた。振り下ろされる凶爪。ヒーローは・・・間に合わない 　全てを諦めた少女の目に入ったのはヴィランではなく、ばらまかれた机から出てきた一枚の絵 　ずっと夢見てきた魔王の絵。彼女は願った。「助けて・・・私の魔王様（ヒーロー）！」 　痛みを待つかのように目を閉じる少女・・・しかし痛みは一向に訪れることはなく、目を開けると 　少女にトドメを刺そうとした化け物は黒い球体にのまれ消え、代わりに一人の少年が立っていた。 　少女はその少年を見て言った「こんにちは。滅独魔王・・・朝日凶夜」 　少女に作られ、少女の物語を見たものの願いが集まった結果レネゲイドビーイングとして生まれた正義の味方。 　孤独ではなくなった人からは必要とされない。前を向いたら必要とされない悲しい魔王。 　魔王は少女にこう返した。「こんにちは。もう大丈夫・・・僕に任せて」 　 [その後] 　ヒーロー免許を持たずヴィジランテとして当初活動していた凶夜は、RBの少女と出会う。そして、少女との出会いが凶夜をヒーローの道へと誘った。少女の名はルー。ウロボロスのピュアブリードで近接型。凶夜はバロールピュアのRC遠距離型だったため、戦闘の相性がよく、さらに、明るく元気なルーに凶夜は惹かれていた。幸せな日々が続いた・・・しかし、そんな幸せはヴィランにより打ち砕かれる。ヴィランに襲われ逃げ惑う人々のうち少年がヴィランに殺されえかけていた。凶夜はその光景を見て「間に合わない！」そう判断したが、ルーは突如信じられない速度で動き、少年を庇い致命傷を負った。ヴィランを瞬殺し、ルーに凶夜は駆け寄った 凶夜「ルー！大丈夫！！？」 ルー「あはは・・・ガード・・・間に合わなかったや・・・ねえ、あの子は？」 凶夜「大丈夫ルーのおかげで無傷だ！絶対助けるから頑張ってくれ！」救護班に連絡しようとする凶夜の手をルーが止める ルー「もういいよ・・・間に合わない。ねえ、凶夜・・・お願いがあるの・・・」 凶夜「！！？・・・何でも言って・・・絶対叶えるよ」断腸の思いでルーの願いを聞く ルー「私の力を受け取ってほしいの・・・本当は引き継いできた力だけでもいいんだけど・・・私のウロボロスも受け取ってほしい」 ルー「そのせいで・・・凶夜の力は弱くなる・・・いや、失われる可能性だってある・・・それでも・・・受け取ってくれる？」 凶夜「ああ・・・僕がどうなろうと知ったことじゃない・・・君の力を全て僕が引き継ぐよ」 ルー「ありがとう」そうニッコリ笑いながら凶夜に口づけをする すると、ルーの体は光りの粒子となり凶夜に吸収されていくその中でルーの感情が流れ込んでくる ルー「（死にたくない！もっと、凶夜と一緒にいたい！もっと、凶夜の笑顔が見たい！凶夜を・・・独りにしたくないよぉ！）」 彼女の本当の願い。その思いと共にウロボロスと今まで引き継がれてきた力を受け取る そのせいで、凶夜はRCを主体とした攻撃が一切できなくなったが・・・後悔はしない 「この力を鍛え上げて僕は僕らの夢を果たす・・・だから今だけは・・・弱い僕で居させて・・・」 その決意を胸に宿し、慟哭とともに凶夜は新たな正義の味方(異端なる悪)への道を歩み始める

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