タグ： ひややっこ🌹 オリジナル

幼い頃に父を殺した少年。 父子家庭で有り、過度な虐待が原因だった。 毎度休んでいたプールで、担任に理由を問い質されたのが原因だった。 体中に蔓延った跡に大人たちは絶句した。 その瞳が忘れられず、ずるずると引き摺った儘、その日の夜に教師に暴かれてしまった事実が判明し、今度こそ殺されると思った。 暴力の海に沈んでいた傍ら、床で浅い呼吸をする自分を尻目に、工具を漁る父親が見えた。 興奮して、此方は見えていないようだった。 このままでは、死ぬよりもひどい目に合うと思った。 だから、父親の背後にそっと近づいて、金槌を奪って、そのまま振り下ろした。 倒れた父を横目に、彼が煙草を吸うために使うライターで家に火をつけて、自分も一緒に死のうと佇んでいた。 けれど、死後硬直の影響か、或いはまだ生きていたのか。 びくりと動いた父の姿に怯え、火炎の中を逃げ生き延びた。 その経緯により、11歳で父親を殺害した子供は、児童自立支援施設行きと成った。 16歳で施設を出ることに成ったが、外に出ても全く周囲と馴染めず、体中に残る火傷の跡と、白く濁った隻眼のせいで友人の一人も出来ず、不良の小間使いのようになり、人間関係を保ってきた。 結局、外に出て自由になっても理不尽に暴力を受け、小走りさせられては、言葉で嬲られる。 父の情景をトラウマに、また人を殺める勇気もない彼は、不良に促される儘、17歳で大麻に手を出して医療少年院に収容される。 ずるずると生活を続けるまま、医療少年院に出ては入り、計三回。 年齢的にも自立せねば成らなく成り、彼が生涯を通して興味を示していたコンピュータの世界に足を踏み出す。 本を頼りに独学でプログラムや電子工学を学び、パソコンを一人で組み立てるまでに成長したが。 その過程で試したバイトでは偏見の目、外を歩くたびに突き刺さる視線。 外に出れなくなった彼は、クラッカーとしての道を選んだ。 外見は散髪に行っていない髪が伸び、前髪を隻眼に寄せて視界を広げている。 片方度の入っていない眼鏡を掛け、その下に包帯を巻き、眼帯を付けている。 寝不足故に隈が酷く、目付きも人相も悪く、死者が死体のまま蘇ったような印象を受ける。 深くフードを被れるパーカーを好み、下は動きやすい黒のスラックスを履いている。 手には黒い革手袋。 薬物中毒や適応障害により精神的に酷く衰え、妄想に陥って一人で錯乱し、ホラー画像を見てしまった日には眠れなくなる。夏の怪異特集などが大嫌いである。 クラッカーとしての渾名は『ロットビーバー』 また、IT個人事業主、所謂フリーランスとしても活躍しており、その社会でもニックネームで活動している。申し込みはメールやチャットの遣り取りのみで、声や顔は晒さない。その為収入はそれ程でも無く、それ故に犯罪に手を出している節が有る。単純に人と関わりたくない心理もあるが、「甘呂義(カンロギ)」というペンネームでSNSもやっている。仕事専用のアカウントであり、フリーランスとしての名と同等である。 今まで蓄積したものが友人の死で爆発し、一度自殺を考えたものの、引き止められて断念。 退院後、友人の別荘の墓に名前を掘って、飴をお供えする予定だ。 予定だが、口にして決めた訳ではない、単に何れ来る確定した未来だという話。 彼はまだ知らない、これからのことを、病院の外のことを。 精神病院に入院し、毎日見舞いに来る男にうんざりする日々だ。 孤独じゃないだけ、ましかもしれない。 【通過シナリオ】 《沼男は誰だ？》 SAN-24 《君と歩く真宵》 SAN+23 《雪に溶ける病》 自宅療養ルールSAN+22 (一年半経過→29歳) SAN報酬等+3 【後遺症】 《不定の狂気》 健忘症、昏迷、あるいは緊張症 4ヶ月 【AF】 《空閑虎鹿の連絡先》 人身売買のブローカーの連絡先

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