タグ： 一 水鏡市

「……何でこう、素直に優秀なのがいねぇんだウチの支部は」 自堕落気味の探偵兼ＵＧＮエージェント。 不可視の領域を駆使した尾行を生かして探偵業を行なっている。書類仕事は機械の声で全投げして寝る。 財政的に余裕のない母子家庭で生まれ育つ。お陰で虐められていた時期アリ。子供とは非情である。 彼がオーヴァードとして覚醒したのは、そんな虐めの折。中学に上がったばかりの頃、相変わらず虐められていた彼に手を差し伸べた、少し優しいだけの平凡な少女が居た。彼は当たり前のようにそれに縋り、そうして彼女もまた虐められる側へと転がり落ちる。 不幸だったのは、彼女が少し優しいだけの平凡な少女であった事。手を差し伸べる優しさを持ち、盾になる強さのなかった彼女は、暫くしてから姿を消した。裏切られたと彼は自暴自棄になり、ただただ死なないだけの、消極的な生を送る。 しかしやがて彼は安易に縋ったことを悔い、いつか誰かが自分に頼れるように、自己改革を誓い。その決意の中で、彼は小さな国を手に入れた。 ──── エージェント上がりの水鏡市支部長。元支部長のファルスハーツから送られてくる手紙や、元同僚のファルスハーツの連続殺人鬼で胃が痛い。最近自分を慕って来た部下がジャーム化して一層凹んでいる。それでも仲間達に支えられて何とか業務遂行中。たまに不可視の領域で雲隠れするが、真花に看破されて連れて行かれる。 機械の声やらテレキネシスのお陰で書類の処理スピードは早い。 最近は胃痛に別の要因が加わったためか、現場に出ない。

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